八ヶ岳を望む高台に「無」の碑
富士見町に小高い山の東斜面を利用した町営墓地「丸山霊園」があります。狭い通路と急斜面で、石屋泣かせでお参りにも不評の開発ですが、とにかくよい眺めです。
その一番上の段、対面する山と渓谷の田園を望むロケーションに出来上がった、横型の墓石です。
丸山霊園は規格が決められており、今回の石碑も横型の規格に合わせたもの。
少々の丸みや額とりは許されているので、規定内でせいいっぱい個性を出しました。
石種はインドの黒御影、白い大きな斑が特徴の石です。お施主様のたっての希望でしたが、当店も大好きな石。ただ、そろそろ枯渇してきているようで、これからはなかなか使えないかもしれません。
注目してほしいのは彫刻面。草書に限りなく近い行書で「無」の字を彫りました。今年に入ってなぜか「無」が人気。今回の無は大胆にその一文字だけを黒い石碑に、太く、深く、彫りました。
青空が映り込んできれいです。