おかみブログ
2010年1月22日

森のようちえん「ピッコロ」が大賞!

娘が毎週通っている、森のようちえん「ピッコロ」の先生が
小学館『3、4、5歳児の保育』の「わたしの保育」という懸賞作文に応募し、
みごと大賞をとられました!
45回という歴史のある賞で、賞金の額をみても「こりゃすごい!」というものです。
3、4、5歳児の保育
いろんな先生が普段の保育生活の中で感じたことをつづっていて、
それぞれの先生が子どもと接するときの思いが伝わり、とても興味深い感動的な作文ばかりなのですが、
ピッコロの先生の文は大賞をとるだけあって、ぜんぜん別格です。
懸賞のタイトルは「わたしの保育」なので、他の先生は文字通り自分の保育について書いているのですが、
ピッコロの先生は子どもたちの成長記録が前面に出ているのです。
しかも「動物の死」というきわめて重いテーマ。
ある意味「動物」とか「死」とか出したら反則だろう(大賞ねらいすぎ?)という感もあるかもしれませんが、
実際その現場を直視して、子どもたちをしっかり観察した記録なので、
テーマ以上の重みと愛情を感じるのです。
今日は小学館の編集者の人2人が東京からわざわざピッコロに来られ、賞状と懸賞金が授与されました。
ピッコロ授与式
『3、4、5歳児の保育』の編集長さんのおはなし。
「ピッコロに着いたら、子どもたちが一人前に厚いつなぎを着て山から下りてきて、なんだか北欧の幼稚園みたいでかっこいいな、くらいに思っていましたが、よく見るとみんなどろんこで、よく動いて、相当イイ感じで遊んでるな、という印象を受けました。」
また、こんなお話も。
「今、特に若い保育士さんが仕事に対する夢や希望が持てなくて、子どもが好きというだけでかろうじて仕事を続けているような状態。彼らのストレスは保護者です。業務の6割は純粋な保育ではなく保護者対策。集団生活の中で子どもがケガしたとか、仲間はずれにされてるとか、そういうことを親からクレームつけられる前に防御することがあまりにも多い。そこへいくとピッコロは保護者と先生と子どものそれぞれの距離がとても近いと思います。」
確かに。
ピッコロは保護者が保育に関わる割合がとても高いです。
外での保育だからケガなどリスクは普通より数段高いし、
先生がリーダーシップをとるのではなく子どもたちにチームワーク作りは任せる保育だから、ひとりぼっちの子が出てくる可能性だって高い。
でもそういうことに親が介入し、保育士に責任を追及するようなことがまったくないのです。
もちろん最低限の保険には加入していて、ケガはある程度カバーできる体制にはなっていますが、
ちょっとくらいのキケンは覚悟で子どもを預けているというところ。
それがまったく問題なく「いいこと」なのかどうかの結論は出せませんが、全体の意識が違うことは確かです。
昨年はいろんなメディアでも取り上げられたピッコロ。
森の中での、子どもたちの自主性を見守る保育が、小さな渦から大きなうねりになっていく手ごたえを感じています。
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むうた♪えほんの部屋「森のようちえん「ピッコロ」が大賞!」