おかみブログ
2011年11月12日

山寺で写経

諏訪エリアで体験プログラム集を企画している「ズーラ」のひとつ、
「信州の山寺で写経にいそしむ」に参加してきました。
富士見町立沢の高榮寺。真言宗智山派。
もう、タイトルだけで惹かれます。
わさわさしてるばっかりの今日この頃。
こういうたぐいでのゆっくりすごすことも心の栄養になるのではないでしょうか。
都合で、TazとKuhも連れて行くことになってしまって、
ご住職さんの説明や法楽などに参加できなかったけど
肝心の写経の間はおとなしくしてくれたので、集中して書くことができました。
写経の前、Tazを落ち着かせるために本堂を出てしばらく境内を散歩していましたが、
その時間が思いがけなくゆとりを生むものでした。
ひなびた山あいの集落。その斜面地域にたたずむ山寺。
おりしも紅葉まっさかり。自然の中のいい空気をすって、写経に備えました。
写経。
印刷技術のない時代に僧侶が教えを学ぶために必要な経典を師僧より借りて書き写したのが始まり。
日本においても天武天皇即位のときが記録に残る最初の写経。
その後平安時代には写経して祈願すると疫病が治まった例もあり、広まっていきました。
印刷技術が進歩した今は、単に勉学の手段というより、願いを込めて功徳を得る修行のひとつとしてなじんでいます。
・・・と「ズーラ」の配布してくれた説明書にありました。
私は写経は今まで何度か経験がありますが、ここまで丁寧に指導してもらうのは初めてでした。
ただ写し取ればいいのではなく、そこに気持ちが入ることが本当の目的です。
写経のしかたや意味の説明、実際に書き始めるまでの準備所作、奉納するときの所作など、
細かくご指導いただきました。
ゆっくり、そういったことをふまえていくうちに、心が落ち着いてきて、
より集中して写経にのぞめます。
写経は座禅修行のひとつでもあるとのことです。
最後にお願いごとを書いて奉納します。
お願いごとといっても、こういう時間を経て書きたくなる願い事というのは
個人的で即物的なものにはなりえません。
やっぱり家族の健康とか、そういう思いやりの心がわいてくるお願いになります。
我が家は般若心経に出てくる漢字の中に子どもの名前が入っているので、
よけいにこころして、あたたかい気持ちで写すことができました。
写経、奉納のあとはくだけた茶席タイム。
お抹茶のほかに、「カフェ利休」なるものがあり、どちらか選べます。
「カフェ利休」・・・エスプレッソのようなものでしょうか。
とにかく濃いコーヒー液が抹茶茶碗に盛られています。
これが不思議。初めに飲んだときには渋くてたまらなかったのが、
お茶菓子を2ついただいた後にのむと、なんともまろやかな甘みがひきたつのです。
この甘みはコーヒーなのかお茶菓子なのか・・・。
2つが絶妙に融合して、ひとつの世界をつくっていました。
写経1
ご住職の奥さんは臨床美術士の資格をお持ちだそうで、臨床美術「てらーと」の教室を開いています。
造形を通じて脳を活性化したり、認知症予防に役立てたりするセラピーのことです。
写経2
さしあたって直近の予定は
 11月27日(日)
 「かぼちゃを造形する」

いいお寺でした。石屋でも時々お世話になっています。
また体験プログラムでもご縁をつくりたいものです。
石屋でも写経セット販売しています。
これからの季節は特におすすめ。
雑念をとりはらって、いい新年を迎えましょう。