八代目の大仕事にかけた大改修

箕輪町で鉄工所を営む家のお墓づくりは、家族の歴史を振り返ることから始まりました。

創業大正四年、当代廣治さんの祖父が鉄工所の創業者。9才である鉄工所に修行に出、やがて立派に独り立ちします。父榮治さんがその鉄工所を16才で継ぎ現会社の礎を築きました。広治さんは自らを「建築馬鹿」と称するほどに、鉄骨建築と快適な住まいに大きなこだわりをもって会社を大きく発展させました。ただし家の歴史は広治さんで8代目。元文年間、赤羽大本家から出た分家が初代とされています。代々鋳物などに携わる工業職人の家系でした。その中には石工だった人もいたとのことで、当店の仕事にも大変興味を持ってくれました。

赤羽家のお墓は祖父の代で建てた石塔とそれ以前の古墓石を並べ直しきれいに外柵をまわす大掛かりな改修工事。本尊石塔は蓮華座付で当時の石工の技が光る、今ではかえって貴重なものです。

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このご本尊をさらに活かすよう台座にもなる地上納骨堂を設置し、石の色合いを合わせた安山岩を使用した香炉などの付属品にもこだわりました。据付工事には広治さん自ら立会い、時には作業も当店のスタッフと一緒に行いました。職人家系ならではのお墓への姿勢は当店の職人にとってもとてもありがたく勉強になるものでした。

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もともとあったすじの蓮華座付の本尊を一式再研磨、上台には「赤羽家」と家名を彫り込み、花立と香炉を新調。

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すっかりきれいに。まったくの新品を建てたようになりました。

このたび新しくつくった墓誌には、5代目からの先祖の戒名が刻まれています。そしてそれ以前の先祖を刻んだステンレス戒名版も2枚製作。1枚は納骨堂へ納め、もう1枚は仏壇に納めることにしました。

8代にわたる長い家系。その重みを受け止める心はそのまま先祖への感謝の念となり、家族中で作り上げる過程を大事にした、赤羽家のお墓。明るい真夏の日差しの中、威風堂々と建っています。

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