おかみブログ
2006年10月14日

お墓が倒れてる

先月末、甲府市のお寺で墓石18基が倒されているという事件が話題を呼びました。
明らかに人為的なもので、何かの悪意があってやったものと見られます。
今日仲間内の石材業者さんと話の中でその話題になり、苦笑いしながら彼はこう言いました。
「意外と石材業者関係のしわざだったりしてね。仕事取れないから腹いせとかさ。普通の人、お墓なんか気持ち悪いとかいって触らないじゃん。」
墓石(器物)損壊事件の謎解きはともかく、一般の人のお墓に対する忌み嫌いようには時々びっくりすることがあります。
田舎暮らし物件を探している人の中にすらこんな例があります。
古い民家物件。敷地内に建つ石の祠や塔。江戸時代の年号が朽ちかけた石にかすかに見て取れる。竹やぶの下でかなり傾いて、ひっそりと建つ。「あれ、お墓ですか?」と問われる。
「いいえ、あれは屋敷神さまです。でも敷地内にお墓があるところもありますよね。」と(ちょっとおどかしぎみに)説明すると、「え?!」とかなり引く。
その後物件の感想について返事がある。
買い物に近く、便利で、土地も広いし気に入っているが、唯一あの祠が・・・。「子供にもそんなの気持ち悪いからやめろって言われてるんです」
また別の例。広大な水田の一画のちょっと小高くなったところ。富士山・南アルプス・八ヶ岳が見渡せる絶景スポット。そこにあるのが集落墓地。車で横切りながら、「あそこ、いいわねー。お墓が建っててもったいないわー」
現況農地、里山の一画の眺めのいい土地。そのすぐ後ろに近所の家のお墓が数基建つ。「こんなのがあるって資料に書いてないですね。広告するにあたって、マイナスインフォメーションとして載せるべきなんじゃないですか。」
まぁこういうのは極端な例ですが、都会の人は一様に墓地を忌み嫌います。田舎の人ですら夜は墓地のそばを通りたくないという傾向があります。
確かに人気のない暗い夜道、墓地から恨みを抱えた犯罪者が出てきたらコワイですけど。
そういう状況を招くのも他ならぬ生きた人間だということを、日ごろ忘れているようです。