おかみブログ
2009年9月4日

謝るまでの時間

先日知り合いが子連れで遊びに来ました。
3才になったばかり、いたずらざかりの反抗期。
ダメといわれるのはうすうすわかってるけど、触ってみたい、遊んでみたい、自分のものは自分のもの、人のものも自分のもの。
このくらいの年になるとおとなしいか元気か、いろいろ性格の個性がはっきりしてくるものらしく、このおじょうちゃんは活発できかん気のほうでした。
Mooも手に負えなくてげんなりした時期が始まったのもこのくらいだったかなぁ、などと回想しておりました。
でも他人の子というのは意外と冷静に見れるもんで、Mooのときに頭ごなしに怒ってたことも、
成長の過程だったんだ、と気づかされます。
最近はMooも少し落ち着いてきたように感じていたところなので、
「あんなにガミガミ言わなければよかったな」などと反省したりすることしきり。
さて、この3才のおじょうちゃん、Mooとひとつ違うところがありました。
触ってほしくないものを触っちゃって倒したりしたときや、おしっこをもらしちゃったときなど
怒られそうになると即座に「ごめんなさい」と謝るのです。
ガチャン、「ごめんなさい」。そのすばやさ。
相当言いなれてるな、と思いました。
こんなにすぐに謝れる子もいるんだ。
よくしつけたな。
ピッコロ
Mooは4月から週1回の野外保育ピッコロに通っています。
はじめのうちは知ってるおともだちもいなくて、決まったカリキュラムもないピッコロ保育になじめず、「つまらない」としょんぼりしていたMoo。
夏休みがあけたころから、具体的な名前を出しておともだちの話をするようになり、ともだちから教えてもらった遊びを教えてくれたり、前の日からピッコロの準備をするなど、みるみる慣れてきた様子が伝わってきていたところでした。
迎えに行くと先生がその子のその日の様子を報告してくれます。
昨日のお迎えのとき。
「今日、Mooちゃんが・・・」と、先生はちょっと含みをもたせた口調で話し始めました。
丸太を電車に見立てて車掌さんごっこをしている1つ下の女の子がいて、
Mooがその子の前にどーんと座って自分が車掌きどりになったところ
その女の子が泣いてしまったとのこと。
大声でわんわん泣いて、ちょっとした騒ぎだったとか。
そういうときでもピッコロの先生は仲裁したりしません。
身の危険がない限り、様子を見守っているだけです。
そのときも「あー、泣いちゃったな」と思って見ていたそう。
不思議とピッコロの子どもたちはともだちにいやなことをされても先生にいいつけにきたりすることはなく、その女の子もひとしきり泣いて騒いでいるだけでした。
しばらくたって、そんな事件(?)もみんなが忘れて、お帰りの会も終わりにさしかかったとき。
おもむろにMooがさっき泣いていた女の子に「さっきはごめんね」と言ったそうです。
女の子もすぐに「いいよ」と言ってくれました。
先生もびっくりして、「どうして今ごめんね、って言ったの?」ときいたところ
「だって、さっきはすごくないてたから」。
つまり泣きじゃくってすごい状態だったから、声もかけられなかった、聞いてもらえそうになかったからというのです。
でもMooの中ではずっと「悪いことをした」という気持ちがあって、相手がおちついたところでちゃんと謝ることができたのでした。
相手ももう落ち着いていますから、すんなり許してもらえて、それから何もなかったようにまた一緒に遊びだしたそうです。
私もあとでMooに聞いてみました。
「今日○○ちゃんにごめんねしたんだって?どうして?」
「だって、○○ちゃんにでんしゃごっこさせてあげなかったから」
ちゃんと状況も理由も、するべきこともわかっていたのでした。
こういうシーンは急に訪れて、気をつけていないと見過ごしてしまいます。
子どもによって謝るまでの時間は違うけど、今回はちゃんと感じて理解して、納得したところで行動にうつすことを学べました。
大人は口を出したいところをちょっとがまんして見守っていれば
感動のシーンにも出会えるかもしれない。
「鳥肌がたちますよ。子どもってすごいなって。」
そう語る先生の、見守る保育術にも拍手を送りたい気持ちになりました。