おかみブログ
2010年4月14日

おくさんによろしく、のきもち

知り合いの先生(先生と呼ばれる職業の方なのでそう呼んでます)から今日も黒豆煮をいただきました。
Mooはこの「おまめ」が大好きです。
「マツモトせんせい、おまめくれるかなあ?」
先生の得意料理でもあるこのお豆を、Mooはいつも楽しみにしていて、
お会いするたびに私にこっそり耳打ちします。
先生も、子どもが正直にパクパク食べるのがうれしいと感じてくださっているようで、
よく持たせてくれます。
「せんせいにおてがみかく」と言い出しました。
最近はひらがなもほぼ書けるようになって、お友だちや先生にお手紙を書くのが楽しくてしょうがないらしいです。
「いいね、なんて書くの?」
「『まつもとせんせい、おまめありがとうございました』って」
そのままやんけ。
芸がないなーと思いつつも「そうかそうか、」と一応ほめてやりました。
すると手紙の文面らしき言葉が続いて出てきました。
「『まつもとせんせい、おまめありがとう、おくさんによろしくね』」
一瞬、どうしよう、と思いました。
先生は数年前に奥さんを亡くして、今はお一人なのです。
子どもの言葉とはいえ、無邪気に奥さんの話をされると返答に困るんじゃないか・・・。
「先生は奥さんいないんだよ」
奥さんの話は出さないほうが無難だと思って、さとすようにそうMooに言いました。
すると・・・
「しってるよ、しんじゃったんでしょ。いつもチーンするところのしゃしんのおくさんによろしくね、っていうんだよ」
「おくさんはおそらにいるんだよ。おそらっててんごくのことなんだよ。
ひいおじいちゃんもそこにいるの。
つちにも きにも おそらにも おやまにも いっぱいかみさまがいるんだよ
おそなえするところにもいるよ、ナムナムすればでてくるよ」
すごい。
こんなひょんなところから、神仏混合の壮大な宗教観の説法が聞けるとは思いませんでした。
死生観も、普段見えないけど心の中に存在する、というところまでちゃんと理解しているのです。
そういえばMooはバーバの家のお仏壇においしそうなお菓子がおいてあるといつのまにか食べていて、
「おじいちゃんにナムナムしたら、いいっていった」と言い訳をしています。
大人はつい「死」を遠ざけよう、触れないようにしよう、としがちだけど
子どもはさらりと受け止めて日常にとりいれているようで、はっとさせられるときがあります。
それだけリアルな死を経験していないからなのでしょうけど、
ある意味この感覚は大人を救ってくれます。
結局手紙にはこう書かれていました。
「まつもとせんせいおまめありがとうてんごくのおくさんによろしくね」
これなら先生も返答に困ることはないでしょう。
文末にハートマークまではいって、無事お礼状の完成です。
「天国じゃなくて、お浄土、って教えようか」。
お父さんからはダメだしが入りました。