おかみブログ

2007年3月27日

山菜盗りの季節?!

山菜の季節。
田舎物件を歩いていると山の落ち葉の下からかわいらしく顔をのぞかせる山菜があちこちに見られます。
ほんとはよその土地だからやたらとっちゃいけないんだけど、「いいじゃん、どうせ誰も採らないんだし、今が食べごろなんだから」とばかりにこっそりいただいちゃうこともしばしば。
山菜の中ではタラの芽が大好物ですが、これはやはり他の人にも人気ナンバーワンとみえて、既に誰かが採った後だったりするし(悪いこと考える人は他にもいっぱいいるんですね)、木の上に出るものというのは罪悪感もなんとなく増してくるもの。
そこへ行くと地表に出ているものはわりと採りやすいのです。
ふきのとう、こごみなどはよく目にするメジャーなもの。
庭先によく生えています。
しゃがんで採っているとどんどん山の奥へ入っていったり。
赤ずきんちゃんはこうやって道草が過ぎてしまったんでしょう。
さて、今日出会ったのは「カンゾウ」。
お客さんが教えてくれました。
「あっ、これ今一番おいしいときですよ。どうぞ。」
古い民家を案内している途中、その庭先でのことです。
どうぞ、と言われても、と迷う間もなく、そのお客さんがなんの躊躇もなく次々とむしって採ってくれるので、つい束でいただいてしまいました。
『人』という字を逆さにした形の葉が何枚か重なっているような芽。
カンゾウ1

育ってくるとだいだい色のきれいなユリに似た花が咲くそうです。
ユリ科の植物で、『萱草』といいます。
甘味料として使う『甘草』とは別物。

カンゾウ2

さっと茹でて鰹節をかけ、おひたしにしていただきました。
カンゾウ3

ニラのような食感だけど、全然癖のない、甘みのある、おいしい葉っぱです。
でも何かが足りない。
と思っていろいろ調べていると酢味噌で食べるのが一般的とか。
そう、まさに、その刺激。
さすが先人。
こういう道端に生えてる草を採って食べるという行為は、ある意味今の世の中新鮮です。
ちょっと得した気分。
生えている場所もわかったら、また採りに行きたくなる・・・。
やはり山菜は買うものじゃないです。
でも人んちまでずかずか入ってらないように・・・。

2007年3月24日

カンバン娘

最近家族でしめしめ、と喜んでいることがあります。
先月2才の誕生日を迎えた娘が、保育園のお誕生会で、「おおきくなったらなにになりたい?」とインタビュー(?)を受け「いしやさん」と答えたらしいのです。
誕生会の練習の時も変わらずそう答えていたそう。
すごいですね、特に教えたわけでもないのに。
家族の会話の中で「いしやさん」という言葉を覚え、それがお父さんを指すのだということをなんとなく知り、「大きい」=「お父さん」=「石屋さん」と図式化された結果、そう答えるようになったのかな、と思います。
1ヶ月ほどたった最近では「MOOちゃんおおきくなったらいしやさんになります」ときちんと文章でしゃべったり、「MOOちゃん、いしやさんのかんばんむすめ」と生意気言ったり。(これはおばあちゃんの口癖を真似たかな)
喜んだりおもしろがったりする大人たちの反応を見て、楽しんでいる様子でもあります。
将来、本当に何になるかはもちろんわかりません。
世の中にはもっともっといろんな職業があって、(村上龍さんの『13歳のハローワーク』のように)まだまだ無限の可能性を持っていることをそのうち知ってもらいたいけど、でも、まず初めに触れる職業が親の「石屋」だったことで、自分の原点とかルーツが確立されると思うわけです。
それに、周りの子どもにも「石屋」という一般にはあまりメジャーでない職業がすぐ身近な友達の家にあることを知ってもらうことができる。
そしてそれを聞いた大人たちは「そーか、MOOちゃんちは石屋さんだったわね」と顔がほころび、「今度何かあったら頼もう」ということになったりして、宣伝効果もバツグン!
やっぱりウチの子はカンバン娘ですかね。

2007年3月20日

インフルエンザ?

先週の木曜日に保育園から電話があり、娘が熱が38度あるとのこと。
インフルエンザが流行っているので病院に行ってください、という支持でした。
病院へ行っても治るわけではないけど、「病院へ行った」「薬を飲ませた」「医者から完治証明をもらった」という一連の手続きが集団生活には必要なのです。
お医者さんによると発熱して24時間以内は検査してもインフルエンザかどうかわからない。
この段階で抗インフルエンザ剤を飲ませる方法もあるけど、まれに脳障害を起こすおそれがある。今日のところは解熱剤だけにしておいて、明日検査しておきますか?お母さんの判断に任せます、とのこと。
「脳障害」??と聞いてしまうとコワイ、任せるったって。
とりあえずその日は解熱剤だけにして次の日に検査を受けることにしました。
そして次の日の夕方、鼻水を採ってインフルエンザ検査をします。
しばらく待っても反応が出なかったので、陰性か?と思いきや、会計をしようという段になって、「ちょっと微妙な反応がでちゃったのよ」と看護婦さんに呼ばれました。
「ほら、ここうすーく赤くなってるでしょ」と検査紙を見ながら説明を受けます。
「普通はくっきり赤くなるんだけど、菌が弱いのかね。まあ念のため抗インフルエンザ剤飲んでおきますか」
抗インフルエンザ剤とはかの有名なタミフルです。
ところでインフルエンザかもしれないというのに娘はいたって元気。
「よくがんばった」シールをもらって、ぺたぺたと自分の顔につけて喜ぶ始末です。
その日の夜と次の日の朝薬を飲ませて昼寝をさせていたら、突然起きて痒がって転げまわっています。
なんと、蕁麻疹がお尻を中心に全身に出ていたのでした。
これってタミフルの副作用?
たまたま駆け込んだ別の病院(土曜日だったので開いている病院がかぎられていた)で、今度は抗アレルギー剤を処方されました。
タミフルを中止し、その抗アレルギー剤を飲み、インフルエンザも蕁麻疹も回復方向へ。
バタバタしましたが、結局時間が解決してくれたのかもしれません。
そしてしっかり私にうつして、元気になりました。
今度は私が薬漬け。
タミフルはインフルエンザウイルスの増殖を抑えるもので、完全に殺すわけではありません。増やさない間に自分自身の中で抗体をつくる、その時間稼ぎをするわけです。
飲んでも飲まなくても健康な人ならいずれは治る。
でもその薬を飲むことで、病状を1日短縮できる。
でも具合の悪い中、運転して、薬をもらいにいって、説明を聞いて帰ってくる・・・どうも本末転倒のような気がするのですが・・・。
「医者へ行く」→「薬をもらう」この作業をすることで、社会が納得するんですね。

2007年3月14日

河原へ石拾い

河原石を加工した花立を見て、こういうの欲しいと言う方が同時に2人もいらっしゃったので、その材料さがしも兼ねて、買い物のついでに釜無川の河原に行くことにしました。
河原石に穴を開けて底を平らにするなどの加工を施すとステキな花立になります。
他にもトレイや線香立て、カードスタンドなど、原型のよさをひきだしながら世界に1つだけの小物ができあがります。
河原石の素朴な感じがかわいいですが、形のいいものを見つけるのはなかなか容易ではありません。
形の他に色や縞、斑なども見て、さらにヒビの入ってない割れにくいものといった条件が加わるのです。
そうまでして拾ったものでも半分近くは結局使えません。
そんな中、今まで成功したものの一例がこちらです。
花立・カード立

今日はお天気はいいけど、春の強風で、びゅーびゅー土ぼこりが舞う乾燥した天候。
ちょっとお買い物、のつもりだったのでスカートで来てしまったのは失敗でしたが、今日を逃すとまた少し先になってしまいそうなので、思い切って河原へ下りてみました。
長坂から白州へ続く県道近くのヒミツの場所。(ヒミツといっても河原近くに公園があったりして地元民の憩いの場なのですが)
上から見るとすぐそこにあるように見えるのに、いざ石が多い所まで行くには、背の高い草の生い茂るところをかきわけていかなければなりません。ひっつき草はついてチクチクするし、必死の思い。
釜無川1 釜無川2 釜無川6

ようやく石のあるところまで来ました。
今回は花立用に的をしぼり、コロンと丸い10〜15cm球くらいのものを捜します。かつ、色や模様もきれいなもの。
感動的なまでにいいものはすぐには見つかりませんが、今日のところはこのあたりで妥協。
釜無川4 → 釜無川5

さて、いざ持って帰ろうとしますが、総重量はかなりあります。
一応ビニール袋を持ってきましたが、1枚では持ち上げるなり手さげ部分がビロビロに伸びてしまいましたので、2枚重ねで下から抱え込みました。ウチの娘よりずっと重いけどなんとか女性が持ち上げられる重さ、ということでざっと20kgくらいでしょうか。ちょっとしかないのに、やっぱり石は重い・・・。
これをえっちらおっちらまた藪を掻き分け岸に上がります。
夫に渡し、加工してもらいます。
花立

とりあえずこの3つができました。
十分選んだつもりで15個くらい拾ってきたけど、それでも使えそうなのは7〜8個、つまり半分程度です。
ところでこういう作業、子どもは全般的に大好きなようです。
この間も友達の娘さん(小1)が糸魚川付近で拾ったきれいな河原石を見せてくれました。宝物だそうです。
地域によっても石の特徴が違い、地質学的観点からもおもしろく、奥が深いのが河原石です。
見つけた石をじーっと見つめていると、そこに太古のロマンや不思議な宇宙の波動を感じたりするのでしょう。
こんどはこんな急ぎ足じゃなくて、家族でピクニックがてら河原遊びに行きたいなー。
とりあえず今回は、この重労働の後で出会ったすばらしい里山風景を眺めて、癒されてみました。
釜無川7 釜無川8 釜無川9

白州・某寺墓地より

2007年3月9日

「たらまい」のルーツを追え

昨日のハナシは山梨に来て久しい人、あるいは地元の人にとってはたいしておもしろくもない、当たり前のことでしたが、今日のお題は地元の人はほとんど知りませんでした。
和太鼓会のリーダーからこんな宿題を課されていました。打ち上げの宴会の席です。
「やよぶさん、『たらまい』って知ってる?」
名詞?動詞?形容詞?
リーダーは昔から自分のウチでは使っていたので甲州弁だと思い込んでいたようですが、地元でもけっこう知らない人が多いということに気づき、ギモンを持ち始めました。
宴会の席での料理を前にして「たらまいほして」という使い方。
「ほす」は「干す」つまり「片付ける」、「たらまいほして」で「遠慮しないで全部食べていっとくれ」という意味を表すそうです。
ということは「たらまい」は「料理」を差すということになりますが、なんでそんな言葉を使うのか、リーダーにもわからないとのこと。
「やよぶさん、ちょっと調べてみてよ」
リーダーはニヤニヤしながら言いました。
さて、ネットで甲州弁サイトを開き「たらまい」を探してみましたが、全く見当たりません。
白くておいしくて昔は手に入りにくいご馳走、ということで「鱈米」と当ててみましたがそんな造語も見つからず。
甲州弁ベタベタのド地元衆に聞いても「知らない」と冷たくあしらわれ。
どうやら甲州弁ではなさそうだというところまでたどりついたものの、なすすべもなく困っていたところ、意外なところからヒントが舞い降りてきました。
わが出身地明石で、2月末にいかなご漁が解禁になったとのこと。
春ですねぇ。
いかなごは稚魚4mm→新子3cm→成魚8cmと成長する浅海に生息する小魚で、明石海峡産は品質もよいと有名です。新子の頃が一番おいしく、よく出回り、生姜とざらめと醤油で甘辛く煮た「くぎ煮」は早春の明石の名物です。
明石の天然の鯛などは、なかなか庶民の口には普段のぼりませんが、このいかなごのくぎ煮はおかあちゃんの味として広く親しまれています。
・・・と前置きが長くなりましたが、そのいかなごや明石の新鮮な魚を販売する「うおんたな(魚の棚)」という魚市場があります。
「棚」は「店」を意味します。
また市場を「台所」と表現することも。
もしかして「たな」がなまって「たら」になったのでは。
そういえば太鼓メンバーの別の人が言ってました。
「俺はたなまえ干してって聞いた気がするな」
で、「たなまえ」で調べたらステキなサイトを見つけました。
富山弁ゼミナール
ズバリ、「たなまえ」が「台所」の意味でつかってあります。
日本海側のお国言葉が何らかの流れで(おそらくはかなりローカルな個人的ルートで)この山梨に入り、少しアレンジされて「たらまい」になったのではないでしょうか。
そういえばかのリーダーの家は寿司屋。彼は仕入れの関係で日本海側のこの言葉と出会ったのかもしれません。
「台所の食材ごとぜーんぶ食べてっとくれ」
なんだか気前のいい表現で、嬉しくなってきますね。
さて、上記の考察、真相はいかに。

やまなし雑学

珈琲館翡翠にて。
よく行くコーヒー専門喫茶店です。
マスターが能面師で、ログハウスの店内に自作の面を飾ってあります。
ほとんど身内のようにしていただいてるくらい、自分では「常連中の常連」だと思っております。
いつもだいたいバカ話して帰ってくるのですが、今日はちょっと高尚な話(?)になりました。
客は私の他に、こちらもよく知っている設計士さん。
マスターは名古屋、設計士さんは島根県石見、私は明石の出身です。
設計士さんの親戚筋で「美元」という苗字があり、岐阜県高山の出身だそうですが、「よしもとさん」というそうです。
変わってるよねという話から山梨に来て出会った変わった苗字や地名をあげつらいました。
題して難解苗字読み方クイズ。
鴨足
これで「いちょう」と読むそうです。なるほど銀杏の葉って鴨の足の形に似てますね。
薬袋
山梨に住む人にはあまり珍しくないですが、「みない」と読みます。
言われが2種類あります。
ひとつは信玄の薬袋を拾った農民に対し、信玄が「この中身を見たか」と問うたところ「みない」と答えたのでその忠義を褒め以後「みない」と名乗るようにと命じたもの。
もうひとつはある長寿村では医者要らず薬要らずの元気な人々が多く「薬袋もみない」ところからそういう読み方になったというもの。
どちらも敢えて反対の意味を読み方に使ったところが山梨らしいです。
山梨のお国言葉で「○○しちょ」というのは「○○するな」の意で、これも情報戦略を得意とする信玄が周辺の敵国から自国の情報の漏洩を防ぐために普通は肯定命令形に聞こえる助動詞を反対の意味で使ったということだそうですから。
あとは各自リストアップ。
小倉
御勅使
大豆生田
上手
神戸
今ではだいたい読めるようになりましたが、来た当初は読めなかったなぁというものを3人でいろいろ出し合いました。
ちなみに上から「こごえ」「みだい」「まみょうだ」「わで」「ごうど」と読みます。「上手」を「わで」というのは北巨摩ではなくもっと甲府に近い方のようですが。
ところでこういう苗字や地名もあるそう。静岡にもそういう地名が現存します。
月見里
月が美しく見える里=山がないところ=「やまなし
これが山梨の語源だという説もあるそうです。
山梨なんか山ばっかりなのにどうして?と思いますが、富士山以外の山は山とは言わないそうで、甲斐の国の誇り高さが窺える気がします。
そういえば小淵沢のネパール料理屋さんのご主人も、出身地ネパールと風景が似ていると感じたこの八ヶ岳から見る南アルプスの山並みを「丘」と言っていました。確かにヒマラヤ山脈から見れば南アルプスなんかは丘かもしれませんが、そこに親しみもこもっていて逆に嬉しくなったものです。
難解地名・苗字、ルーツや意味を調べたりしていくと、その地域がもっと好きになれそうで楽しいですね。

2007年3月5日

ミッフィーのおばあちゃん

昨日古本屋に行ったらこんな本を見つけました。
ミッフィーのおばあちゃん

『ミッフィーのおばあちゃん』
おばあちゃんがしんで、かなしくてぽつんとなみだをこぼしてしまったミッフィー。
おじいちゃん、おとうさん、おかあさん、アリスおばさんたちみんなでおばあちゃんがやさしかったことをかいたいしをおきました。
ミッフィーはときどきひとりでおはなをもっておはかにいきます。そこへいくとおばあちゃんにあえるようなきがするから。

ブルーナのおはなし文庫17巻目のえほんです。
2才前後の子ども向けと思われるミッフィーシリーズは、さりげない日常の一コマのストーリーが中心ですが、これはちょっと異色です。
「生」と「死」という難しいテーマ。
これを子どもに読んで聞かせてあげるのはちょっと難しいかもしれません。
これが古本屋においてあること自体、元の持ち主の苦労が窺える気がします。きっとシリーズで購入したものの、こういうのが混じってて、「どうしよー」とこれだけよけてあったのではないでしょうか。
このえほんの別の意図として、こういうことをきちんと読んであげられる親、というのを育てるつもりなのかもしれませんね。
ウチにはまだおばあちゃんが元気でいるので、かなり勇気がいります。
なにしろウチの娘は言葉の急激な発達盛り。
でもまだえほんの長文は聞いていられなくて、どんどんページをめくって描かれている絵についてコメントを言うレベルです。
おはなしとしてそれなりに受け入れることはできるでしょうが、
断片的にこのえほんの言葉をうっかりおばあちゃんの前でもらしてしまったら・・・
それとも、このほんは誰か身近な人が亡くなったときまでとっておこうか(そんなの待ってたらMOOが大人になってしまうかも)
とかなんとか深読みしたり心配したりしてしまう母ですから、まだまだ修行が足りません。
ちなみに夫は「ブルーナえほんは原色ばっかりだから好きじゃない」と、違う理由で読むのを拒んでいます。

2007年3月1日

富士見・田端の田園

富士見町・田端地区にある、売り物件のすぐ裏手の墓地。
360度広がる広大な田園の中の小高い丘に数基。
今日は一日中雲もなく、澄み切った空に山がくっきりとそびえていました。
↓八ヶ岳方向
田端1

↓南アルプス方向
田端2

ここは10年くらい前のドラマ「青い鳥」(豊川悦司主演)のロケ地になったという噂。