昔語りの心得
前回のブログで石屋イベントをご紹介しましたが、肝心な日時を入れるのを忘れておりました。
チラシの画像までクリックして見てくださった方はお分かりかと思いますが、今週末、連休の中日23日(日)10時〜4時に、石屋の工場で行います。
お近くの方や、お近くまでお越しのご予定の方はぜひのぞいてみてください。
さて、先週急遽やろう!と思い立ったにわかイベントですが、遅ればせながら準備を進めております。
もともと個展とか、すごいことをやろうとしているわけではなく、普段どおりの店に来ていただいて、まず子供たちを中心に石に親しんでいただきたいというのが趣旨ですので、のんびりしたもんです。
企画のひとつ、むかしばなしのかみしばい&語りは私自身とても楽しみにしていること。
「かさじぞう」と「がんまくさん」という2つのお話をやる予定です。
どちらも石にまつわるお話。
ということで、今日図書館に素材を借りに行きました。(遅いって??)
北杜市内には合併前の各旧町村8箇所に図書館があります。
どこで借りたものでもその8箇所どこで返してもよく、またパソコン上でリアルタイムに8箇所の貸し出し状況がわかるようになっています。
まず一番近場の小淵沢図書館に行きました。
ここではまず「がんまくさん」資料をゲット。
「がんまくさん」とは小淵沢に伝わる民話で、数点の甲州民話集の中にも採話されています。
近年民間のグループの人たちが独自に活発な採話活動を行ったり、民話の里ウォークなどのイベントも行っているので、もしかしたら新しい資料や一冊の絵本になったようなものがあるかもしれないと思いましたが、図書館ではそこまでみつけられませんでした。かわりに「ことばの学校小淵沢分校・語り継ぐ民話の世界」という講演会で町内在住の茅野頼母さんによる語りがビデオになっているものを借りてきました。
地元CATVが放送したものの録画です。
それを見ると甲州民話集などに記録されている内容はほんの一部だということがわかります。
14分の茅野さんのお話の中では、当時の民衆生活や、民衆に慕われた神官・がんまくさんのいろんなエピソードがつぶさに語られていました。
次に大泉の金田一春彦記念図書館へ。
金田一先生ご存命の頃、ご本人にもお会いしたことのある思い出深い図書館で、通勤途中にあることもあって、私にとっては地元小淵沢より利用頻度の高い図書館です。
「かさじぞう」の紙芝居を探しましたが、ここでもみつけられません。
こんな有名なお話の紙芝居くらいどこかにあるだろうと思って検索機械へ。
ありました、ありました。
須玉のすたま森の図書館と白州のライブラリーはくしゅう。
取り寄せるか取りにいくかしようと窓口に声をかけました。
すると窓口の司書のおねえさんがとてもいいことを教えてくれました。
「どういうところで上演するかにもよるんですが、子供たちに初めて聞かせてあげるものなら、<再話>のものを選んだほうがいいと言われてるんです。」
つまり、筆者の創作が入ったものは物語や絵本としてはおもしろいけど、その話を知らない子供たちに語り継ぐ、という意図を持って聞かせるときはなるべくオリジナルに近い<再話>形式のものをするべきだというのです。
かさじぞうに関していえば、瀬田貞二さん再話のものがオリジナルにもっとも近いという評価が多く、たとえば松谷みよ子さんの絵本は絵が黒井健さんで雰囲気があってとてもいいのですが、内容的にオリジナルとされているものと違う部分があり、語り継ぐという意図で読むには注意が必要だとのことでした。
そういえば、この間借りてきた「ももたろう」の紙芝居も、私たちが良く知っているももたろうの話とは少し違っていて、ももたろうはもともと弱虫でおじいさんから修行のために鬼退治に行ってこいとうながされ、鬼と戦って帰ってくると気持ちが強くなっていた、つまり鬼とは心の中の恐れだったんだ、というような内容でした。これを2才の子どもに初めてのももたろうとして読むには確かに抵抗がありました。
北杜市内には2種類の「かさじぞう」の紙芝居があり、おねえさんが親切に「一応両方取り寄せて見ますか?」と配慮してくれました。
ちなみにこういうイベントで読むんです、とチラシを見せると、「わー、こういうのすごくいいですね。次回こういうの企画されたら、許可取った上で図書館内に掲示できますから、早めにもってきてみてください。」と協力的な言葉をいただきました。
石にちなんだむかしばなし2話。
石イベントの中で、11時と2時にやる予定です。
ところで「採話」と「再話」の言葉づかい、上記であってるかな・・・
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