すぐ後ろにあるあの山へ
小淵沢小学校恒例の「八ヶ岳編笠山登山」に、Mooが行ってきました。
4年生になったMooは、今年から山頂を目指します。
生徒たちと一緒に登ってくれるのは、石屋通信でも取材させていただいた登山ガイドの竹内敬一さんと、
保護者ボランティアのみなさん。
10年ほど前、コーヒー店のマスターと一緒に私も編笠山に登ったことがあります。
この上ないくらいいいお天気で、山頂からは富士山、諏訪平、北アルプスetc.がすばらしい眺めでした。
マスターが山の湧き水でコーヒーを入れてくれました。
今年は初めて子供が山頂を目指す年なので、私も行きたかったのですが、ちょっと関節に自信がなくて断念しました。
最近長時間歩くと股関節や足首が痛くなってきてしまうのです。
なんだか情けない。年のせいにはしたくないけど。
全校生徒が無事下山し、明るい顔をして帰ってきた翌日、
銀行でばったり竹内さんに会いました。
まずは子供がお世話になったお礼を。
竹内さんのほうからも今年の子供たちの登山の様子を話してくれました。
4、5、6年生の順番で登り、竹内さんは先頭で引率。
だから4年生が一番竹内さんに近いところで登ったことになります。
「今年は雨が降りそうだったから、全体的にちょっと早めに登頂しようと計算したんです。
休憩も5分程度で切り上げた。5分といっても『さあ出発するよ』と言ってから実際に歩き出すまでにさらに5分かかるので、実際は10分くらいは休んでるんだけどね。
わりと急ぎぎみで進めたけど、今年の4年生はしっかりついてきましたよ。
登りはいつも3時間半はかかるんだけど、今年は3時間10分程度で登りきった。」
スピードを競うものではないので、速いからいいわけではないのはわかっていますが
時間が短くできたということは、みんながだらだらしないで、きちんと規律を守って取り組めたということ。
つまり、山に登る心構えがちゃんとできてた、と言えるんじゃないでしょうか。
「僕が言った通り、休み時間に縄跳びをして鍛えてたみたいだね。」
そういえば、「竹内さんにやるように言われた」といって、Mooも家で縄跳びをよくやってました。
「体を山に合わせる」
ころころ通信で取材したときの竹内さんの言葉が思い出されます。
「山に登らせていただく、という意識が大切。
厳しいことも危険なこともあるかもしれない。
自分の体も精神も山のレベルにあったものでないと、山に対して失礼。」
登山から2日後の新聞の1面に、小学校の登山の様子が掲載されていました。
『広がる環境教育、故郷の魅力 保全の思い体験で育む』
とてもいい記事でした。
「子どものころから山に親しんでほしい」
「故郷の魅力を知らないのはもったいない」
「登山という実体験から学び、大人になってもふるさとを強く思ってほしい」
こんなにすぐ近くの山に毎年登るという経験。
体力的につらい、でも山頂での達成感や爽快感、指導者の愛情、仲間意識。
そういうものはちゃんと体と心に刻まれて、「かえってくる場所=ふるさと意識」が植えつけられるはず。
私も高校生のとき、学校の遠足で六甲山縦走をしたものですが、
あの体験のおかげで、ある種の帰属感が持てるようになったもんなぁ。
山って、一歩一歩、ふるさとを刻み付けることができるんですね。
いい経験したんだろうなぁ、Moo。
置いてかれないようにしなきゃ。