おかみブログ
2006年11月22日

ヘッドライトが消えた夜

最近八ヶ岳南麓は4時半くらいに日が沈みます。
いくら日照時間が一番長い地域とはいっても、高い山々に囲まれたところ。
私の郷里の明石(兵庫)のように水平線に沈むのとは違って、日の入りは早いのです。
保育園のお迎え帰り、夕飯までまだ時間があるからと、少し遠くのお店まで車で買い物に出かけました。
5時。あたりはたそがれ時を過ぎ、すでに闇が下りてこようとしている。
あたりが何かおかしい。
どうも前が見えにくい、私の目がどうかしたのだろうか・・・。
と、しばらく走行していましたが、しばらくして「ヘッドライトがついていない」ことにやっと気づきました。
(車装備については全く無頓着。そんなヤツです)
どうやら左の車幅灯しかついていないらしい。
停車してみて目で確認。確かに。(見なきゃわからないのか)
これでは安全に関わるので、すぐに通りがかりのスタンドに駆け込みました。
若いお兄ちゃんでしたが、私からは神様のように頼もしくみえます。
フロントカバーを開け、ライトを空中にかざしてなにやら振ってみたり(切れているかどうかのチェック)、ハンドルの下部のふたをとってペンチで小さな金物を抜き差ししてみたり(ヒューズがとんでいるかのチェック)。
寒い中15分ほど見てくれましたが、どうも原因がわからない。
電球も切れてないしヒューズも飛んでない。
「よくわかりません。車屋さんに行って下さい」と申し訳なさそうに言うお兄さん。
・・・しかし。
あたりはとっぷりと暮れて真っ暗。
今宵は月もない、ざわざわと少し強い風が最後の落ち葉を舞い上がらせ、星の光だけが暗黒の夜空に瞬く。
こんな中ライトのつかない車でどうやって帰ればいいのだ!!
しかたなくハザードランプをちかちかさせながら時速20kmでのろのろ進む。車一台通らないので別に迷惑じゃないからいいか。
そこへ目の前を得体の知れないモノが横切る。
目をぎらりとこちらへ向けて足早に走り去る。・・・なんだタヌキか。
帰り道の約20分。
チカチカしたハザードを見ながら暗闇を進んでいると、めまいが。
危うくガードレールからはみ出して下のガケへ落ちそうになりながらなんとか外灯のある通りまでたどり着いた。
「ふう」疲れた目を押さえてしばし休憩。
その時横で甲高い声が。
「MOOちゃんうんてんするー」
これでやっと怪奇のナゾがとけました。
車に乗せるとき、だっこしていったん運転席に一緒に座り、その後助手席に設置した(ほんとは後ろにしなきゃいけないんだけど)チャイルドシートに子供をはめ込むことがあります。
反抗期にさしかかった2歳近くの娘は体中で嫌がって、えび反りして着席を拒みます。
そのかわり得意になって自分が運転のマネをしようとする。
「いきますよー」と覚えたての日本語をあやつり、停まっている車のハンドルをグキグキ、ライトレバー(右)やワイパーレバー(左)をまわしたり倒したりガチャガチャ・・・。
次の日いつもの整備店に行ってきました。
原因は案の定、ライトのスイッチ(運転席のレバー)の故障だそうです;;
やれやれ。
「あなたのせいなの」とほっぺたをつまむと、ケタケタと笑い声を返してきました。