命の色、赤い十字架のお墓

四方に山々を見渡す小高い丘にある地域の共同墓地に、クリスチャンとして学び信じてきた主の教えのもと建てたお墓ができました。

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赤い大きな碑石をV字の屏風型に据え、空間で十字架を表現した設計。

 
聖書を広げたような大きな屏風型の碑石。その真ん中に空間として十字架を表現しています。十字架の間から垣間見える里山の風景、南アルプスの山々、そしてそこから差し込む夕日。碑石には私たちが大切にしている聖書の言葉を刻みました。また、碑石の前の祭壇と反対側にある腰掛には日本でのキリスト教の苦難の歴史の中で使われてきた図案や、主イエスをイメージする絵を彫りました。

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歩きやすいように下はすべて石張りし、足元にも十字の模様を入れました。

私(妻・木下恵美子)は宮城県女川町出身。ご縁あって夫と山梨県白州町に移住し27年が経ちますが、故郷の土地や家族のことはずっと愛しています。
ところがあの震災で母と妹を津波で亡くしました。震災の1週間ほど前に久しぶりに郷里に帰り、実家の家族との語らいをもった直後のできごとでした。

手を尽くして行方を捜しましたがみつからず。これ以上ないくらいの苦難と思われましたが、家族や友人の励ましもあり、天国で元気にしていることを思い安心と希望を持てるようになってきました。また母と妹のお墓を北杜市に建てたいと思うようになりました。

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幸いお世話になっている教会の牧師先生のご支援や地域の方のご理解もあって、自宅からそう遠くないこの共同墓地を譲っていただくことができました。碑石の後ろには母と妹の生年月日と亡くなったと思われる震災の日、そして私たち夫婦の生年月日もすでに彫刻してあります。
 
夫(木下和好)は英語教育が専門で、自宅でも毎月英語によるバイブルクラスを開き、地域の方と交流しています。八ヶ岳南麓が好きで移住した方、もともと地元にいらっしゃる方などいろいろな方と知り合えるのはとても幸せなことです。私たちが建てたお墓は木下家のお墓でもありますが、そんな風にして幸せな出会いをした知縁の方々にも入っていただけるお墓としても開放したいと思っています。

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碑石の前の台は祭壇 兼 仮の納骨堂。みんなが座っている手前の大きい方の台は腰掛け 兼 お骨をあけるための空間。大地につながっている本納骨堂なので、いずれお骨が土に還っていくつくりです。

美しい八ヶ岳南麓の里山に抱かれ、ここで祈りをささげながら家族を思い、隣人を思い、いつまでも笑顔の絶えないお墓。外国のように楽しくピクニックができるようなお墓であることを夢見ています。

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