独り旅・青木村2〜田沢温泉
田沢温泉は平安時代の開湯といわれます。
青木の平野部と上田市街を見下ろす山の中腹、十観山の登山口の入口です。
老舗の旅館が数軒、急坂の通りの両側に並んでいます。
その中の一軒、リニューアルした「和泉家旅館」に泊まりました。
公衆浴場「有乳湯(うちゆ)」のすぐそばです。
今回出張する前、このエリアの営業担当より、この「有乳湯(うちゆ)」に入ってくるように指示されてておりました。ここに来ると青木村というところがよくわかるそうです。
「外湯だけどうちゆなんだ」
「気になる字ですね。おっぱいおっきくなるんですか?」
「なるなる。ぜひ行ってこい」
・・・よけいなお世話です。
正確にいうと、子どものない人は子宝に恵まれ、子どもを産んだばかりの人は乳がよく出るようになる、という言い伝えがあるそうです。
「そうかー。成分がホルモンに作用するのかしらね」と同僚の女史。
いやいや、あまり真面目に考えなくても・・・
単純硫化水素泉。
硫黄の匂いのぷーんとする無色透明なお湯です。
この匂いは「温泉に来た〜」という実感がわいて、関西人的な表現をすれば「もとをとった」というところでしょうか。
夏はちょっと暑苦しい匂いですが、青木は朝晩とても涼しい。
昼間の猛暑ぶりとは大違いです。
和泉家さんではノートパソコンを貸してもらえます。
温泉でゆったり、個室で上げ膳据え膳、快適なワーク環境。
この地に逗留したという島崎藤村よろしく、一気に原稿を書き上げてしまいました。
欲をいえば、女性独りということで気を使ってくれたのか余りに干渉されなさすぎたのが、逆に物足りなかったかな。
朝ドラのようなおしゃべりな仲居さんでもいれば、つかまえて青木の魅力など語ってもらいたかったところですが。おもてなし、とは難しいものです。
鯉料理が名物。