いつも誰かが訪れる場所へ

富士山のふもとに位置する冨士霊園に、一見ミニチュアの丘のように見える一画があります。自然石で囲まれたスペースの真ん中がこんもりとふくらみ、芝が生えています。後ろは自然石積みの石壁、近くの緑地帯からの木々の枝もさりげなく視界に入ってきます。これが一般社団法人「テラ」の運営するお墓、その名も「清風苑」。まさに自然の風や緑が感じられる一画です。
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「後ろの石積みはこの墓所を買う前からあったものですが、一目で気に入ってこの雰囲気を活かしたお墓にしたいと思いました。人工的な形じゃないほうがいい、むしろ自然石がぽんと一つ座っているような。そんな感覚がわかる石屋さんと一緒に作りたいと思いました」コンセプトのついてそう語るのはテラの代表理事・山下證善さん。浄土真宗慧光寺の住職でもあります。

「老・病・死」の過程の中で必要なコミュニティづくりを事業の柱とする(一社)テラ。地域在宅医療と連携した高齢者のシェアハウス運営や自分らしい葬儀の生前プロデュースなどがその代表的な例です。そしてこのたび宗派問わず縁のあった人がだれでも入れる、会員制の永代供養墓として「清風苑」が誕生しました。
「死は誰にでも訪れるもの。みんながお互いを思いやる気持ちを持ち、関係を深めることで、老・病・死の不安や恐怖が少しでも和らげればいいですよね。お墓にピクニックやお花見に行ったりもしたい。そういえば、この区画と出会ったのも、ピクニックがてら霊園を見学しているときでした(笑)。ここに来ればみんな温かい気持ちになれる、そんな場所にしたいです。そんな願いもあって、お墓にはあえて管理が必要な芝をはりました。『草が伸びてないかな、お花は枯れてないかな』そんな風にいつも誰かが気にかけて、お参りの足が絶えない場所。自分の身内だけじゃなく同じ思いでここに入った仲間の分もお参りしてあげられるような関係性を生きているうちからつくりたい」
 
10月。すがすがしい秋晴れの中、お墓の開眼式が行われました。集まったのは最初に「清風苑」に入ると決めた人10組。工事の最後の仕上げとして、みんなで順番に芝をはりました。「お墓づくりの一部に参加したという意識がめばえてきました。みんな口をそろえて『これで安心した』と言ってくれます。「いつも誰かが集う場所―清風苑」。四季を楽しむ会員みんなの憩いの場です。
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