小淵沢小学校では毎年2年生が町内のお店や施設をまわる社会科見学「町たんけん」を実施しています。
ウチも見学先として受け入れ始めて4年目。
一昨年は自分ちの子供Mooも来て、「なんであんたがウチにわざわざ来るの」と言ったものでしたが、
意外に教えてなかったことが多いことがわかりました。
今年はなんと3グループ計14人の来店。
(いままでは1グループ計4~5人)
協力施設の中から、グループごとに行きたいところを選ぶのですが、
今年は石屋を選んでくれたグループがこれだけいたってことのようです。
今年の子たちは工場の機械にとても興味を示しているとの、先生からの前情報。
そこで、自動切断機を稼働し、実際に岩を切断しているところをみてもらいました。
水をシャーシャー出しながら切っていくのですが、それが涼しくておもしろかったよう。
これでも当店にあるのは中型です、と話すと「えー!こんなに大きいのに」とびっくり。
さて、恒例の文字彫刻体験です。
実際のブラストはブラスト部屋にこもって職人がするのですが、
子供たちには石にあらかじめ文字が切り抜いてあるマスキングゴムをはって、文字をはがしとる、という作業をしてもらいます。
やってる最中はこの作業が何につながるのか、たぶんちゃんとは理解できないと思いますが、
できあがって、ゴムをはがしたときの歓声が、いつもかわいくて見てて楽しいのです。
質問に答える時間もつくりました。
来る前に子供たちが考えてきた質問とはこんなかんじ。
「石はいくらで仕入れているんですか?」
「石の値段は何万円ですか?」
「石はどこから出るんですか?」
「おすすめの石はありますか?」
「細かいところはどうやってつくるんですか?」
「工場にあった機械はいくらくらいですか?」
「大変なところはどんなことですか?」
やっぱりほかの見学先が駅弁屋さんやパン屋さんだったりするから
値段は聞きたくなるもんなんでしょうね。
でも実は「一概には言えない」っていうのが正直な答え。
「石は地球の一部だから、もともとはタダです。
でも、遠くの大きい山から切り出して、運んで、船に乗せて、また運んで、切って、磨いて、建てて・・・としていれば
何百万にもなります。
石とか工事のしかたによっても大きな差がでます。」
なんて説明をしたんだけど、ひととおりいろんな話をしたあと「何か質問は?」と聞くと
「石は何円ですか?」という質問がまた来る。
やっぱりぴんとこないんだろうなあ。
というより、質問を決めすぎている、というのもあるかもしれません。
見学に来る前に石屋さんへの質問を決めすぎて、
まるでクイズの答えを集めるかのようにしたがる。
どんな内容であっても、一言で明確な答えが返ってこないと不安、
ちゃんと教えてもらった気にならない・
もっとフラットな状態、真っ白な頭で聞いてくれれば
一番知ってほしいことや考えてほしいことが伝わりやすいのに。
石屋さんが一番小学生に伝えたいこと、考えてほしいことは、「お墓って何?」です。
幸せなことに、小淵沢小学生のほとんどの家庭では、地元にお墓がすでにあるか、
これから建てる場所があるかという人。
「お墓って何?」という質問を最後のほうでこちらからしてみました。
一人の子が「死んだ人を埋めとく場所」と答えてくれました。
「そう。なくなったらお骨にして、昔は土葬のまま、埋めるよね。でもどうしてゴミにしないで、お墓にとっとくの?」
「だいじだから」「すてちゃいけないから」「かわいそうだから」
「そうそう!そうだよね。みんなをかわいがってくれた大事なおじいちゃんやおばあちゃんだから。大好きな人だから、ここに来ればまた会えると思えるから。そういうことだよね」
じゃっかん2年生。
でもこどもたちはちゃんと一番大事なことを知ってて、さらに真剣に考えて、帰ってくれました。
楽しかった。
また来年も次の2年生に来てほしいです。