シンプルな横型、表字を新しく

すっきりとした横型のお石塔の表字は「稲雲(とううん)」。彫刻面に対して主張しすぎない大きさで、上品な行書体で表現されています。入口には植栽スペース、そして奥に佇むのは苔むした八ヶ岳の自然石。しっとりとした緑灰の色合いのお石塔を中心に、全体的に枯山水のような趣をかもし出すのが、小山家のお墓です。

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7年前、長坂町小荒間に千葉県から移住してきた小山さんご家族。ご夫婦は定住、次男・兵衛さんは普段は東京でお勤めですがほぼ毎週末をここで過ごしています。400坪を超える敷地は家庭菜園をはじめ様々な種類の山野草や庭木がひとつに解け合いながら、古民家風の住宅を囲んでいます。

今お墓には10代でガンを発病し20歳をすぎてまもなく逝った長男芳房さんが眠っています。一度は千葉県印西市の自宅のそばにお墓を建てましたが、その後自然豊かなところで暮らしたいという夫・克衛さんの強い希望で、八ヶ岳への移住を決意。気軽にお墓参りにも行かれるように、お墓も引越しすることにしました。

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「自宅の庭の延長のような場所にしたかった」とお墓づくりへの想いを語る小山さん。 正面の字は「小山家」と彫ってあったものを、ご家族の希望で「稲雲」に彫りなおしました。病気と闘いながら早稲田付属高校に通っていた克房さんの戒名の一部ですが、八ヶ岳の里山にもぴったりの言葉でとても気に入っていると小山さんは言います。お墓にすえた自然石はここ長坂の家の庭から持っていったもの。自宅の庭に生えていた落葉低木サラサウツギもお墓に株分け。植え替え時はちょうど小さなピンクの花をつけ、侘びの情緒にほのかな彩りを添えていました。長坂の家の庭にあったものを分けることで、家族4人いつでも一緒という想いが実ったようです。


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