おかみブログ
2012年12月17日

空(くう)の思想

息子の誕生日にちなんで、考えてみる。
空(くう)とは、あらゆるものが、不変にして恒常的な本性を持たないということである。
もし、ものが変わらないで永続するならば、それは生ずることも、滅することもないはずである。
なぜなら、生起・存在・消滅は、いずれも変化にほかならないからである。
いいかえれば、あらゆるものは、固有の実体とか本性をもっていない、だから空である、ということになる。
ものは原因や条件しだいで生じ、原因や条件がなくなれば滅するだけのものである。
空の思想は必然的に不二(ふに)の思想に導いていく。
もしAなるものに実体がなく、Bなるものにも実体がなければ、
AとBとは、ともに実体の空なるものとして、区別されず、分かつことにできないものとなる。
すなわち、不二であることになる。
一見対立している二つのもの、たとえば煩悩とさとりは、ともに空であるから、本質的には不二である。
――――『日本人とお墓』監修・編著/小畠宏允 より

みんな違うけど、みんなおんなじ。
自分が救われれば、みんなも救われる。
今日、息子はバーバの家でたらふく食ったくせに、私の夕食のスパゲッティを見て「わぁ♪まーめん♪(ラーメン の意)」と顔を輝かせていた。
ラーメンじゃないよ、スパゲッティだよ。
でも麺類で口に入るおいしそうなもの、という意味では同じだし
そもそも自分の食事はさっきので終わったという固定観念もない。
目の前にあるものに本質的な違いはない。
空の思想を考えると、思うようにいかないことにイライラするのがバカバカしくなる。
ずっとこの思想を実践できればいいのに、と思う。