春の句を詠む
次の句会の案内が来ました。
前回の年忘れの句会は家庭の事情により出席できず、メールでの投句でしたが、
私の句を選んでくださった方々もいて、励みになっています。
俳句を始めて、季節とそれをあらわす言葉に敏感になりました。
先日立春が過ぎ、いよいよ暦の上での春の到来です。
今度のお題は「勿忘草(わすれなぐさ)」。
第一印象からして感傷的な、淡い恋心すら感じられますね。
たぶんそういう句が多くなるんじゃないかな。
春は恋の季節、出会いの季節、別れの季節。
年配者が多い句会ですが、往年のロマンスが垣間見られるのか、楽しみです。
・・・などと余裕こいている場合ではありません。
まだ全然出来てないんですけどー。
勿忘草。
かわいらしい青い花で、宿根草で、一度根付けば毎年楽しませてくれます。
ただ、種をまいてもすぐには芽が出ないのが特徴だったような。
以前住んでいた家で植えてみましたが、植えたことをすっかり忘れていたのに
次の年の春にかわいい花が咲いたので、「これ、なんだっけ」と調べなおすしまつでした。
でもちゃんと土の中で生きていた力強さが、花の可憐さとあいまって、とても感動したのを覚えています。
さて、どんな句をつくろうか・・・。
このブログを読んでくださっていた人が、俳句をモチーフにした小説の本を貸してくれました。
『俳風三麗花』
昭和初期、ある句会に参加する人々のおりなすドラマです。
3人の若い女性にスポットをあて、それぞれの希望や哀しみ、恋心を描いています。
レトロな雰囲気がほんのりとなまめかしい、雰囲気のある内容でした。
句会の様子も詳細に描かれています。
一番いい句を「天」というのは、俳句の世界では常識だったんですね。
俳句への向かい方が示唆されるので、そのへんの実用書よりよっぽど参考になります。
小説の中で、擬似恋歌を作る、というシーンがありました。
平安時代の歌によくある、恋歌とその返し。
当時は必ずしもマジな恋心をうたったものではなく、貴族の高尚な遊びとしてお互いに歌を読みあったそうです。
擬似、とはいうものの、実際できた句を読んでみるとそれを作った人の心理が伝わって、けっこう刺激的だ、と小説にはありました。
私の誕生月でもある、来月の句会。
さてさて。