おかみブログ
2006年12月22日

風林火山の舞台を探せ!

来年の大河ドラマ「風林火山」の放送を間近にひかえ、八ヶ岳周辺は湧き立ってきております。
遅ればせながら井上靖の原作を読み始めました。
1巻だけの、大河ドラマの原作にしては短かいものですが、だから忙しい年末のさなかでも読み切れそうです。
ご存じの方も多いと思いますが、このお話は武田信玄の家臣・山本勘助が主人公で、信玄の側室由布姫の子勝頼を武田家の跡取りに仕立て上げる話。由布姫は諏訪出身で、勝頼は韮崎の新府に城を築くということで、いわゆるこのへん、八ヶ岳近辺が舞台の中心なのです。
物語中盤でこんな記述が出てきます。
ちょっと長いですが、八ヶ岳に詳しい方は読んでみてください。
半日近く釜無川の流れに沿って進んだが、一度、韮崎付近の広いかわらの一端で休息したことがあった。(中略)
「ここが甲斐の国中でも、一番眺めの美しいしかも要害の地でございます。稚児さまが将来お城をお造りになる時は、ここを選ぶのがよろしゅうございましょう。あの丘の上でございます。」
勘助の指さしたところは、見晴るかす平原の中に、島のように一つ取り残されている俗に七里岩と呼ばれている丘陵であった。
「釜無川と塩川の二つの流れが、遠くからあの丘を包んでおります。そして、あの向こうはめったに人の入ったことのない薬師、観音、地蔵の険しい山々が迫っております。一方は山、三方は平原でございます。あの丘の上に立てば、この広い平原はどこでも手に取るように見渡せます。(中略)あの丘は四方切り立ったように削がれ、容易によじ登ることはできませぬ」

確かに、七里岩は面白い丘です。
周りが山梨きっての水田地帯でまっ平らな平原なのに、ここだけボコンとそそりたっているのです。幅はせいぜい1km程度でしょうが、長さは信州蔦木から韮崎までの28kmに及び、高さは平均して200mくらいでしょうか。
オーストラリアのウルルみたいな形、といえば他地域の人にはイメージつきやすいかな。
さて、問題は小説の記述がどこから見た七里岩を描いているのか、です。
甲府から諏訪へ行く途中に通っている道といえば甲州街道(今の国道20号)。釜無川沿いに来た、と言ってるし。韮崎で七里岩を見上げる平原、といえばやはり円野のあたりかな。ただ、「あの向こう」と鳳凰三山を指して言ってますが、円野から見てるとすれば鳳凰三山は「七里岩の向こう」ではないと思うのですが・・・。明野のほうからだと七里岩の向こう(後ろ)に鳳凰三山がありますが。
それとも七里岩が島のように見える、というのはもっと遠くから見ているんでしょうか。たとえば今の航空高校あたりとか。
・・・わかりそうで、確信が持てないのが悔しいので、たぶんこのへんからみてるんだろうーなー、という地点の写真をこれから探しに行きたいと思います。
八ヶ岳に詳しい方、ご意見、ご推測、画像などお寄せください。
↓とりあえず新府付近、桃畑から見たたそがれの南アルプス
新府