おかみブログ
小淵沢にデゴイチが来た!
昼前。
草刈をしていたら上空でヘリコプターの音が。
続いて「ボォォォーーッ」と汽笛、そして森の向こうに真っ黒い煙。
そうか、今日が本番運転の日だ。
5回の試運転を経て、いよいよ乗客を乗せて運行した「SLやまなし」。
ちゃんとチェックしてなかったにもかかわらず、駅の近くに住んでいるおかげでその雰囲気が伝わってきました。
急いで草刈を中断し、2人の娘を車に詰め込み、線路へ向かいます。
線路が見えるところは地元の見物客が集まり、狭い田舎道は大渋滞。
県外の車が多くてモタモタして危ないったらない。
駅北側の、駅がよーく見下ろせる観音像のあたりは石屋の石置き場なので、堂々と駐車し、高見の見物。
(関係ない車も停まっていたけど、駐車料金500円くらいとれば儲かったかな??)
駅前はイベント会場と化していた。
いろんな出店が並んで、間近でデゴイチを見たい人たちであふれかえっている。
やっぱりお昼はこれでしょう!
お弁当の丸政、「SL」とひっかけ、「S=スキヤキ L=ランチ」ということで、肉丼弁当。
駅そばと出店の焼きほうとうもいただきました。
明日も行われる、このイベント。
せめて雨がふらないといいですが。
小諸の家
ウチの家をプランニングしてくださった設計士の先生と、小諸へ。
先生のプランニングした家に住んで2年目のTご夫妻を訪ねました。
田舎暮らしの取材の下見も兼ねてます。
小淵沢と小諸は高原列車小海線の始点と終点です。
一度のんびり列車の旅、としゃれ込みたいところですが、
片道2時間半の峠道を往復する余裕もなく、今回は車で行きました。
でも小海線の駅とその周辺の町や景色にはそれぞれ風情があるそうで、いつかは、と夢見ています。
小諸は佐久市の隣で、中心部は大型店が立ち並びますが、少しはずれるとのどかで広い田園風景が広がっています。
浅間山南麓で、町の中心に千曲川が通る自然豊かな高原都市。
気候は八ヶ岳南麓と似て、年間晴天率が高く乾燥しているそうです。
Tご夫妻の自宅からも浅間山が見えます。(この日は雲に覆われていましたが)
無垢のヒノキで建てた家。
先生の計画する家はどれもこういう風合いなのですが、ここは一段と周囲の環境と調和して
自分の家より落ち着くといっても過言ではないです。
(ウチが子どものモノが増えてガチャガチャしてきた、というのもありますが)
しばしの語らいのあと、お昼も近くなったところへ「蕎麦を打ちますから召し上がってってください」とのうれしいお誘い。
地元小諸産の蕎麦粉で、栽培にあたってはご夫妻も手伝ったという貴重なもの。
こんなぜいたくがあっていいのでしょうか!!
打ち立て茹でたて十割蕎麦。
山菜、ぶどうの葉とつるのてんぷら
たっぷりご用意してくださり、まったく遠慮しないでつるつるといただき、
蕎麦湯まで頂戴し、心もおなかも大満足。
「リニューアルいち」のおすすめ記事を書いたばかりで恐縮ですが、やっぱりいい蕎麦は文句なしに旨いです。
蕎麦は自家製で、たっぷりいただく、というのが一番賢い蕎麦道かもしれません。
この後は先生と別れ、せっかくここまで来たのだからと軽井沢のアウトレットに行きました。
たまには優雅にレストランでランチかお茶を、と思っていたのですが、
結局何も飲み食いする気になりませんでした。
おまけに有名ブランドの服や雑貨を見てもほとんど買う気がおこらず。
自然の、心のこもった手作りに勝るものはない!と実感した一日でした。
リニューアルICHI
高根の田園集落の中にある「いち」。
「大人のOFF」のような雑誌数誌でも取り上げられたことのある人気店。
八ヶ岳でも知ってる人は多いと思います。
明治病院という130年前の古い病院を改築してつくった店。
民家のアンティークな魅力に加えて、かつての病院で使っていたらしき医療用の道具などもさりげなくディスプレイされた上で、全面的にオーナーが手作りで直したり作ったりした内装や家具。
このネオジャパネスク的な情緒あふれるお店で出していたのは、挽きたて打ちたての蕎麦でした。
評判を呼び、このお店でこの蕎麦を目的に来店する人数知れず。
知り合いを招待するのにもよく使われ、固定客、リピーターも確実に定着していたようです。
その「いち」が、3月から大胆にリニューアル。
といっても内装の雰囲気はほぼそのまま、センスのよい手作り家具は相変わらず畑からの木漏れ日の中、心地よく納まっています。
刷新したのはメニューでした。
なんと、あれほど評判だった蕎麦メニューをきっぱりとなくし、カフェメニューを提供するようになったのです。
ハンバーグ、パスタ、カレー、ハヤシライス etc.
知り合いから、いちのメニュー変更の話を聞いていた私は、大きな期待を持って久しぶりにこの店を訪れました。
注文したのはハンバーグセット。
結果は想像以上でした。
まずプレートに乗ったつけあわせの野菜の量に驚嘆!
レタス、素揚げの根菜類、マッシュポテトが山盛りです。
そしてその野菜に埋もれているように見えるけど、実際は分厚くてボリュームたっぷりのハンバーグ。
焼き具合も絶妙で、ジューシーな肉汁がじわ〜っと。
デミグラスソースはもちろん自家製で、ふんだんのいためたまねぎのほかに何が入っているんだろう、とにかくコクと甘みが深くて、牛肉の繊維がとろけたような歯ごたえが残って、ソースというよりほとんどビーフシチューのようです。
レタスにかかっているドレッシングは天然塩の甘みと上品なビネガーの酸味がほどよく調和したもの。
素揚げ野菜にかかっているドレッシングは味噌と醤油のブレンド?こちらもやさしい甘さが舌にやわらかい絶品でした。
この素揚げ野菜は、かつての人気メニュー「揚げなすのおろしそば」のつけ汁にのっていた大盛りの素揚げ野菜の名残を感じ、一番「いち」らしさを感じる部分でした。
このセットにはパンがつきます。
天然酵母を使った自家製パン。表面カリカリ、中もっちり、素朴な味で、プレートをジャマしません。
「また、大胆に変えたね」
友人でもあるオーナー夫妻に、タメ口で聞きました。
なんで変えたのか、なんとなくわかる気がします。
オーナーは、このお店開業の頃、言ってたことがありました。
「ぼくは食べ物も含めた空間全部をデザインして、そこでお客様に癒しを味わってもらいたいんだよね。蕎麦はその方法のひとつ。」
そしてそのポリシーどおり、みごとに古民家を改装して、おしゃれでどこか懐かしい空間を演出してきたのです。
個人的には蕎麦って、高級志向であるべきではないと思っています。
今の流通では、いい蕎麦の実を使って、いい臼で丁寧に挽いて、手で打って、ということをしているとどうしても値段が高くなってしまうのはわかるけど、それでも3口で食べ終わってしまうような「こだわり蕎麦」に千数百円も出すなんて、やっぱりナンセンス。
八ヶ岳はそういう蕎麦屋が多くて、すこーし反感を抱いていました。
「いち」はその点、決して安価ではないけれど、野菜豊富だったり、甘味があったりと、メニューもとても考えられていました。
何よりお店の雰囲気がとてもお客様視点に立っている。
そのコンセプトはぜんぜん変わっていないから、蕎麦がなくて洋風のカフェメニューでも無理なく受け入れられる、と思うのです。
だけど、リニューアルから2ヶ月、「いち」は苦難の時を過ごしているよう。
まず、蕎麦を目当てに来る人がまだ圧倒的に多いから、入口で帰ってしまう人がほとんどだとか。
中には「せっかく友人に蕎麦を食べさせようと連れてきたのに」と怒る人も。
まあ、それだけ蕎麦の味がよかったということなんだと思いますが。
蕎麦好きの人は残念でしょうが、ぜひ新メニューも味わってほしいです。
お客のほうが蕎麦だけにこだわって、この新メニューに出会おうとしないのは絶対もったいない。
落ち着いたら、蕎麦の機材や道具を使って生パスタを打つ(?)つもりだそうです。
ちなみにお食事スペースとは別に雑貨・アンティークコーナーも設置されました。
それが雑貨スペース「かえるのうた」。
ちょっとイイ、食器類などにも出会えます。
Taz。谷川俊太郎著「二十億光年の孤独」読書中。(さかさまだけど・・・)
ころころ通信第2号
当店発行の石と地域のおたより「石や・ころころ通信」の第2弾ができました。
今回は今年話題沸騰の「諏訪・御柱祭」ネタをメインにしました。
親戚や知り合いの勇姿、それぞれの感想。
それから、木落としの晴れ舞台になった公園整備の施工に関わったことを載せました。
もうひとつの柱は「仏様との対話」。
建墓にかけた思いをインタビューさせていただいたHさんは、毎朝30分のお経暗誦を務めていらっしゃいます。
その読経っぷりはプロ(お寺の和尚さん)にも負けず劣らず。
ハリのある浪々とした声は評判を呼んで他のお宅からも頼まれることがあるとか。
お経をあげていると自然に心が休まるとHさんは言います。
余談ですが、お経は意味が難しくてよくわからない、と敬遠する人も多いです。(私もそう思っていました)
でもそのわからない言葉を唱えていることで、逆に心が無になり、静まり、雑念を払うことができるのかもしれない。
最近は「ワケわからない言葉」もけっこう意味があるんじゃないかと思えるようになってきました。
もちろん、お経が深い内容であることは、アタマでは百も承知ですヨ!!
けど、気持ちをストレートにあらわすより、形式好きの日本人にはハマるのでは、とも思います。
ちょっとそれましたが、そのHさんは週1回はお墓にも行ってお手入れがてらお経をあげます。
写真を撮らせていただいたときも、お墓中にお経が響き渡って、他の参拝の方もちょっとトクできたんじゃないでしょうか?!
もうひとつの「対話」は例のMooの説法です。
「若おかみブログ」の抜粋を載せるコーナーがあるので、結局これを載せました。
また身内ネタか、と思われるかもしれませんが、ある意味自店紹介の通信ですからまあいいでしょう。
この子もまた、仏様と日常的に対話している、と言っても過言ではありません。
この通信は今まで仕事上や個人的なおつきあいでご縁のあった方にお送りしていますが、
読んでみたい、と思われる方にはぜひ送らせていただきます。
いとう石材のHPhttp://www.ito-isiya.com/の電話までご連絡ください。
新緑の中のコノハナサクヤヒメ
高根町下黒沢、原山神社。
色彩の鮮やかな季節になってきました。
この原山神社は、コノハナサクヤヒメを祀っています。
日本神話の中では、イザナミやアマテラスのように大物の女神ではなくて、
ただの?山の神の娘で、住んでいるところも豊葦原(つまり地上)で、
言ってみればギリシャ神話でいうニンフ的な地位の人、だと思うのですが、
とても人気があります。
大変美しく、たおやかで、精神的に強い一面も持っていたということで、日本人女性の鏡のような人です。
富士山の化身とされていて、各地の浅間神社に祀られていますが、ここ原山神社との関係はもうちょっと調べてみたいところです。
日本神話を全部知っているわけではないのですが、このコノハナサクヤヒメと姉・イワナガヒメ(八ヶ岳の化身)のお話だけはとても好きなので、この神社にも特別な想いを持って、通るたびに立ち止まったりしています。
今日もすばらしい五月晴れ。
桜の花は完全に若葉になり、緑と青の濃淡の中、古い鳥居が佇んでいました。
母の日のプレゼント
今日は母の日でした。
え?私が対象?ってまだ実感がないのですが、
保育園では母の日プレゼントの製作をさせてくれて、金曜日に持たせてくれています。
一生懸命作ったらしきMooですが、「今日、母の日なんだよねー」とニュースでそんな話題が出たときつぶやくと
「え?そうなの?」と、よくわかっていない様子。
なんで保育園でおかあさんにプレゼントを作ったのか不思議に思わなかったのでしょうか。
まだまだ日付・時間感覚が未発達で、のんびりしたもんです。
「サザエさん」でも今日は母の日ネタでした。
無欲なフネさんに、なにかプレゼントしたいと思いをめぐらすカツオとワカメ。
けなげにも波平さんに「こっそり聞き出して」と頼んでみたりするのですが、具体案はもらえず。
ふと、古い着物でもまだ着られると丁寧につくろうフネさんを見て
「新しい着物をプレゼントしよう!」と思い立ちます。
(フネさんは「いい着物は一生着られるんだよ」と言うのですが)
二人、町の呉服屋さんへ。
ショーウィンドウにあったステキな着物がおかあさんに似合いそうだと思うのですが
なんとお値段1,000,000円。(「えっと・・・ゼロがむっつ・・・!ひゃくまんえん!?」と仰天するワカメ。このあたりおにいちゃんより数字の読みが早いところは心憎い演出でした)
それでもあきらめずに呉服屋さんに「一番安い着物はありますか?」とたずねます。
(安っぽい着物なんかフネさんにあげちゃだめだよ!と思わずツッコミ入れたくなりましたが)
呉服屋さん、ニコニコしながら「はい、ありますよ」と10万円の仕立て上がりの着物を出してきてくれました。
子ども二人だけで専門の呉服屋に入ってきて、一番安くたって到底手がでるケタじゃないことはわかりそうなものだけど、ちゃんと一人前のお客として扱って商品を出してきてくれる。この呉服屋さんもいい人ですね。
しかたなくカツオとワカメはサザエに10万円貸してくれるよう頼みます。
が、「どうするの、そんな大金」とたしなめられたあげく、「お金を借りてまで高価な買い物をしても、かあさんはよろこばないと思うわよ」と諭されます。
サザエもこの二人をバカにするのではなく、ちゃんとわかるように説明してあげているところは、さすが。
結局広場に咲いていた野の花をいっぱい摘み、ブーケにしてあげました。
「こんなにたくさんの花束をもらったのは生まれて初めてだよ」と満面の笑みのフネさんでした。
いいお話です。
さて、Mooのプレゼントは。
母の似顔絵をティッシュボックスに貼り付けたレターラックです。
母の顔は丸くてぱっくり笑っていて、髪もセミロングで、確かに機嫌のいいときの私の顔に似ているかも。
メッセージは自分の好きな言葉を書いたということで、先生は特に文章例を出さなかったそうです。
他の子は「いつもありがとう」とか「おしごとがんばってね」とかそんな言葉があったそうですが
ウチの子は「おかあさんだいすき」。
これは最高の殺し文句ですね。