おかみブログ

2011年12月31日

年末、冬の里山さんぽ

今日はいろんなお宅でお餅つき。
年末最後の組奉公で、配り物ついでに子どもたちと散歩で出かけました。
今まさに餅つき真っ最中、というお宅が。
つきたてのお餅をおすそ分けいただきました〜。役得!
年末さんぽ2
おまけに餅つき体験も。
森のようちえんや石屋のイベントでやったことがあるので、初めてではないのですが、
こんな一般家庭で、ふつうに年末行事として行っていることがすばらしい。
もちろん、ご当家にとってもビッグイベント。そんなご家族の和の中に入れていただきました。
年末さんぽ3 年末さんぽ4
今日は晴れて、日中は日差しが暖かい日になりました。
山が冬空にくっきり。
年末さんぽ1
午後はお約束してあった白州のお客さんのところへ。
こちらでも午後イチでお餅をつき、なんと1.5升分もおすそ分けしてくださいました。
悪いのでもち米代だけとっていただきました。
道の駅はくしゅうに農産物やおこわ、漬物などを降ろしている人。
数種類のお漬物もいただき、途中で購入した「はくしゅう豆腐」でありあわせの味噌汁をつくり、炊きたてのごはんと漬物とお味噌汁だけの、シンプルな夕食を食べました。
日本人でよかった〜。

2011年12月27日

パウル・クレーのポスター購入で被災地支援を

有名デザイナー浅葉克己氏が、本年度日本広告コンテストで銀賞を受賞した非売品ポスター。
ミサワホームとタイアップして、有名なパウル・クレーの絵画を使ってデザインされたもの。
パウルクレー
このポスターを全優石が特別頒布します。
全優石の詳細ページへ → http://www.info-ginza.com/zenyuseki/tsunami/tsunami1.html
全優石=全国優良石材店の会
入るのに特別な審査がある一般社団法人。
ウチも加盟しています。
全優石は石屋の立場から震災被災地に対して様々な支援活動を行っていますが、慰霊碑建立事業もその一環。
ポスターの販売代金の30%が、慰霊碑建立事業の資金になります。
石なんか建てたって、おなかがふくれるわけではないけれど、
震災を忘れない、復興への礎、力を合わせることの象徴、という長期的な意味があると思うのです。
それに建立工事には様々な人や企業が関わる。
ボランティアで行う部分もあるけれど、人や企業が動くことでお金も回り経済性が生まれる。
産業の掘り起こしが復興への一歩でもあるのです。
ポスターはA2サイズ、特殊なアート紙。
1枚3,000円。額入りで36,000円。
税・送料別途。
カフェやサロンの白壁に、おしゃれな居間や玄関に。
POPアートの巨匠、パウル・クレーの絵画ポスター。
被災地復興支援にもなるこの計画に、ぜひご賛同ください。
お問い合わせ、お申し込みは いとう石材/石あるく まで。

「まちんと」再び

いまさらながら、夏休みに出したMooの読書感想文「まちんと」を読み返してみました。
http://blog.livedoor.jp/mootaehon/
まあ、1年生の夏にしてはよく書けているほうかな。
このときの段階では、絵日記程度、3行かければ合格、だそうですから。
とりあえず、なんでもいいからいっぱい書いて、と下書きさせ、
そこから文章の順番を一緒に考えて、並べ替えながら清書させました。
だから、この文章はとりあえず全部Mooの言葉です。
戦争、原爆=こわい というステレオタイプな図式が最初に刷り込まれてしまったのは、親の指導の反省でした。
この本を読んで、戦争とか原爆が何かを知る前に、まず何かを感じたはずで、そこをきちんと書かせればよかったのです。
感想文の冒頭にもあるように、なんだかわからないけど、悲しい話だ、もうよみたくない、という印象が残った。
それが何かを自分で考えるようにすれば、もっと説得力のある感想文になったかもしれません。
この本を、今Tazが気に入って(?)、寝る前の読み聞かせによく選んできます。
もうすぐ3才になる少女が出てくる話。そこに共感したのか、
言葉が少ないから、そのひとつひとつが印象的なのか。
「くろいあめはそのうえにふりそそぎ、ふりそそぎ」とか
「まっててねぇ、トマトをさがしてくるからねぇ」などを よく暗唱しています。
2〜3才児って、自分の希望がかなえられるまで、いつまででも同じ言葉でねだります。
「もっとパン、もっとパン、もっとパン、もっとパン!」
足をふみならしたり、手でテーブルをたたいたり。
ウチの子の場合はまったくイメージどおりでないとダメで、
たとえばパンのおかわりがほしいときでも、食パンの厚さひとつ、マーガリンとはちみつのかけかたひとつとっても希望に添わないと受け取りません。
1枚全部ほしいときは、ちぎったものをあわせて1枚分、とかでもダメです。
そんなウチのわがまま娘と、えほんの少女が一緒とはいわないけど、
「まちんと、まちんと(もうちょっと)」といい続けて死んでいった3才前の子どもの描写は、とてもリアリティがあると思いました。
それから、
この本の最後、池袋サンシャインの最上階から見た東京の町並みの絵のクールな感じと
Mooの感想文の最後「きょうこぶちさわはきれいなあめがふりました。うちのはたけのトマトもよろこんでます。あしたははれるといいな」
この余韻は、けっこう好きです。

2011年12月26日

クリスマス礼拝

教会のクリスマス会に行ってきました。
この教会の合同墓を建てさせていただいたご縁があったのですが、
その後Mooの同級生のお母さんが通っていると知り、
今回は彼女からお誘いをいただいて、参加してきました。
八ヶ岳はいろんななところでつながりがあるものです。
教会のクリスマスは久しぶり。
子どものときにはよく連れられて教会に行ってましたし、
大学もミッションスクールだったので、教会とは縁がありました。
子ども向けのパペットショー「クリスマス物語」。
こういうの、なつかしいなぁ。
クリスマス会1
たくさんのもちより料理をいただきながら、ギター演奏の賛美歌に耳をすませ。
クリスマス会4
手話で「四季の歌」をみんなで歌いました。
MooもTazもいっしょうけんめいマネしてました。
クリスマス会5
最後はキャンドルサービス。
やっぱりロウソクの光ってきれいです。
Tazも神妙な顔で、ロウをおとさないようにしっかり握っていました。
クリスマス会2 クリスマス会3
以前仕事でお会いしたことのある人にも思いがけず再会しました。
不思議なご縁です。
そういえば「縁がある」というのは仏教的な言い方ですが
クリスチャンの方々も同じ意味で「神様のお導きで」という言葉を使うのですね。
人との出会いに感謝する。
何に感謝か。それはやはり「偉大な力」。という発想は古今東西同じなのかもしれません。

2011年12月22日

東京で

評論家・勝間和代さんがある番組で言ってました
「なるべくふだん会ってない人に会うようにするといい」
新しい人でもいいし、古い友人でもいいし、今は一緒に住んでない肉親でもいい。
非日常の出会いは脳を活性化するとのこと。
女史の後押しもあって、東京で行われた同窓会に参加してきました。
大学の放送部の先輩後輩。
昔の仲間との会話は、不思議です。
居心地のいいぬるま湯につかっている気もするし、ひそかな競争心もあったり、外見をいかにさりげなく魅力的にみせるかということにちょっとだけこだわってみたり(いっぱいはこだわらない)、これから何回会えるかということがアタマをよぎったり。
今回思い切って、ある女性を誘ってみました。
東京に住んでいたとき仲良くしていただいた先輩の奥さん(同期同士の結婚)です。
ご主人は4年前に他界されました。
お葬式には行きましたが、本人には会えないんだ、という当たり前のことを痛感したのを覚えています。
住所しか知らなかったので、手紙を出しました。
パソコンで何度も推敲を重ね、便箋の柄も吟味しました。
ふだんあまりしないけど、とても楽しい作業でした。
手紙が届いたその日のうちにメールをいただきました。
「誘ってくれてありがとう、ぜひ行きたい」
会に行ったら後輩の女の子が(女の子、ってもう世間的にはお互いオバサンだけど)
あるCDをくれました。
在学時代に制作したラジオドラマ、私も出演しているものでした。
もちろん存在は覚えていました。
でもいまさら聞くのも恥ずかしくて、もってかえってきて数日経つ今もまだ聞いていません。
人との出会いは大切にしなきゃな。
別れることも多くなる年齢だから。
「絆」。今年は特に考えた人も多いんじゃないでしょうか。

2011年12月21日

少人数教育

落合小最後の児童は全校で31人。
全国の文部科学省の基準では2学年1クラスになるところですが、
長野県は独自の基準を設けていて、1学年5〜6人以下でも1学年ごとに1クラスになっています。
学習は学年ごと、給食はホールで全学年と先生たちがみんな一緒に食べる、という方針で、
上下の関係もとてもいいとか。
運動会は大変。
ふつうの規模の学校なら自分が出ていない種目もあって、観覧している時間がけっこう多いものですが、
落合小の場合はほとんど出ずっぱり。
運動会の花形種目の組体操は1年生から6年生まで全員で行い、これがまた見ごたえたっぷりだそうなのです。
子どもが少ない分地域社会との交流も盛んで、農村での課外授業や絵画授業がたくさん行われています。
落合小学校の教頭先生の話。
「少人数教育って、一般には大勢の前での自己表現力が課題になるんですが、
ここの児童はむしろ一般の子どもたちより表現力がありますよ。
人数が多いと自分ひとりくらい黙っていても目立たないけど、
少ないと知らず知らずのうちに責任感や発言力がついて、
全員に伝えるように話すのが当然、という感じになってきます。」
実際、閉校記念式典で子どもたちが発表したシーンを見た他校区の人は
「これだけの発表ができる子どもたちはなかなかいない」と感心していたそうです。
建学の精神「慎其獨」(独りでいるときも身をつつしむ)をもじって「輝其獨」という言葉が今の落合小の教育目的ですが、落合小の子どもたちはみごとに、独りでも輝いた人間性に成長しているとのことでした。
学力の競争力をつけるための併合を選んだのは主に保護者たちだと聞いています。
財政面のこともあったのかもしれません。
でもこの学校で、小さな人間社会の中で得たものは、きっとこれからの子どもたちの糧になるんじゃないかな、と
少しうらやましい気持ちにもなりました。

落合小さいごの児童たち

落合小学校閉校記念碑のことを通信にのせるので、
今日は学校に無理を聞いてもらって、撮影と取材に行ってきました。
落合小子ども1
下校時間に合わせ、訪問。
職員室のホワイトボードに今日の予定として「伊藤石材様写真撮影」と書かれていたのにまず感動。
そして先生方が子どもたちを促して記念碑の前に並ばせてくれるなど、撮影の段取りをとってくれました。
公立の学校で、イチ業者の瓦版の取材に、こんなにちゃんと対応してくれて、ありがたい限りです。
子どもたちに記念品を用意していきましたので、撮影の前に一言。
「落合小学校がなくなってしまうのはさびしいと思いますが、皆さんがここで学んだということ、育ったということは変わりません。これからちがう学校に行って、うれしいこと楽しいことだけじゃなくて、悩むようなことも出てくるかもしれません。でもこの落合小学校やこの石が皆さんを守ってくれると思います。そんな思いで私たちもこの石を建てました。これからえんぴつと小さな石をお渡しします。石は自然のものです。大きさも色も形もみんなひとつひとつ違います。皆さんと同じです。箱の中に手だけいれて、あまり見ないようにしてとってみてください。きっとそれが出会いです。」
そんなようなお話をしました。うまく伝わったかなー。
記念碑建立の役員さんにも先日お話を伺いに行きましたが、
落合小の子どもたちのよさは、昔も今もあまりかわっていない、という話がありました。
「素直に人の話が聞ける。反応がちゃんと返ってくる。まっすぐで純粋な子たち」とのこと。
撮影の後の教頭先生へのインタビューでもそれに近いお話がありました。
「人数が少ない(全校児童31人)だけに一人一人がしっかりしてる。自己表現力が高く、人前で臆さず発表ができる」
記念碑の前で写真を撮っていると、それがつくづく実感できました。
落合小子ども2
下校は先生が全員並んで、一人一人とタッチ(ハンドコミュニケーション)していたのがとても印象的でした。
こういうきめ細かな対応が、のびのびと明るい子どもを育んでいるんだろうなー。
落合小子ども3

2011年12月20日

薪と白菜を積んだ1t車で

薪ストーブのまわりを大谷石で囲ったお客さまが、自作の白菜を持って立ち寄ってくれました。
脱サラ後、白州に移住し、農業を始めた「RAKAIA農場・おいしい野菜プロデューサー」さんです。
東京のレストランなどを中心に無農薬野菜を直送しています。
こんなストーブ壁をつくらせていただきました。
とても気に入っていただいてるとのこと。
特に大谷石の雰囲気が大好きだそうです。
大谷石ストーブ壁
大谷石ストーブ壁2
大谷石ストーブ壁3
自作のおいしい野菜を食べながら
薪ストーブの前でいい音楽を聴き(元大手AVメーカーにお勤め)
大谷石の壁ごしに大きな窓から白州の里山を見渡して、冬の夜を過ごす・・・
お話を聞きながら、そんなシーンが目に浮かびました。

2011年12月16日

天に向かって合掌

「石や・ころころ通信 9号」の編集を始めました。
次号のコンテンツは
1.小2年生が職場見学にきてくれた 報告
2.吉村作治絵付けの生前骨壷
3.落合小学校さようなら 記念碑にこめた想い
4.その道のプロにきく「人間を育てる4つの環境」by 山梨環境会議会長 兼 日蓮宗住職
5.石のある風景写真 冬の石
6.白州米で作る祝儀用餅を販売する地元のグループ
7.スタッフ紹介 兄弟会社伊藤建設石材の社長
8.編集後記、ケンちゃんパパおめでとう
今回も盛りだくさんです。
3.の落合小学校の記念碑役員さんと4.の日蓮宗住職さんへの取材が終わりました。
住職・瀧澤先生のお話はものすごく濃い内容でした。
さすが、法話のように心にしみました。
1時間半もマンツーマンで法話をしていただくなど、ぜいたくな話です。
ありがたや。
先生は環境を考える学会の山梨支部の代表を務めていらっしゃいますが、
そんな活動の原点となっている思想があります。
「人間が幸せに生きるために必要な4つの環境」。
1.自然環境
2.社会環境
3.家庭環境
4.教育環境
これらを脅かす、破壊する例が昨今顕著だといいます。
「自分さえよければいい」「お金さえあればいい」そんな考え方が4つの環境を脅かしている。
これを発想転換して「自他共に栄える」「物質より精神を重んじる」
そうすると環境を守る方向に行ける。
そこに必要なのは感謝のこころ。
あるフランス人が作家曽野綾子さんに言った言葉があるそうです。
「富士山は大地から天に向かって合掌している姿ですね」
今日先生が教えてくださったことはこれだけじゃないですが、
私はこの「富士山合掌説」がとても印象に残りました。
ものすごく巨大な合掌。
そして富士山はどこからどの人が見ても合掌に見える。
みんなに向かって合掌してくれている。
だから人は富士山を見て自分も手を合わせるようになるんだ。
相手を尊重する気持ちが自分も尊重してもらえる。
八ヶ岳から見る富士山の合掌の姿は本当に雄大です。
冬はまた格別。
富士山合掌

2011年12月11日

空をみる

12月10日。歴史的な皆既月食。
この日はKuhの誕生日でした。
1才です。
冬はよく空を見上げたものでした。
星座が大好きで、冬は特によく見えるからです。
学生時代は学校の帰り道によくオリオン座を見上げながら歩いていました。
冬至の近いこの時期は6時というともう真っ暗。
大学のキャンパスから駅まで、ちょうど東に向かって山を降りるのですが、森や住宅に囲まれたところなのに、ちょうど道の上にオリオン座が来る部分が多いのです。
月といえば、Tazが生まれる直前もきれいな月でした。(満月だったと思う)
Tazは11月生まれなので、八ヶ岳の空が一番きれいに見える時期に入った頃です。
陣痛が始まって、夜中に病院に向かうとき、家から外へ出るとそれはそれは明るい月の光が山々の稜線や田んぼを照らしていました。
名前はまだ決めてなかったので、「月」に関係する名前をいっぱい考えました。
「美月(みづき)」・・・「美しい」という漢字を使うのがウチの子らしくないので却下
「冴(さえ)又は冴月(さづき)」・・・響きが好きだったけど、右のつくり「牙(きば)」が印象よくないので却下
「満月(みづき)」・・・このあと欠けていく運命にあるからと却下(関学の校章は新月ですが、「これから進歩していく」の意)
「みづき(ひらがな)」・・・母親(私)のなまえもひらがななので、実家の妹はこれを推したが、なんかちがう、と却下
「優月(ゆづき)」・・・やっぱりなんかちがう、と却下
「香月(かづき)」・・・同上
「紫月(しづき)」・・・このへんになるとすでに出しすぎてわけわからなくなってきてる
結局、直接「月」を入れるのではなく、月が演出する情景を表した言葉を名前にしよう、と
当時凝っていた俳句にちなんで、季語辞典を調べていたところ「田鶴」が見つかりました。
そういえば、学生時代に作ったラジオドラマのひとつも「田鶴」というヒロインが出てきてたのを思い出しました。
土だけの初冬の田んぼに舞い降りた鶴。
それを月の光が照らしている、というおとぎばなしのようなシチュエーションに思わず身ぶるいがしたものです。
老子の言葉からとったMooの名前は夫が前もって決めていたのに対して、
Tazの名前は完全に私が考えました。
そのTazも先月で1才。
そしてこんどはKuhの誕生日です。
空。
そういえば最近空を見上げてないなぁ。
ドアツードアで車で行き来して、荷物の積み下ろしと子どもの積み下ろし(?)でアップアップ。
でも子どもの成長は月食みたいにゆっくりなようで気がつくと過ぎていってしまう。
「みあげてごらん、夜の星を」・・・か。