みかげ石のふるさと
「ホテルのただ券があたったよ」と親から譲り受けた特典を有効活用するため、
家族で2泊3日の神戸旅行へ。
神戸といえば「御影石」のふるさとです。
神戸市東灘区の御影(みかげ)地区で採取された花崗岩を御影石というようになって、
いつしか花崗岩全体の通称として用いられるようになったとか。
焼物でいえば瀬戸と「せともの」みたいなものでしょうか。
神戸の御影石は業界では「本御影」などと言って、まさに本物っぽい呼び方をしています。
黄色いサビ色が出るのが特徴で、比較的水を吸いやすく変質しやすいとのこと。
だから墓石業界ではあまり使いたがらないし、第一もうほとんど取れないものです。
でも神戸の古いお墓はやっぱり、そこで取れた御影石をつかっていて、
それはそれで情緒があって、いいものです。
私たちが泊まったホテルは旧居留地の近くでした。
港に近いところで、開港の際は外国人使節が多く住んでいたところ。
今では世界一流のブティック(ヴィトンやプラダ・・・)が軒をつらねる、おしゃれな界隈です。
ステキ。普段田舎にいるから、今回はとことん町歩きをしてみました。
まずはホテルの前でくだんの御影石による建造物をみつけました。
外国商館跡門柱。(現第一生命ビルディング前)
開港直後の石造りの建物の一部を保存したものです。
さて、旧居留地は建築的にもはなかなか絵になるところです。
古い建物もよく残っているし、新しい建物も高級感のある造りになっている。
石もふんだんに使われていました。
歩道の石畳、ビルのフロントのカウンター、プランター、石柱など・・。
建築に大胆かつふんだんに石が使われていて、町全体が見ごたえがしました。
石からちょっとそれてしまうのですが、
神戸はお菓子天国でもあります♪
元町商店街のわずか数十mの間に何軒のケーキ屋さんやパン屋さん、和菓子屋さんがあったかわかりません。
つい競合しないのかな、などと心配してしまいますが、そこは甘いもの好きの神戸っ子のことですから
いくつあっても大丈夫なのでしょう。
それにしても、高級菓子店はことごとく石造りですね。
この乱張りの壁なんか、神戸に合いますね。
最後の日は公園でひと休み。
夫が仕事用の資材を買いにユザワヤやロフトに行っている間、
子どもたちと私は市役所の隣の東遊園地で待っていました。
遊園地といっても、静かなパブリックスペースです。
ここにもおもしろい石造物を見つけました。
近代洋服発祥の地モニュメント。
さすが。徹底しておしゃれですね。
洋服の見ごろをモチーフにしたアートです。
神戸といえば震災の傷跡も忘れてはいけません。
私は当時はもう東京に出ていたので、あまり実感がありませんが
それ以前に知っていた神戸の町並みが大きく変わってしまったところもあります。
これはメリケンパークの入口にある、波止場。
コンクリートが割れて街灯も大きく傾いている様子をそのままに残しています。
しばらく離れていると違う面が見れた神戸でした。
波モチーフのアートに登るMoo。