剣道家・蓑輪勝先生の名言
ころころ通信27号、発刊しました。
https://itosekizai.co.jp/contents/korokoro/kp_27
今回の「職人気質~その道のプロに聞く仕事へのこだわりと、伝統について思うこと」では
剣道家の蓑輪勝先生にお話を伺いました。
蓑輪先生は北杜市白州町に剣道の道場を持ち、日々小さな子から大人、女性まで指導をされています。
講談社野間道場という、剣道界では大変有名な道場出身で、
長く高校で剣道教員をつとめたあと、平成元年に移住して現道場を開かれました。
山田洋次監督の時代劇三部作といわれる「たそがれ清兵衛」や「武士の一分」などで剣術指南。
あの、田中泯さん、真田広之さん、木村拓哉さんらに指導をしています。
私の知り合いで蓑輪先生の道場に通っている人が何人もいたりして親しみがあり、
白州のコーヒー喫茶店「オータム」でも、常連どおしとしてよくお会いする中で
今回の取材をお願いしちゃいました。
前置きが長くなりましたが、その取材の中での名言。
「偲ぶ時間がない人は、歴史はつくれないよね」
もうすぐ開催する、当店も参加するグループ展「偲ぶ時間」のDMをご覧になりながらつぶやかれた言葉です。
「剣道は、礼に始まり礼に終わる」というけど、「礼」は相手にしているのと同時に自分にしているんだよ。
自分に礼をするってどういうことかわかる?
敬える自分になろう、っていうことだよ。
靴を脱いだらそろえる、腰骨を立てて姿勢を正す。
こういうことはみんな、ふりかえって自分自身を見直すこと。
お墓や仏壇の前で手を合わせることも、それと同じだと思うよ。
そういう場や対象物は必要だよね。
先祖を敬うから手を合わせる。それは同時に自分を見つめなおすことでもあるんだ。
偲ぶ時間がない人は歴史はつくれない。」
展示会会期中の講演会で、何を話そうと考えをまとめていた最中だっただけに、
この蓑輪先生の言葉はストレートに落ちました。
やはり求めるときに求める人や言葉と出遭えるご縁ってあるものです。