おかみブログ

2012年2月26日

スワいち!2012

今年もスワいちに行ってきました。
スワいちというのは諏訪エリアのおもしろいものやおいしいものが集結した町ぐるみのイベント。
駅前商店街や直売所などあちこちの店や会場でおもしろいものを売ってる、ショッピングストリートイベントなのです。
去年は七賢の蔵開きと重なって、しかも出発する時間も遅かったので、ちょっとしか回れなかったのを教訓に、
今年はなるべく早めに出て、一箇所をゆっくりまわろう、と計画しました。
この時期にやるのが、そもそもいいです。
寒い冬のはまだまだ遠のいてはいないものの、日も少し長くなって少し雪解けや芽吹きが感じられる時期。
春の息吹は諏訪から。
「いとをかし」というキャッチコピーもよい。
「おもしろい」と「お菓子」をかけてるんですね。
スウィーツをメインテーマにすれば、いろんなことに発展するし、何より幅広い年齢層の女性客を軸にカップル、ファミリーまで取り込める。
私たちは今年、富士見エリアにしぼって回りました。
珈琲店テーブルランド
スワいち10
諏訪のキャンペーンガール「マリコ」さんをイメージした珈琲豆。
スワいち3
「マリコ」さんとは頭だけ巨大な人形で、首から下はナイスバディと美脚を持つ、ゴージャスなもの大好きなゆるキャラ。
ご当地キャラの代表格に滋賀県の「ひこにゃん」があるけど、ああいうふうにオサムライ風でもないから、富士見とどう関係があるのか、と疑問に思うけど、妙に存在感があって、絶対忘れない。
そのマリコさんもオープニングイベントのあとはどうやらスワいち会場のあちこちに出没するらしいです。
タイミングが合わず、とうとう私たちは会えませんでしたが、そのかわりにマリコブレンドの珈琲豆を買いました。
珈琲ランドもうひとつの楽しみは、映画「かもめ食堂」にも出てきた「コピルアック」。
小林聡美が珈琲をおいしくするために前オーナーから教えてもらった呪文。
ジャコウネコのおなかを通って消化されずに出てきた珈琲豆のことなんだそうです。
それがめちゃめちゃおいしくて、しかも幻のように高価なんだそうです。
なぞがとけた!
今年のスワいちではマンデリンとコピルアックの飲み比べを1000円でいただくことができました。
スワいち1
うーん。おいしいけど、マンデリンやトラジャが引けをとるかといったら、とらないと思う。
マスターの煎れ方が上手なのもあってか、とてもまろやかな味でした。
生き物のおなかで発酵してたわりには、とてもあっさりとして整った味です。
ところがシナモンロール(こちらもテーブルランド製。かもめ食堂っぽく)をかじった後では、激変。
酸味が感じられ、むしろ最初酸味を感じたマンデリンのほうがまろやかに感じられました。
不思議〜。
夫は、「甘いものとあわせるならマンデリンで十分」と毒舌を吐いていました。
次の行き先はMARUSEN(名取木工内)。
かわいい木のおままごとセットや、
スワいち9
お菓子にちなんだ古本が手作りケーキボックスにパッケージされていたり(すばらしいアイディア!)
スワいち4
ナチュラル染めの日本手ぬぐいが売ってたりしました。
文房具屋さんイチジュウでは
富士見高校養蜂部の生徒さんたちが、かわいい蜂になりきって、みつろうクリームの作り方ワークショップをやってました。
かわいい!高校生だから、なんの問題もなく、自然にかわいい!
スワいち6
養蜂部、というユニークな部活があるなんて、地元富士見の公立高校、がんばってる。
空間提案ショップみやこし
骨董品と自然食品を販売。
店舗設計から彼らが行ってって
「古いものを古いままに、ではなく新しい感覚で現代によみがえらせる」をコンセプトに
建築してるのだそうです。
スワいち5
もろずみ鉄木堂
書家でもある両角オーナーが展開する、こだわりの道具と和家具を販売する金物屋さん。
スワいち8
スワいち7
あとはふだんからお気に入りの井筒屋とキャトルセゾンへ。
井筒屋さんではめいぶつ「いちご大福」
キャトルセゾンではふわふわしっとり「シフォンケーキ」をゲット。
あいにくの小雨で、ひんやりする日でしたが、
こころとおなかはあったかな一日でした。

2012年2月23日

それぞれの本との出会い

えほんブログ、更新しました。
こちらは石屋のおかみブログにわをかけてのんびり更新してます。
Mooは小学校にはいって毎日2冊以上(強制的に)図書室から借りてきて、ほぼ毎日読破してるし、
Tazは言葉の発達がここ半年で急激に進歩して、物語をかいつまんで説明することまでできるようになり
Kuhは絵本のなかに日常と非日常の両方のおもしろさを見出せるようになりました。
これも、本をたくさん面出しできる絵本ラックのおかげかも。
えほんラック
大泉のTane Mahuta(タネマフタ)寺西さん製。
すぐ目に付いて手に取れるところにあるというのはありがたいことです。
Moo編→http://blog.livedoor.jp/mootaehon/archives/53695168.html
Taz編→http://blog.livedoor.jp/mootaehon/archives/53695286.html

2012年2月13日

もうひとつの北の杜

杜の都、仙台。
石屋団体・全優石の総会に夫が出席するのに便乗して、家族(Kuhは預けて娘2人連れ)で行ってきました。
毎年全国もちまわりで、石産地近くで総会が開かれますが、今年はあえて仙台となりました。
仙台は10年ほど前にも総会が行われたところですが、今回は人が集まることの経済効果を狙ったものとみえます。
私は仙台は3回目。
不思議なご縁だなぁ、と二つ返事で同行を決めました。
「杜の都」という呼称が北杜市も髣髴とさせるので、親近感を覚えています。
規模や町並みが神戸に似ていて、どこか懐かしい、それでいて都会的な心地よい緊張感も得られる、大好きな町です。
でも子連れで東北に行く、というと
「ガイガーカウンター、買った?!」と眉をひそめられる世の中です。
山梨から見ると未知の世界、実際はどうなっているのか・・・。
ひとごとでしか考えざるをえない震災の爪あとを少しでも肌で感じられれば、何か変わるかもしれない。
被曝の心配より、そんな覚悟と期待も含んでの、研修旅行となりました。
1日目、夫以外の3人は動物園へ。
寒さでどうぶつたちはみんなオリの中へ入っていましたが、みせていただけました。
子どもたちは動物が見られただけで満足。
サル山では寒い中、たくさんの親子ザルがキャッキャキャッキャと遊んでいました。
閉園まぎわだったからか、飼育員のおにいさんが売り物のエサを分けてくれて、Tazに投げさせてくれました。
動物たちも震災直後は大変だっただろうなぁ。
電気も使えないし。
元気に生きていてくれて、ありがとう。
2日目。
いよいよ浜辺のほうへ。
まず松島。
日本三景のひとつで、今はカキのおいしいシーズン。
なのに、観光客は激減、特に外国からのお客は皆無だそうです。
松島も浸水1m以上あったことが、待合室の写真ギャラリーでは紹介されていたけど、今では大きな爪あとは残っていないように見えました。
松島石堤防
そして石巻へ。
言葉を失う光景。
倒壊したお墓。
地面は基礎までえぐられ、海の砂が入り込んでいる。
石巻倒壊墓石1 石巻倒壊墓石2 
住宅街。
石巻被災住宅街1 石巻被災住宅街2
石巻被災住宅街3 石巻被災住宅街4
住宅街には人の気配がまったくない。
ガレキ撤去と解体作業が、建設機械でもくもくと行われている。
もしかしたら、写真だけでは「きれいになった」と感じるかもしれない。
とても整然と、なんとガレキまで木とプラスチックなどに分別されている。
ガレキ木材をバイオマス燃料にするためだろうか。
まじめに、真剣に、誠意を持って。
日本人の気質、そのままだ。
だからこそ、よけいに悲痛に感じる。
柱がむき出しになり、窓ガラスや壁のボードが破れたままになっている巨大な無人空間が。
何をしてるんだろう・・・と自分を振り返りました。
報道陣でもあるまいし、ただ被害の様子を見るだけで。
ごめんなさい。
撮影させていただき、ありがとうございました。
近年のしっかりした施工のお墓はほとんど倒れてないことがわかりました。
土砂には埋まってるけど、傾きはみえません。
石巻倒壊墓石3
お墓が倒れるということは、長期にわたって心理的不安が続きます。
石屋として、精一杯のことをやるだけだ、と気持ちを引き締めることくらいしかできませんでした。

2012年2月3日

尊い仕事

ころころ通信9号ができました。
今回は奇しくも「教育」が共通のテーマみたいになりました。
小学校の話題2つ、環境学会の先生の話。
通信をまとめて置いていただこうと、今回取材させてもらった環境についての研究をしているT先生のところに行きました。
日蓮宗のお寺の住職さんでもあります。
アポをとらずにいきましたが、先生はこころよくお宅にあげてお茶を出してくださいました。
「この通信も、よくまとめられてますね」
とお褒めの言葉。
いろんな方々と繋がりになれるのが、わたしにとっても楽しいし、いいお話をきかせていただいたことを他の人にも聞かせてあげたい、石の魅力やお墓の大切さ、地域の情報、そんな情報発信が自分なりにできれば・・・
と熱く語ってしまいましたが、
そんな私の様子を静かに聞いていた先生、
「尊いお仕事ですね」と、とても愛情のこもった表情で言ってくださいました。
こんな言葉を使ってほめてくれる人、いるかしら・・・。
しばし感動で言葉を失いました。
尊いお仕事は先生のほうだと思いました。
今回の震災で何ができるか。
先生もとても心を痛められたそうです。
金銭的な援助はもちろん、被災地に実際に行って、支援活動もされました。
亡くなった人の中にはお葬式すらあげられなかった人がたくさんいます。
先生はそんな人々のために供養をささげてこられたそうです。
「それが私の仕事ですから。」
現代の日本は宗教心が相当薄れてきてしまってます。
でも、ただでさえストレス社会の現代。
心の安寧や救いを求める人は潜在的なものも含めるとどんどん増えていて、
ヒーリングだのアロマだのが流行り、カウンセリングや心療内科が求められてます。
こういうときこそ正しい教え、救われる言葉が必要なわけで、
本来、お寺はそういうものを与えられる素材がたっぷりあるはず。
キリスト教の教会みたいに、普段から癒しの場になってくれるようなお寺を、今の日本人は求めてるんじゃないでしょうか。
先日参加してきた「信州の山寺で写経にいそしむ」の会に若い女性もたくさん来ていました。
このお寺では奥さんが「てらーと」といってお寺で絵画や造形をするイベントを時折催しています。
絵を描いたり形を作ったりすることで脳が活性化され、自己表現や心の安定が図られるのだそうです。
高齢者や子ども、知的障害者にもとてもよい効果を生んでいるとか。
お寺を葬式仏教だけでない、もっと身近に感じられる場だといいなと思いました。
ということで、遅ればせながら、これからお寺めぐりにも挑戦です。