おかみブログ
2007年3月9日

やまなし雑学

珈琲館翡翠にて。
よく行くコーヒー専門喫茶店です。
マスターが能面師で、ログハウスの店内に自作の面を飾ってあります。
ほとんど身内のようにしていただいてるくらい、自分では「常連中の常連」だと思っております。
いつもだいたいバカ話して帰ってくるのですが、今日はちょっと高尚な話(?)になりました。
客は私の他に、こちらもよく知っている設計士さん。
マスターは名古屋、設計士さんは島根県石見、私は明石の出身です。
設計士さんの親戚筋で「美元」という苗字があり、岐阜県高山の出身だそうですが、「よしもとさん」というそうです。
変わってるよねという話から山梨に来て出会った変わった苗字や地名をあげつらいました。
題して難解苗字読み方クイズ。
鴨足
これで「いちょう」と読むそうです。なるほど銀杏の葉って鴨の足の形に似てますね。
薬袋
山梨に住む人にはあまり珍しくないですが、「みない」と読みます。
言われが2種類あります。
ひとつは信玄の薬袋を拾った農民に対し、信玄が「この中身を見たか」と問うたところ「みない」と答えたのでその忠義を褒め以後「みない」と名乗るようにと命じたもの。
もうひとつはある長寿村では医者要らず薬要らずの元気な人々が多く「薬袋もみない」ところからそういう読み方になったというもの。
どちらも敢えて反対の意味を読み方に使ったところが山梨らしいです。
山梨のお国言葉で「○○しちょ」というのは「○○するな」の意で、これも情報戦略を得意とする信玄が周辺の敵国から自国の情報の漏洩を防ぐために普通は肯定命令形に聞こえる助動詞を反対の意味で使ったということだそうですから。
あとは各自リストアップ。
小倉
御勅使
大豆生田
上手
神戸
今ではだいたい読めるようになりましたが、来た当初は読めなかったなぁというものを3人でいろいろ出し合いました。
ちなみに上から「こごえ」「みだい」「まみょうだ」「わで」「ごうど」と読みます。「上手」を「わで」というのは北巨摩ではなくもっと甲府に近い方のようですが。
ところでこういう苗字や地名もあるそう。静岡にもそういう地名が現存します。
月見里
月が美しく見える里=山がないところ=「やまなし
これが山梨の語源だという説もあるそうです。
山梨なんか山ばっかりなのにどうして?と思いますが、富士山以外の山は山とは言わないそうで、甲斐の国の誇り高さが窺える気がします。
そういえば小淵沢のネパール料理屋さんのご主人も、出身地ネパールと風景が似ていると感じたこの八ヶ岳から見る南アルプスの山並みを「丘」と言っていました。確かにヒマラヤ山脈から見れば南アルプスなんかは丘かもしれませんが、そこに親しみもこもっていて逆に嬉しくなったものです。
難解地名・苗字、ルーツや意味を調べたりしていくと、その地域がもっと好きになれそうで楽しいですね。