お仏壇をお迎え
今年は義父の十三回忌です。
親戚が集まっての法事は去年の暮れに済ませましたが、長男の家族である我が家ではひそかに或るものを準備していました。
お仏壇です。
仏壇はその家の宗派の本尊を祀るところです。
核家族化が進む現代で、その家にホトケさまが出たわけでもないのに仏壇を備えるのは奇異に思われるかもしれませんが、本来故人を拝むものではなく、仏を拝むものですから、いつ置いてもいいのです。
ということで、家を新築したときから、早めに置こうと考えていました。
回忌法要には間に合いませんでしたが、(というか法事のとき、初めて真剣に考え始めた。)一応回忌の年にできて、満足です。
製作者は長坂の家具職人・工房YASUSHIの清水泰さん。
仏壇というと、黒檀や紫檀で、金箔がキラキラ入っていて、華美な装飾がついていて・・・というのが従来のイメージですが、さすがにこの家と我々のような世代には合わないと思っていました。
あるとき、大泉の詩游館ギャラリーで行われていた清水さんの「抽斗(ひきだし)展」を見に行ったとき、仏壇を作るなら絶対この人にお願いしようと心に決めたのでした。
清水さんの作る家具はとにかく緻密で、細やかで、繊細でありながら安定感と落ち着きが感じられるものです。
「抽斗」は彼の持ち味を最大限に活かしたものでした。
相談してみたら、清水さん自身も仏壇を作ってみたいと考えて、作り方だけでなく、仏壇の各部の意味や用途、現代仏壇の傾向や価格相場なども調べたことがあるということでした。
大きさと色調の好みを伝え、基本的にはデザインは清水さんにお任せすることにしました。
ただ、清水さんの持ち味である<蟻組み>と<浮かし>は取り入れてほしいとお願いしました。
蟻組み
天板浮かし(工房YASUSHIのHPより画像拝借)
足と天板の間に小さな支え部品を入れることで、天板が浮いているかのようなデザインにし、軽やかにみせている。自称「浮わついた人間なので・・・・」だそうですが、イヤイヤ、緻密な重量計算と丁寧な手作業の成せる技、マジメな人じゃなきゃできませんよ。
そして完成した我が家のオーダー仏壇です。
材料:本体・・・タモ、取っ手・須弥段など・・・ブラックウォールナット
仕上げ:天然オイル及び蜜蝋ワックス
すべて無垢材なので、部屋の温度湿度によって伸縮します。
1年間は様子を見て、ムリに抽斗を開け閉めしないことなどの注意がありました。
少しずつその家になじんでいくとのこと。
なんか、生まれたての子供みたいですね。
ようこそ、我が家へ。
今後はご本尊・仏具の設置と魂入れの作業があります。
そちらはまたおいおい。
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