お知らせ

2013年11月30日

不動清水の景観工事と記念碑

富士見高原から入る、西岳、編笠山への登山道入り口に
「不動清水」という湧き水があります。
一般道からは2kmほど山道を入った、神聖な雰囲気に包まれた森の中にあるため、
一般の人はあまり訪れることはありませんが、
多くの登山者の喉を潤してきました。
  
このたび、不動清水周辺の環境を整備し、新たな観光スポットとすべく景観工事が行われ、本日その竣工式を迎えました。
八ヶ岳から出た大きな岩に吐水口を設け、清水がすくえるよう水受け場を作りました。
手前に自然石の卓と座石を設置。
脇に建つ銘石は、やはり八ヶ岳の自然石に直接彫った「不動清水」の文字。
この景観工事及び銘石の建立を、当店と当店の兄弟会社㈱伊藤建設石材とで行いました。




  
建立にあたっては、伊藤建設の誇る石積み職人・小松末春も加勢。
80才もなかばで、隠居中の身でしたが、
この人の石積みの感性は神業的。
石の姿かたちを瞬時に読み取り、抜群の平衡感覚で納まりをつくりあげます。
  
竣工式では富士見町長のほか、富士見出身の出世頭ヨドバシカメラの社長の姿も。
今回の事業の大スポンサーなのです。


右から、富士見高原リゾート福田社長、富士見町長小林氏、グリーンのパーカーがヨドバシカメラ社長藤沢氏。
一番左が㈱伊藤建設石材社長 伊藤建樹。
  
式のあとの会食は富士見高原ゴルフ場のレストラン「アゼリア」で。
またそのコース料理が絶品でした。
小淵沢のリゾートホテル・リゾナーレ八ヶ岳から来た富士見高原リゾートの社長が、やはりリゾナーレからシェフを引き抜いてきたとのことです。
ゴルフはしませんが、これはまた食事だけでも来る価値がある思いました。
(妻が連れて行けというのが目に浮かぶ・・・)

2013年11月3日

いばらき笠間、石と陶芸の町。

茨城県笠間に行ってきました。
ここは真壁や稲田といった、御影石の産地が近いところ。良質の白御影が採れ、石製品の加工場や職人も集まっています。
その他、陶芸の笠間焼も有名。
毎年11月初めの連休には石と陶芸の工芸まつりが開かれます。
今年は「いばらきストーンフェスティバル2013」、「茨城を食べよう。収穫祭」、「笠間焼フェアー陶と暮らしー」が同時開催。それぞれにライブイベントがあって、もりだくさんの会場でした。


 
石会場「ストーンフェスティバル」では、茨城の石材業者の展示があります。
心なしか、3年前に来たときより規模が小さくなっているかんじ・・・。
茨城の御影石を使った墓石や庭製品が展示されていたり、来場者の子供むきの遊具(もちろん茨城産御影)があったり。
栗をモチーフにしたキャラクターの大きな石像を、参加者に砥石で磨かせてつるつるにしていく、という体験コーナーに子供たちがはまっていました。
職人さんの引き臼の目立て作業の見学も勉強になります。
ひだり みぎ
ひだり みぎ
ひだり みぎ
ひだり みぎ
 
アート彫刻のコーナー。
石のかけらをこすり合わせると、カエルの鳴き声のような不思議な音が。
もしかしてただのきれっぱしに見えるけど、計算されつくしたかけらなのか?!


 
オブジェの前でポーズをとってみせます。


   
笠間工芸の丘から市街を見下ろすところに、男女を表した彫刻が。
景観をも取り入れたアートなのです。


 
みどころ満載、あそぶところ満載の笠間でした。

2013年10月21日

手書き文字の彫刻は意外と大変

久しぶりに、手書きの戒名を墓誌に彫ってほしい、という依頼がありました。
 
これ、実はかなり大変なのです。
今は、パソコンのフォントを専用のプロッターで自動カットして、ゴムマスク(彫刻用文字型)を作る時代。
当店では機械好きな先代親方が他の石屋さんに先駆けて自動ゴム切り機を取り入れ、
当代の若だんながフォントの字そのままではなく一文字一文字にこだわって文字を作りなおしました。
石に彫ったときに美しく見える抑揚のある字は他の石屋さんにも評価が高く、
他店用のゴムマスクの製作も受けています。
 
墓石の表字のように大きな書は、有名な書家さんや住職さんの手書き文字をゴムにトレースしてハンドカットすることはときどきありますが、
墓誌の戒名(+歿年月日、俗名、行年)のようにたくさんの小さな文字を手で切り取るのは大変。
もちろん昔はそういうやり方だったわけですが、
今はそんな細かい作業を請ける石屋も少なくなりました。
するとしても、単純に転写した文字をそのまま切るだけ。
でも、文字にうるさい伊藤石屋は違います。
まずスキャナで原稿を取り込み、1文字づつ位置や大きさを調整、ゴムシートに出力した後、文字の彫上がり考えながら輪郭を修正しつつカットしていきます。
しかも、ハンドカット用のカッティングナイフ(振動式)ではなく、微調整のきくメスによる手切りにこだわります。
書き文字をそのまま刻んだのでは、もとの書と雰囲気が違ってしまうからです。
自慢じゃありませんが、若だんなは手先が器用。
冗談で「石屋じゃなくて、医者(執刀医)になればよかった」などとほざくくらいですから、こういう作業はまあ得意といえば得意なのです。
そんなに時間かけても誰も気が付かないよ〜、なんでそこまでするの?と思いますが、
しなきゃ書いた人が違和感を持つんだ、書かれた字がそのまま彫られたようにしてるんだ、って理屈みたいです。
でも、ほんとは好きだからやってるんですよね。

しかし大変〜。
でもご依頼主さんも、どうしても住職の手書きにこだわりたかったということで、
がんばってお引き受けしました。

2013年10月11日

和食処に石&鉄アートの看板

小淵沢の人気和食処「庫楽」に、看板用の石を納めました。


 
薪ストーブ製作と鉄アートを手がける、富士見の「北澤アート」さんとのコラボ。
北澤さんが鉄を文字型にくりぬいて、石にとめつけます。
鉄の中に照明をいれ、夜は文字が浮き上がるようなデザイン。
純和風とも違う、不思議な素材感がおしゃれです。






 
今回北澤さんからの注文だったのですが
庫楽のオーナーとも子供の関係などで親しい間柄。
「そのうち北澤さんから石の発注、行くからね」と詳細は聞かされないまま打診していただいたのが4月ごろ。
で、北澤さんから実際にはなしがあったのがついこの間の10月あたま。
ご依頼ありがとう、と喜んだのもつかの間、
なんと納期は2日後、というじゃないですか!
「ありものでいいから」。
えー!!もうちょっとそうは言ってもウチにもこだわらせてくださいよ。
せっかくの庫楽さんの看板なのにー!

急遽、在庫の石材の中から指定の寸法に近い板材を見つけ出し、
四角に切って糸面とりして、指定の場所約20箇所にボルト用の穴を開け、
なんとか期日ぎりぎりに渡しました。
そんな突貫仕事のわりには、雰囲気の出てる看板になりましたね。
 
だけど、欲をいえば、地元甲州御影を使って、側面はコブ出し加工など石らしい雰囲気をもっと出したかった・・・。
甲州御影石「塩山」は、もうどこの石屋もほとんど扱ってなくて、
特に今回のような一点ものの特注品に対応できる石屋は、
山梨広し(狭いか・・・)といえどもウチくらいのもの、と自負しているのに。
最初に話をもらったときに、ちゃんと元請さんをつかまえて、詳細決めとけばよかったなァ・・・・。
 
そんな後悔も残りますが、庫楽の新しい看板、なかなかステキです。
石と鉄も合いますね。

2013年8月24日

縄文人展 トーク&ライブ

縄文人展会期中のメインイベント、「ギャラリートークと縄文ドラムライブ」が行われました。
 
ギャラリートークは、作家が自分の作品について解説するコーナーです。
どんな思いでこの作品を作ったのか、特に「縄文」というキーワードとの関連を語ります。




 
そのあと、いよいよ縄文ドラムのライブが。
展示会場から歩いて10分程度のところに、縄文後期の遺跡「金生遺跡」が見つかったところがあり、そこが公園になっています。
ライブの会場にはそこが選ばれました。
ライブ、というよりそれはもうほとんど縄文時代の神事のよう。
演奏は土笛を出品していた宇々地さんと、縄文ドラム(アフリカのジャンベにも似た感じの太鼓)の黒岩成雄さん、プリミティブな踊りが魅力的なruricoさん、他の皆さんです。
なにしろ衣装がいかにも縄文らしい。
子供たちも出演し、そのあどけなさがさらに縄文の雰囲気を盛り上げていました。
そして、スペシャルゲストは、ふだんから縄文の村の長のような塩野谷博山さん。




 




2013年7月8日

酒屋&民宿&石屋コラボ 石窯酒会

酒屋&民宿&石屋コラボ 石窯酒会
投稿日:2013-07-09 Tue
小淵沢の老舗酒店・久保酒店さんと、3階建ての古民家民宿・泉園さんのコラボで行われる、恒例の酒会にお手伝いに行きました。

今回のテーマは、地ビール。
山梨と長野の地ビールをのみ比べるのです。
梅雨明けしたこの日にぴったり!




 
そして、泉園さん提供のつまみや料理にも舌鼓。
その料理の調理風景を実演するのに活躍したのが、大谷石の石窯でした。


 
参加者の皆さんの、いーい表情!






  
スーパーの冷凍ピザが魔法のようにおいしくなりました。
他にも、じゃがいも、かぶ、ベーコン、ソーセージなど素材丸ごと焼きを堪能。


 
夏のガーデンパーティを小粋に演出する大谷石の本格石窯。
アツイ 夕暮れです。

2013年6月20日

八丈焼きとともに・・・

施工事例「自分らしさを無の字にこめる」でご紹介したAさんのお家に、終了のごあいさつに行ってきました。
 
お仕事の最後には全優石と当社のダブル保証書をお渡しします。
それからちょっとした記念品を。
今回はとにかくあの「無」の字が気に入ってくださってたので、
一文字石板をプレゼントしました。
 
ちょっと変わった「無」の字。
篆書という古代文字の一種で、今でも印鑑などにはよく使われる書体ですが、
なんだか絵みたいな感覚が、今の時代逆におしゃれ。
この字は愛知県出身の書家・安藤豊邨氏の書です。
愛知県の親戚で、やはりブラスト彫刻で記念のガラス瓶を製作している会社があり、
その先代さんの顔でこのような有名な方に書いていただくことができています。
今回も「無」の字を何種類か書いていただきましたが、
Aさんは即決、この篆書の字になりました。
 
「人が二人(夫婦かな?)万歳しているように見える。」
「相合傘してるみたい」
 リビングのサイドボードに飾ってもらいました。
 
ところで、お施主のお父さんは八丈島のご出身で、全国的にも有名な陶芸家の先生だったとか。
お父様作の作った「流人仏」と、茶の湯で使う茶碗をくださいました。
 
「無」の字がくれたご縁、大切にしたいものです。

2013年6月17日

追加彫りの準備

亡くなった人が出たらすでに建ってる墓石や墓誌にお名前を彫ります。
これを追加彫りと言っています。
追加彫りの準備はまず現地の下見と字の写し取り。
 
戒名などが彫ってある面に写し紙を合わせて、拓本を取るように写し取っていきます。


 
最近この拓本取りに便利なグッズを購入しました。
「写しとり〜な」。


シングルカーボンになっていて、上からヘラでこするだけであっという間に写し取れます。
 
今までは障子紙をあてて濃い鉛筆やクーピーでシャッシャッと書いていました。


 
新しいグッズを使うと早いし、手も汚れないし、薄青のインクで字も見えやすいし、割り付けのメモをするのにも書きやすいのです。
暑い日中の作業も短時間で済み、ありがたいです。
 
こんな風に、現場下見をしていきます。

2013年6月14日

木の看板つくりました

ブラストによる桧の看板。

白州の看板屋さん、ヒノ企画さんからのご依頼です。

今回は先方さん支給のフォントデータで彫りましたが、作書の提案もさせていただきました。
次回からは使っていただけそうです。

画像はゴムマスクを付けたままの状態です。

2013年6月12日

布袋さま、やっと安住の地に・・・

以前、当店の工場の角のところにあった石の布袋様。
ちょっとしたトレードマークになっていて、見る人の顔をほころばせてくれていましたが、
昨年、市道の拡幅工事のため一時避難していました。
社員駐車場にパレットに乗せておいてありましたが、
このたびやっと据えなおしすることができました。






  
1年あまりの時を経て、やっと安住の地を得ることができました。
  
この布袋様、不思議な力を持っています。
でっぷりとしたおなか。ここをなでると食べ物がおいしくなります。
大きく笑った頬。ここをなでると楽しい気持ちになります。
つるつるの頭。ここをなでると頭がすっきりしてやる気がでます。
  
幸せになれる布袋様。
あちこちなでてみてくださいね。