お知らせ

2023年10月9日

楽しく歩く、家族の旅路

堂々とした「旅路」の文字、その横に小さな足あと。
Sさんが急逝した父を思って考えたお墓です。

旅が大好きだったお父さんは、その日も旅行に出かけ、急病で帰らぬ人となってしまいました。
「とても寂しいけれど、それも旅好きな父らしいな、と思うことにしています」とSさん。
いつも元気で、同居していたSさん家族ともよく出かけていたと言います。
初孫で特に祖父との絆が強かった長男Kくんに、印象深いお出かけ先は?と聞くと「お寿司!」とのこと。
「毎年誕生日にカードを渡してたんですよ。そこに小さいときの快成が似顔絵やお寿司を描いてるのが懐かしいです。」

まだ納めるべきお墓がなかったS家。
直美さんは兄や夫と話し合い、家族みんなが集まれるお墓を作ろうと決めました。
幸い自宅から歩いて3分の共同墓地に空きがあり、一からお墓づくりを始めます。

「旅路」は習字を習っているKくんの渾身の書。
足形は走り回るのが大好きな双子の弟たちのもの。

「お墓を建てるなんて一生のうちに一度あるかないかだから、貴重な経験でありがたいです。
お墓があれば将来子どもたちが私たちを送った時に迷わなくてすみますしね。
できてからは毎日散歩がてらじーじに会いに来てます。
大好きだったお花をあげてほっと一息、私が父と向き合っている間、子どもたちはバッタを追いかけてはしゃいだり。
そういう日常がとても幸せ」。

てくてく…楽しく続く人生の旅路。
家族みんなの未来が幸多かれ、と見守るSさんのお父さんの笑顔が見えてくるようです。

2023年6月2日

めぐりあわせに感謝 一期一会

自然な岩肌に堂々とした「一期一会」の文字。山桜のそばにたたずむ森山家のお墓です。

 
静岡で長年警察官として勤務してきた森山さんは、退職後はふるさと富士見に帰ろうと決めていました。
夫婦そろっての第二の人生が充実してきたころ、妻順子さんのがんがみつかります。
「妻は自分の病気を承知していて、後のことも冷静に考え始めていました。
樹木葬や散骨についていろいろ調べていましたよ。
高原病院に通院のついでに丸山公園墓地を見学してみたら妻のほうが気に入ってね。
ちょうど一番上の段が一つ空いているという。
山がパノラマで見渡せるし、何よりすぐ後ろにきれいな山桜が咲いているのがご縁だと思いました。
よく桜のそばで眠りたいと言ってたから。これぞ樹木葬でしょう(笑)」

  
墓石には自宅の土地でみつかった岩を使おうと決めていました。
「馬頭明王」と彫られていた石碑はどこか神々しさを感じる形でした。

この正面に「一期一会」の文字を彫り直すことに。
書は習字を習っている孫娘のNさんが書きました。

 
外柵の石にはかつて区で幟旗用の台として使われていた石材を加工。
年号が彫ってありますが、それも歴史を引き継いだという想いを込めて、あえて文字面を天端に据えて見せる設計としました。
そして墓所の敷石には自宅のDIYで余っていた諏訪鉄平石を、長女の夫と共同で据えました。
ふるさとの石を使い、自分たちで作る過程に関わったお墓が完成しました。


 
「他の2人の息子家族や親戚、友人たちもよくお墓参りにきてくれます。
お墓ツアーと称してウチにきたら真っ先にみんなを連れて行くんですよ。
居心地のいい、集いの場でもある自慢のお墓です」


 

2022年10月10日

万感の思い「平安」

素朴な自然石をそのまま碑石としたM家のお墓。
本体も台石も花立香炉にいたるまですべて地元八ヶ岳の石が使われました。
どっしりと収まりのいいフォルムは落ち着きがあり、愛らしさを感じます。
正面には、妻のA子さんが自筆された「平安」の文字。優しく、上品な書です。
 
お墓に埋葬されているのはA子さんの実家の両親と妹。
お墓のどこにも家名や故人名は刻まず、ただ「平安」のみにしたのは、家や個人にとらわれず皆仲良く安らかに眠ってほしいという願いから。今後は夫のTさんとともに受け継いでいく予定です。
 
「実は家族は決して仲がいいわけじゃなかったの」とA子さん。
存命中は父の気性の激しさに悩まされたり、不遇と感じた時期もあったと言います。
「でも、亡くなって月日が経つうちにだんだん気持ちが落ち着いてきて。八ヶ岳に永住して、この自然の中にいると昔のいさかいがどうでもよくなるのね。そんな気持ちの変化を一言で言い表すとすれば『平安』なんです」。
Tさんもいろんな感情も静めてくれるこの葉がお墓にあることで、落ち着いた気持ちで亡き人と向き合える気がするといいます。「これからの家族の生き方の糧としたいと思います」。
 
今まさに、すべての人が欲している「平安」の世。
飾り気のない、あるがままの石の形を活かした溝呂木家のお墓は、ふと立ち寄る人たちにも静かな安心感を与えてくれそうです。
 

自宅にあった自然石を使いました。

 

2022年3月10日

訪ねてくる人への手紙

Tさん家族がお墓を建てるきっかけになったのは、妻N子さんの実家の両親と妹を迎えること。
夫Kさんが次男でまだお墓を持っていなかったので、せっかくなら両家のお墓としてそれぞれのご先祖を供養しようということになりました。

N子さんの妹T子さんは3年前まだ若い50代で世を去ることになってしまいましたが、
T家の子どもたち孫たちとも深い親交で結ばれていました。

墓石デザインや彫刻図案には長女のE子さんが積極的に考え、家族の意見のまとめ役になってくれました。
「お墓に行ったとき、まず『来てくれてありがとう』と私たちを迎えてくれる、それから石碑に手を合わせると自然に『感謝』の気持ちが湧いてきます。胡蝶蘭の花ことばは『愛情』。おばちゃんやおばあちゃんおじいちゃんのやさしい気持ちが、小さなこの子たちにも受け継がれていくと思います。お墓って、ご先祖様からの手紙みたい。」

お墓にちりばめられたキーワードが、T家のお参りストーリーとして受け継がれていくことでしょう。

2021年6月10日

丸山公園規格 横型墓碑

富士見町公営の霊園、丸山公園墓地の規格墓石です。
寸法を守れば、面取りや角を丸くするなどの加工は自由に加えられます。
石の種類も自由。
M家では、濃いグレーの上品な石目の御影石を使いました。

 

 
表面に彫刻したのは、思いをこめた「追憶」の文字。
文字のアウトラインに輪郭を彫り、文字内部は表面を薄く吹く程度の彫刻にしています。
天候に左右されずきれいに文字が見える彫刻方法で、彫った部分に土埃も溜まらない、とご好評をいただいています。
書体は当店で書き起こした楷書。
石に彫った時に美しく見えるよう、筆の運びや止め・払いに気を使いながら、一文字一文字丁寧に文字を製作しています。
  

 
納骨堂の内部には焼き砂を入れています。
浄化効果があり、草や虫の進入を抑えます。

2021年7月25日

愛・さくら・富士


2021年9月16日

桜のつぼみは孫に託す思い

優しい桜の絵を彫刻した、シンプルな横型の石碑です。
桜の花一つ一つに孫の成長への思いを重ねました。
 

2021年10月16日

お墓参りは天気になぁれ

なんともかわいらしい、てるてる坊主さん。
これがN家の新しいお墓です。

諏訪湖を一望する高台のお寺墓地の一角にあるN家のお墓。
お参りに来る人がみんな立ち止まって思わずにっこりしていきます。
「お参りに来るとき晴れてたほうが気持ちがいいでしょう?それでてるてる坊主はどうかな、と思い立ったんです」。
N家墓所には伝統的な形のお墓がすでにあり、母けいこさん(仮名)の伯父が守っていましたが、
直系の跡継ぎがなく、けいこさんと娘のゆうこさん(仮名)が引き継ぐことに。
せっかくならみんなに愛されるかわいいお墓にしたいと考え、作り直しすることにしました。
また、既存の墓石は亡愛犬の石像にリメイクし、自宅に置きます。

今年9月、てるてる墓が完成。息子のこじろうくん(仮名)とちょうど同じくらいの背丈です。
「息子はこれからどんどん大きくなるだろうけど、
お墓をつくったばかりのときはこれくらいの背丈だったんだよ、って何年たってもお墓で楽しく会話ができます。
ぎゅーってハグしたいすてきなお墓。家族そろって遊びに来れて、幸せな気持ちになれる、特別な場所になりました」。

今、てるてるさんと同じくらいの背丈のこじろうくん。成長が楽しみ。

6体の小てるたちもいろいろな表情でお出迎え。
 

伝統的なお墓はリメイクして愛犬の石像に。
 

2021年5月16日

清らかな気持ちで思いあう

新緑の美しい5月初め、小松家の墓地が生まれ変わりました。
新しく建てた横型の碑石の正面に刻まれたのは「翠親苑」という言葉。
「翠」は透きとおったみどり色を指し、清らかで純粋な輝きをイメージします。
「親」という字には縁あった者と我執を捨て相手に気持ちになって「親しむ」という想いが込められています。
そして「苑」は全ての人が平等な立場で集える庭園のこと。
「翠親苑」は新緑の季節に完成したお墓に、小松睦示さんが特別な想いを込めてつけた言葉なのです。
 
小松家では睦示さんの叔父にあたる故三郎さん夫妻のお墓を、親族七家で当番制で管理してきました。
三郎さん夫妻には直系の子孫がいなかったからです。
しかし代が替わるにつれ三郎さんのことを知らない親族も増え、それぞれの生活や守るべき自家の墓もある中で、三郎家のお墓の維持が難しくなってきました。
墓じまいをするなら埋葬されている遺骨の行き先も決めなければならず、睦示さんは三郎さんの遺骨を合葬や合同永代供養するのは忍びなかったそうです。
何年もかけての親族間での話し合いの末、分家でまだお墓のなかった睦示さんが自分のお墓として承継していくことでまとまりました。
「小松家には教員になった者も多く私もその一人ですが、教養人だった三郎叔父のことは尊敬しています。
その叔父のお墓と志を継ぎ、ここが一族の新しい集いの場になれば嬉しいです」。

美しいみどりの苑が親族みんなの集いの場になるよう願いをこめて。

「小松家之墓」と彫ってあった白い墓石を、三郎さん夫妻専用の供養塔としてリメイク。
  

2020年11月2日

あまねく幸せの場

父・周三さんの逝去をきっかけにお墓づくりを考えるようになった谷井さんご家族。
主として守っていく功さんの居住地小淵沢の地域の共同墓地に墓所を得ることができました。
家族みんなで集うのに十分な広さがある墓地です。

外周にを自然石をまわし、メインとなる碑石も自宅の庭にあった八ヶ岳の地石の中から形の良い一つを選びました。
そして、表には姉・京子さんの提案で、周三さんの一字をとって「周」の一文字を。
 
「とても努力家で、勉強家の人でした。昭和5年生まれ、若いころは戦争で残念な思いもしたと思います。
会社を定年まで勤めあげた後、18もの資格を取って、福祉施設で働いていました」
と周三さんの人柄を振り返る、母・麗子さん。
「周の字は田を囲んで食べ物がみんなの口にいきわたり、あまねく幸せになる、という意味をもつのだそうです。
家族への愛情がここに来ると実感できる気がします」。
家族みんなで周く幸せを分かち合う場ができました。

造り込みすぎない自然石のお墓は八ヶ岳ならでは。
劇的なデザインが神聖な空間をつくりだします。
 
 
「周」を古代文字で表現。田の下の口が笑っているよう。

 
「おじいちゃんにお礼を言ってから、お墓に納めようね」
納骨前の大切な時間です。