おかみブログ

2006年8月10日

お盆間近

ひさしぶりにすかっと晴れました。
夏のアルプス

いつも通勤で通る高根町東井出の墓地から見る南アルプスです。
ここの風景は大好きで、ことあるごとに写真におさめます。
かわりばえしないアングルですみません。
風景写真を撮るのにお墓を入れるのにはちょっとした理由があります。
景色のよい開けた田園には必ず一般の民家が入ってしまいます。
この御時世、「勝手にウチをとって・・・」なんて不愉快な思いをさせてしまわないともかぎりません。
また最近建った新しい家は、(実際に見るとそうでもないのですが)写真におさめてみると田園風景と多少ミスマッチなものもあります。
お墓のあるあたりにはあまり家はたってないし、お墓自体が公共性のあるもの。ベストスポットをさがして歩いている時間もないので、てっとりばやい、というのが裏事情です。
でももちろん田園風景に馴染む、というのが一番の理由ですけど。
八ヶ岳周辺は黒いお墓が多いですが、これはこの地方の岩が黒っぽく、昔はそれでお墓をつくっていたので、自然と黒っぽいものを好むまたは無難だと考えられるようになっていったせいです。
関西のほうのお墓は白いものが多く、もっと西に行って万成石(まんなりいし)の産地である岡山周辺は桃色のお墓が多くてなんだかかわいらしい感じがしました。
さて。お盆も間近です。

2006年8月6日

パン!パン!

幸せな映像を3枚ほど。
高根 ごりらのパン屋さん
ごりぱん

今年春にオープンしたて。高根町東井出、レインボーラインより少し北、細い道を入ったところ。若い夫婦がオーナー。もしかして店名の由来はご主人がそれに似てるから?!
ここのパンは油脂ひかえめの素朴な味。弾力のあるふわふわ感で、懐かしい感触。娘は4つ切りを一口でペロリ。
富士見町カントリーキッチン
カントリーキッチンパン
富士見町カントリーキッチン構内の釜焼きパン。予約しないとすぐなくなる。今日は焼きたてを購入できるというラッキーガール。ぷちぷちと音がしてる・・・
キャトルセゾン
同じくカントリーキッチン構内のイタリアンカフェ「キャトルセゾン」のケーキセット。今日選んだスウィートは「ベリータルト」。ブルーベリーとラズベリーが山盛りのった香ばしいタルト。高原の木陰でお庭を見ながら。

2006年8月4日

薪能での不思議体験

身曽岐神社の薪能はほぼ毎年行ってますが、今年はより期待大。
前半の能は「羽衣」で大御所観世清和氏、また狂言はあの野村萬斎氏だったのです。
解説者の方の話によりますと、今年の能のチケットはビラが刷り上がったときには既に残り20席しかなかったとか。
観客も全国から。
私たちのグループは能面打師でもある「珈琲館翡翠」のマスターのお計らいのおかげで早々といい席を確保していただきました。
身曽岐神社の能舞台がまた、それだけでも見ものです。
舞台の前の池、カラマツと赤松に囲まれた静かな空間の野外舞台。加えてひぐらしの大合唱。大合唱なのに、なぜか「静寂」という音に聞こえるから不思議です。
前半の能は半能(一部省略型の台本)で、「羽衣」。
天人が羽衣がなくて天に帰れない、という類いの逸話は世界中にあり、衣を返してもらえず漁師と夫婦になって子どもができる話が主流の中、能は返してあげる代わりに天の舞いを見せてほしいと望む。なんとも美しい処女伝説だろうと解説の方がおっしゃっていました。
狂言はお待ちかね、野村萬斎さん。
端正な顔だちがステキですねー。
狂言は能に比べて口語に近く、オーバーアクションですが、バラエティ番組のコントなどを見なれている現代人にとってはやはり独特の「型」が感じられます。
だけど、不思議なもので型にはめているのにそこから匂い出す味というものが、かえって想像をかきたてられ、コントとは比べ物にならないくらい面白いのです。
狂言と後半の能の間に点火の儀。
たそがれてきた松林の中にいよいよたき火がともります。
ところで「たそがれ」というのは「誰そ彼」つまり、そこに誰かいるのはわかるけど顔がはっきり識別できない薄暗い時間帯のことをいうのだそうです。
ちょうど点火の頃の会場の様子はそんなかんじで、ぼそぼそという観客の話声の中、ただぼーっとその空気に酔っていました。
後半の能の時にはさらに不思議なことがありました。演目は「舎利」。邪心の残る足疾鬼(そくしっき)が仏の遺骨(舎利)を持ち去ってしまうというお話。足疾鬼の邪心が現れるシーン、「さやけき月のかき曇り」のくだりでちょうど夜のとばりがすっと落ちて闇の世界に入ったのです。そして足疾鬼が舎利を盗んで逃走。橋掛かりを通って退場する、その走り去る瞬間、舞台の前の水面がざわーっとざわめき、ぞっとする冷気が観客を襲いました。私だけではなく、隣で見ていたお客さんも「わ、なんか・・・」と言葉を失っていたので、みんな共通の感覚だったようです。
舞台ものなので、あえて写真は撮りませんでした。
どうぞご想像にて…。

2006年8月3日

美女7人八ヶ岳めぐり

兵庫の実家の母が友達を引き連れ、総勢6人で小淵沢にやってきました。
英語サークルの仲間で、今回の旅行はその合宿だとか。みんな60才以上のマダムたちです。
合宿先として八ヶ岳を選んでくれたのは在住者としては嬉しいことだし、この時期はある意味正しい選択ですね。
特に明石と小淵沢とでは、天国と地獄ほど気候が違いますから。
2泊3日で、今日は私も一日おつきあい。
普段住んでいてもなかなか経験できない、観光の視点からわが町を見ました。
宿泊
通称「マグノリアの森」、2000坪の敷地を誇るペンションポリアンナにて。ウチの自宅は標高850mの田園の一画にありますが、ほんの100mあがっただけのこのペンションのお庭に一歩入るとひんやりするほど冷涼な空気が漂っていました。気持ちいいー。夏は森に限るネ。
10:00〜12:00
スパティオ体験工房へ。
これこそ地元にいればまず行かない場所。
工芸作家気分、というのすらおこがましい程度の作業しかしていませんが、ただ買うだけではつまらない、自分でちょっと手を加えて旅の思い出を作るには十分なクラフト体験です。
わがグループは押し花が一番人気で、5人が参加。1人が機織りで、私はステンドグラスを体験しました。ステンドグラスは前からやってみたかったのです。
押し花 機織り ステンド
12:00〜15:00 自然派化粧品会社見学
小淵沢の大手会社のひとつ、「アルソア」の本社とサロンを訪ねました。
会社ですからお店のようにふらりと入っていくことはできませんが、事前の申込があれば、快く社内見学などをさせてもらえます。
この会社はちょっと見ものです。
イタリアの著名な建築家マリオ・ベリーニによる設計のアーティスティックな建物。
受付嬢や美容カウンセラー(インストラクターという)の対応のよさ。
明るい社員食堂でいただく体にやさしい豪華オーガニックランチ。
「水」をテーマに自然な美しさを求めた高品質の商品ラインナップをそれらが支えています。
今回知り合いの社員さんの口ぞえのおかげで、大歓待を受けました。
正直ここまでのおもてなしとは想像もつかず。
洗顔・パックのしかたレクチャー→最新設備による肌診断(オイリー肌とか敏感肌とか)→メイクレクチャー。これをほとんどマンツーマンで対応してくれました。
「今さらお化粧なんかー」と恥ずかしがっていた人たちもだんだん真剣。
ナチュラルメイクで10歳は若返りましたよ!
3ステップ
 ↑主力製品の黒いせっけん「クイーンシルバー」の泡立て方のレクチャーを受ける。
17:00〜20:00 幽玄な薪能
小淵沢の夏のビッグイベントといえばホースショーとこのお能。
アルソアでメイクしてもらった美しい顔でいそいそと出掛けます。
ひぐらしの「カナカナカナ」がかえって静寂に聞こえるすばらしい野外舞台。
今年はかの野村萬斎さんが出るということもありいつもより席を大幅に増やしての上演でした。
20:30〜22:00
能の後はやっぱり上品な和食をいただきたいもの。
旨い酒をちょっと一杯。
…といえばやはり「山里料理・留羽」でしょう。
既に前々から予約を入れ、留羽御膳を頼んでおきました。
ここのてんぷらと山菜にぎり寿司は絶品。
明石からのお客さまたちは大満足していただけた様子。
ツアコン、お役目大儀?!
でも私も新たな発見の連続でした。

2006年8月2日

自然派オタク

親戚より御中元のおかえしをいただきました。
今年はシャボン玉の無添加せっけんでした。
sekken

この方は地元小淵沢の人です。
毎年お返しをいただいていますが、レトルトカレーであったり、めんつゆセットであったり、ラーメンセットであったり、洗剤であったり。
夫婦共働きで忙しいだろうという配慮から選ばれた品物だと思いますが、ひとつ残念なのはあまり自然志向ではないことでした。
特に洗剤は…。
田舎の人はもともと自然のものを使っていたので、意外と無頓着です。
さらに戦後の劇的な生活向上の中で、化学物質あっぱれみたいなところがあって、現在の弊害の部分まで目がいかないのが現状です。
ところが今回はこの贈り物。
どうやらウチは自然派オタクだから気をつけてやらなきゃ、と噂になってるようで、嬉しいような申し訳ないような気持ちになってしまいました。
私は肌がちょっと弱く「どうも皮膚がヒリヒリして、熱が出る前みたいな感覚で気持ち悪いなぁ」と思っていたら、粗品でもらった合成洗剤を使っていたせいなのではと指摘されたことがありました。洗濯石鹸に変えたら症状が治まったので、たぶんそうだったのでしょう。
私がそんななので、我が家の洗濯には粉または液体せっけんを使っています。まぁあまり神経質でもないので、たとえばせっけんの中でも特に品質を選んだりということまではしていませんが。
最近は玄米食に凝ったり、生協の宅配で食材をとったりしていることもあって、どうやらウチは「ちょっとむずかしい家だ」ということになっているようです。
すぐ近くに住む夫の母も自分ではいただきものの合成洗剤を使う一方で、ウチの子の肌着の洗濯は別途せっけんで洗ってくれるようになりました。預けたときに「この子の洗濯はしなくていいですから」という真意がわかってしまったのかも。かわいい孫の服やおむつの洗濯をせずにはいられないんだそうです。
夫は私の比ではないくらい、素材や表示にウルサイので、今回の贈り物のせっけんについても半分疑っています。
「最近は無添加ってのも信用できないからなぁ。」
たけどね、今まであまり気にしていなかった人たちが我々への贈り物に対してここまで考えてくれただけでもありがたいと思わなきゃ。(橋田壽賀子調)
今回のオチ。
他人がここまで考えてくれるようになったというのに、私自身がまちがえて香りつきトイレットペーパーを買ってきてしまいました。
夫に「くさいくさい」と嫌がられています。