楽しく歩く、家族の旅路
堂々とした「旅路」の文字、その横に小さな足あと。
Sさんが急逝した父を思って考えたお墓です。
旅が大好きだったお父さんは、その日も旅行に出かけ、急病で帰らぬ人となってしまいました。
「とても寂しいけれど、それも旅好きな父らしいな、と思うことにしています」とSさん。
いつも元気で、同居していたSさん家族ともよく出かけていたと言います。
初孫で特に祖父との絆が強かった長男Kくんに、印象深いお出かけ先は?と聞くと「お寿司!」とのこと。
「毎年誕生日にカードを渡してたんですよ。そこに小さいときの快成が似顔絵やお寿司を描いてるのが懐かしいです。」
まだ納めるべきお墓がなかったS家。
直美さんは兄や夫と話し合い、家族みんなが集まれるお墓を作ろうと決めました。
幸い自宅から歩いて3分の共同墓地に空きがあり、一からお墓づくりを始めます。
「旅路」は習字を習っているKくんの渾身の書。
足形は走り回るのが大好きな双子の弟たちのもの。
「お墓を建てるなんて一生のうちに一度あるかないかだから、貴重な経験でありがたいです。
お墓があれば将来子どもたちが私たちを送った時に迷わなくてすみますしね。
できてからは毎日散歩がてらじーじに会いに来てます。
大好きだったお花をあげてほっと一息、私が父と向き合っている間、子どもたちはバッタを追いかけてはしゃいだり。
そういう日常がとても幸せ」。