お知らせ

2012年5月26日

大谷石の炉、作りました

富士見の山荘にお住まいの方より大谷石の炉を頼まれました。
20年ほど前にウチの先代が作ったものを、大事に使ってくださっていたのですが、
それと同じものをご友人のお宅にもつけていただくことになりました。
 
 今まで使っていた炉。
 
ここで使っていた鉄蓋を利用するので、縁に切り込み加工を入れました。
 
 
 
  

 
 
大谷石は耐火性に優れているので、直火使いにはぴったり。
もちろん長い間には上のように、ぼろぼろと角が崩れてきますが、
その風化も色の変色も風合いのうちで、使い込むほどに味わいが出てきます。
 
 新しい炉。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ちなみにこの方、石が大好き。
彫刻家として名高いイサム・ノグチの美術館(香川県牟礼)にも何度も行ったことがあって、立派な図録を見せてくれました。
いいですねぇ。
牟礼には一度は行こうと思ってましたが、いい予習になりました。
 
お知り合いの別荘のお庭にはとてもきれいな形の石ころが。
あちこちの川などで拾ってきたそうです。
 石ころを重ねただけでアート。

2012年5月12日

復興支援、耐震ボンド

全優石から「復興支援・墓石用ボンド」納品されました。
地震にも強い墓石専用ボンドです。
石材店が購入し、施工に使います。
この売上の一部が東日本大震災の復興支援に回されます。
当店もこういう形で少しでも支援に協力できれば、と仕入れました。
 
当店は標準で、これと同等またはさらに強力な墓石専用ボンドを使っています。
これを使うと、石材同士の接着面は非常に強固になり、何百kg〜何tまである墓石組を上からクレーンで吊っても離れることはありません。
さらに、目地部分も丁寧にマスキングテープを貼った上でこのボンドを使って留めています。
「なんでそこまで?」って、そりゃやっぱり、ウチで建ててくれたお客さまには、お墓倒壊やくるいの切なさを味わってほしくないからです。
 
安売り屋さんの目地を見ると気の毒な施工がほとんど。
ホームセンターで売ってるような安いシリコン剤で留めてあるものは、数年のうちに劣化してブヨブヨになり、簡単にはがれてしまいます。
すごいものになると、マスキングテープすら使わず、モルタルで閉じてあったり。
もっとすごいものは、基礎工事や接着すらしてなかったりします。
燈篭、墓誌、塔婆立などを試しに手でゆすってみれば、意外と簡単に動いたりします。
女性や子どもでも動かせるようなものも多々あり、地震どころか、普段のお参りでもちょっとぶつかったら・・・なんて考えると恐くて心配になってしまいます。
どうかケガをなさらないでくださいね、とそっと祈ってきたりして。
 
当店では墓石と外柵全体ともなると目地作業だけで1日以上かかったりするのですが、
安い施工では重ねるだけですからあっというまに立ち上がってしまいますね。
もちろん、どこまでの品質で満足するかはお客さんの判断なのですが、
そういうことを説明している石屋はまずありません。
当店は施工方法を金額も含めてきちんと説明した上で、最終的にはお客さまに選んでもらっています。
 
東日本大震災では、近年の施工でしっかりしたボンドの使い方をしている墓石は、倒れているのが少ないことがわかりました。
建築の世界では、過去の震災を教訓に基準が厳しくなったり(現場主義の大工職人さんに言わせるととんちんかんな基準だったりするようですが)、免震工事耐震工事などの重要性が見直され、業界全体で地震に強い家づくりを模索する動きが活発になって、産業として発展していることを感じます。
それに対して墓石業界では、人命に直結することでないせいか、国が基準を設けたりすることはありません。
施工する側が、よりお客様のことを考えて、今回のように接着剤あっせんの動きがあることは、業界として歓迎すべきことだと思います。

2012年5月2日

石のある風景 〜高森・桜の下〜

富士見町にも連休直前、やっと桜が見ごろになりました。
信濃境駅から北へあがった高森集落には、
弘法大師堂という萱葺き民家風の古いお堂があり、そこの枝垂桜が町の名所のひとつにもなっています。
ここを中心に、桜が点在。
小さな規模の集落墓地や屋敷墓のバックにも桜があります。

こんなお墓、ステキですね。

お客さまのアイディア 木工とコラボ

大谷石の薪ストーブ壁のご依頼をいただいたRAKAIA農場さん。
こんどは十和田石の板材を使って、ご自身で小さな台をつくってみた、とのこと。
事務所に持ってきてくれました。
薪ストーブでピザなどを調理し、取り出したものを仮置きするためのものだそうで、熱にも耐える素材が必要だったということでした。
 
大谷石も十和田石も凝灰岩で、風化は早いのですが、比較的熱には強く、御影石のように「パリン」と割れる心配もあまりありません。
それに、色や斑がとてもきれいで、インテリア向きです。
 
RAKAIA農場さんは農業のかたわら、木工の作品づくりもされます。
石の特性も活かしてくれた斬新なアイディア、うれしいです。
 
皆さまもこんな風に石を使った例があったらぜひお知らせください。
他の人たちにもご紹介したいです。

2012年3月10日

震災から1年・・・復興を祈念して

東日本大震災から明日で1年。
亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますと共に、被災された地域の皆様、
また、そのご家族の方々に対して、心よりお見舞いを申し上げます。 一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。

全優石といとう石材は、復興を願って様々な取り組みを行ってきました。
全優石ではお墓の被害調査、お墓の修復への会員店による支援、デザイナー浅葉克己氏との連携による津波石建立やポスター頒布、墓石復旧工事に係る悪質業者の存在を消費者へ注意勧告等…。
いとう石材からは全優石を通した義援金募金に加え、地震発生直後の昨年3月20日に店内でチャリティーバザーを行い、売上全額を「赤い羽共同募金」へ寄付しました。このイベントは単にお金を送るだけでなく、被災地から離れた小淵沢にあっても被災地のことを思い、災害や環境のことを考えさせられ、沈みがちだった気持ちを復興の希望へと変える、というとても大きな意味を持ちました。フリーマーケット参加者の皆様や地域の皆様のご協力にあらためて感謝申し上げます。

微力で直接現地で復旧活動に参加はできませんが、全優石の取り組んでいるポスター頒布活動にできる限り協力していきたいと思います。

上の画像にもあります、パウル・クレー&浅葉克己デザインのポスターを3000円で販売いたします。
この売上の収益金は全優石の津波石建立事業に充てられます。
まとめてとれば送料が安くなりますので、ぜひお申込みください。
ご希望の方はのお問い合わせボタンより「パウル・クレーポスター注文」と件名を入れて送信してください。

2012年2月16日

石巻訪問

石屋団体・全優石の総会に出席するため、宮城に行ってきました。
毎年全国もちまわりで、石産地近くで総会が開かれますが、今年はあえて仙台となりました。
仙台は10年ほど前にも総会が行われたところですが、今回は人が集まることの経済効果を狙ったものとみえます。
 
2日目は松島と石巻へ。
松島は日本三景のひとつで、今はカキのおいしいシーズン。
なのに、観光客は激減、特に外国からのお客は皆無だそうです。
松島も浸水1m以上あったことが、待合室の写真ギャラリーでは紹介されていたけど、今では大きな爪あとは残っていないように見えました。
 
石巻は言葉を失う光景。
1年経っても倒壊したままのお墓。
地面は基礎までえぐられ、海の砂が入り込んでいます。
 
けれど、近年に施工したお墓はほとんど倒れてないことがわかりました。
土砂には埋まってるけど、傾きはみえません。
 
お墓が倒れるということは、長期にわたって心理的不安が続きます。
石屋として、精一杯のことをやるだけだ、と気持ちを引き締めることくらいしかできませんでした。
撮影させていただき、ありがとうございました。

2012年2月3日

尊いお仕事

ころころ通信9号ができました。
今回は奇しくも「教育」が共通のテーマみたいになりました。
小学校の話題2つ、環境学会の先生の話。

通信をまとめて置いていただこうと、今回取材させてもらった環境についての研究をしているT先生のところに行きました。
日蓮宗のお寺の住職さんでもあります。

アポをとらずにいきましたが、先生はこころよくお宅にあげてお茶を出してくださいました。
「この通信も、よくまとめられてますね」
とお褒めの言葉。
いろんな方々と繋がりになれるのが、わたしにとっても楽しいし、いいお話をきかせていただいたことを他の人にも聞かせてあげたい、石の魅力やお墓の大切さ、地域の情報、そんな情報発信が自分なりにできれば・・・
と熱く語ってしまいましたが、
そんな私の様子を静かに聞いていた先生、
「尊いお仕事ですね」と、とても愛情のこもった表情で言ってくださいました。

こんな言葉を使ってほめてくれる人、いるかしら・・・。
しばし感動で言葉を失いました。
尊いお仕事は先生のほうだと思いました。

今回の震災で何ができるか。
先生もとても心を痛められたそうです。
金銭的な援助はもちろん、被災地に実際に行って、支援活動もされました。
亡くなった人の中にはお葬式すらあげられなかった人がたくさんいます。
先生はそんな人々のために供養をささげてこられたそうです。
「それが私の仕事ですから。」

現代の日本は宗教心が相当薄れてきてしまってます。
でも、ただでさえストレス社会の現代。
心の安寧や救いを求める人は潜在的なものも含めるとどんどん増えていて、
ヒーリングだのアロマだのが流行り、カウンセリングや心療内科が求められてます。
こういうときこそ正しい教え、救われる言葉が必要なわけで、
本来、お寺はそういうものを与えられる素材がたっぷりあるはず。
キリスト教の教会はわりと普段から信仰になじみがあって救いや癒しの場みたいになってるけど、
お寺にもそういう役割を今の日本人は求めてるんじゃないでしょうか。

先日参加してきた「信州の山寺で写経にいそしむ」の会に若い女性もたくさん来ていました。
このお寺では奥さんが「てらーと」といってお寺で絵画や造形をするイベントを時折催しています。
絵を描いたり形を作ったりすることで脳が活性化され、自己表現や心の安定が図られるのだそうです。
高齢者や子ども、知的障害者にもとてもよい効果を生んでいるとか。

お寺を葬式仏教だけでない、もっと身近に感じられる場だといいなと思いました。
ということで、遅ればせながら、これから近所のお寺めぐりにも挑戦です。

2012年1月23日

石の穴あけにようこそ

「石に穴をあけてくれませんか?」
ホームページを見て、メールでお問い合わせくださった人が、今日来てくれました。

小石に6mmくらいの丸い穴を開けて、そこに磁石をうめこみ、石のマグネットを製作するのだそうです。

なんと横浜から。
てっきり近く(せいぜい県内)の人かと思っていたので、ちょっとびっくり。
でも、あちこちの石屋さんに問い合わせして、あまりにも小さい手間仕事なので、どこも断られてしまっていたそうです。
確かに、そうかもしれません・・・。
でも、クラフト製作のために、わざわざこんな遠くまで来ていただける、その熱意に感動。
それにおもしろそう。
石屋という仕事を知ってもらういい機会にもなります。

来てくれたのはこんな石屋にはめずらしい、若くてきれいな女性でした。
普段は会社員で、時間をみつけては樹脂でかわいいマグネットを作ってネットなどで販売しているそうです。
ホームページも教えてくれました。
comahawaiかわいい!ナチュラルな素材でこんなおしゃれなマグネットや画鋲ができるんだ!
このギャラリーにウチで穴を開けた小石のマグネットも並ぶんですね〜。
 
石 という素材は初めて、石屋の業界も全く初めて、というcomahawaiさん。
でも豆や貝殻を使った作品を見ていると、この人が石に魅力を感じたのも、とても自然な感じがしました。
きっと石屋とは違う感性で、石の魅力を引き出してくれると思います。
 
穴あけ終了。

薪ストーブを囲んでホームパーティ

薪ストーブ壁に大谷石を使ってくれた RAKAIA農場さんご自宅に招かれました。
薪ストーブを囲んでのホームパーティです。
 
薪ストーブができたばかりのときに写真を撮らせていただいて、今度のころころ通信にも載せるのですが、
やっぱり火を入れて、使ってなんぼの家具。
こういう生活感ある様子のほうが断然、魅力的です。
 
「そば打ちもやるよ」とは聞いていて楽しみにしていたのですが、
思いがけずMooが思いっきりハマりました。

粉をまとめて、こねて、のして、切って・・・
と一連の作業を熱心に聞いて、工程をほぼ覚えてしまいました。
Tazもこねる場では一生懸命ねんど遊び(?)してました。
週末の宿題の日記には、ほぼ覚えてしまった工程をつぶさに記述。
もともと本を読み出したらとまらない、など好きなものには集中できる子だとは思ってましたが、
いや、感心しました。
何より、そんな体験の場を与えてくださった、パーティゲストのそば職人さんとRAKAIA農場さんに感謝です。
子どもたちがこねる作業に使ったそばは、のした切れ端を集めて水を足したもの。
これもちゃんと切って、自宅で食べましたよ!
新そばのいい香り。おいしかったです。

2012年1月12日

新春・石臼お餅つきをしました

1月8日、朝からスカッと冬晴れ。
今日は小淵沢商店街の福引会です。
 
おととしから福引会のにぎやかしになれば、とイベントで参加しています。
今年はおととし好評だった石臼での餅つきをやりました。
 
臼は愛知県岡崎産のみかげ石「宇寿(うす)石」。シャレじゃないですよー。
「 宇寿石」は固くて粘り気のある良質な御影石で、仏像や鳥居などの彫刻ものにも広く使われています。
 
中国産の臼が氾濫するなか、国産のいい材料でいい加工した臼は貴重なもの。
石臼は一度温めれば温度変化が少なく、よりやわらかいお餅になります。 
ぜひ商店街に来るみなさんにもその良さをわかっていただきたい!

 
もち米は小淵沢松向の五味さんちのものを使わせていただきました。
臼ともち米は本格的!…ただしやる人間はわたしたちですけど・・・
 
餅は3回蒸してつきましたが、初回は作業の様子を見るに見かねて、その場にいたいろんな人が手を貸してくれました。
「手返しはこうするだ!」
2回目くらいからはだんだん慣れてきて、手際もよくなった・・・かな?
 
運がつくように、とお客様にも ついて もらいました。
 
景気のいい年になりますように。