甲斐駒ケ岳、八ヶ岳を一望する小高い共同墓地の南端区画にある小池家のお墓。
歴代の供養塔群の真ん中に、お地蔵様とみられる石仏が鎮座します。
「このお地蔵様がご本尊だと祖父から言われてきました。」と、一茂さん。
長い年月をかけた石独特の風合いと表情が、なんとも味わい深いです。
小池家は家系図によると治承年間(1177年頃)から34代続く家。
このたび母の13回忌に合わせ、父の50回忌が近いこともあり、お墓の改修を決めました。
「父が亡くなったのは私が高校生のとき。
祖父からは父の代わりとしていろいろなことを教えてもらいました。お墓のことも。
一番古い石塔はさざれ石という固くて風化しにくい石で、
小さなお地蔵がいくつもあるが、これは六地蔵のなごり…など。
そういうことを教わる中で、自然に自分がゆくゆく守っていくべきお墓なんだという意識がそだっていきました」。
祖父母と両親を送り、それぞれの先祖の立ち日には家族でお墓参りに行くのが小池家の習慣となりました。
「父と祖父の命日がある11月のお参りは景色もきれいで、楽しみです」と、妻の澄子さんも語ります。
取材の日は長男正通さんも休日。
ご家族でのお墓参りに同行させていただくことができました。
「お墓がきれいになってお参りしやすくなったから、このあとは楽ですね」と正通さん。
親子でお墓守りの了解がとれているご様子がとても自然でした。