2008年4月20日
春だけどオータム
白州台ヶ原宿に昨年オープンしたコーヒーとジャズのお店。
「Autumnオータム」。
ひさしぶりに白州まで下りました。
白州・武川方面の桜は既に花の盛りを過ぎ、青々とした若葉が開いてくる頃です。
最近はこちらの方面へひとりで来る用事が少なく、お気に入りのこのお店にも少し足が遠のいていたところでした。
今日は少し時間があるし、仕事の義理もあるし、立ち寄りたいところ。
でも実はお腹の調子がよくなく、あまりコーヒーを飲む気分ではありませんでした。
全国の道百選「台ヶ原宿」、ジャズレコードがいっぱいあって、新しいくせに古びた味わいを出した内装、しばしの喧噪を忘れられる異空間です。
ここには飲物はコーヒーしかありません。
マスターが自家焙煎した豆をわざと時間のかかる煎れ方をしたこだわりの一杯。
こんな体調だけど、ここにきてコーヒーを飲まないわけには行かない。
だからちょっとひかえめに「今日、薄めにしてください」とお願いしました。
カウンターに座った客は自分で豆を挽かせてもらえます。
自宅のとはまったく挽きごこちの違う高級ミル。
そして約8分後に出てきた一杯は・・・
「甘い・・・」。
なんなのでしょう。
コーヒーのくせにえぐみも苦味も酸味もすべて甘味の中に覆われた、とてもとてもやさしい味。
まろやかで、やわらかくて、まるで穀物コーヒーを飲んでいるかのようなやさしさです。
「マスター、私今日こういうの飲みたかったんです」
心の底から言いました。
「そう?」
知ってたよ、といわんばかりのさりげない返事。
すごい、こりゃホンモノだ。
おなかも心もあったまって、具合の悪いのもどこかへ飛んで行って、
まさに至福のひとときを味わえた、
春のオータムでした。