山を登る人
ころころ通信16号の編集を始めました。
今年の夏はとても忙しく、おまけに新しいライターの仕事も始めてしまって、
秋に出そうと思っていた通信が1回飛んでしまいました。
待っててくれている人がどのくらいいるかわかりませんが
石やお墓の情報を伝えていくためには、やっぱり通信は欠かせません。
いいかんじでネタも集まってきたので、いよいよ来年早々には発刊の予定です。
さて、今回の目玉記事のひとつ、「その道のプロにきく仕事へのこだわりとご先祖祀りについて思うこと」。
今回の人は、山岳ガイドの竹内敬一さんです。
八ヶ岳連峰のひとつ編笠山の頂上近くにある山小屋「青年小屋」を経営するかたわら、
山梨県警の山岳救助隊長として数々の危険かつ難しい遭難救助を達成。
日本山岳ガイド協会理事で、八ヶ岳山岳ガイド協会の会長でもあると同時に
登山家としてエベレストなど世界の名峰の登頂経験も豊富な、プロ中のプロ。
そんな人が小淵沢町内のすぐご近所に住んでいらっしゃって、
今年はお住まいの地区の共同墓地の管理役員さんも持ち回りで引き受けていらっしゃいます。
今年はウチもたまたまその地区の仕事が多く、役員さんとしての竹内さんにとてもお世話になりました。
そんなご縁もあって、取材を申し込んだところ快く引き受けてくださいました。
山に登り、人の命も預かる竹内さんが考える「お墓観」とは?
今まとめている最中で、竹内さんにもまだチェックしてもらっていませんが、
限りある字数の中では入りきらなさそうな話で、とても印象に残っていることをここに記しておきます。
伐採に使われてきた日本の伝統的な斧の刃には、片方の面に3本もう片方の面に4本の筋(切れ込み)が入っています。
これは機能に関係することではなく、信仰から来ているとのこと。
4本の筋は「地水火風」、3本の筋は「塩、水、米」を意味する。
つまり大地や自然へのお供えを表す。
伐採にあたり、木の1本1本におきよめをし、祈りをささげることの象徴なんだとか。
ネットで調べてみると若干違う語呂合わせも出てきていますが、
とにかくこれから切る木に対して深い畏敬の気持ちを道具に込めたことが窺えます。
山岳信仰にも象徴されるように、日本人は昔から山に畏敬の念を持っているのです。
ここは、「山は征服するべきもの」と考えて人間の欲するままに自然の形を変えてきた西洋人とは
正反対の理念なのだそうです。
竹内さんの登山には、そんな想いが原点にありました。
通信では、その真摯な姿を紹介できればと思います。