2007年6月12日
三分一湧水に思う
取材も兼ねて長坂の名所・三分一湧水(さんぶいちゆうすい)を歩く。
小淵沢の大滝湧水、女取湧水などと並び、八ヶ岳南麓を代表する湧水のひとつ。
下流の3つの村に均等に分けるため水源に三角の石を置いたことは有名。
日中の気温が高くなるこれからの季節は、ひんやりした水路沿いのお散歩もお勧め。
先日のNHKスペシャルで中国の水問題をとりあげていた。
オリンピックに向けて都市化が急ピッチで進む北京では、公園に美しい噴水が設置されたり、資産家の家の庭ではたっぷり水をまかれた芝生が青々と茂っているのに対して、農村では給水制限されて農業用の水すらない状態だとか。
芝生にやる水は出しっぱなしにするほどあるのに、作物を作る水はない。
基礎石が無くて瓦屋根ばっかり重厚で立派な家みたいに、アンバランスな事態。
でも多かれ少なかれどこの世界でもあることかも。
都市の生活は農村からの搾取によって成り立っている。
すぐ近くにスーパー・コンビニがあって、病院があって、水はひねればじゃんじゃん出て。
でも結局供給してるのはずっと遠くから。
病気になりやすい人が多いから病院がたくさん要る。
そんなことを気にしないでただ毎日を過ごしていた自分がかつてあったとは、今考えるとオソロシイ・・・。
湧水の管理と村落間の和平を代々の使命としてきた、三分一湧水の水元・坂本家。
私利私欲より公共の利益、みんなでなかよく使おうね、という理想で存在し、伝説となった家系。
中国よりよっぽど共産主義的かも
雪が少ない八ヶ岳とはいえ、ここ数年の積雪の少なさは異常で、夏の水不足にも影響する。
ふもとの人も山の人も、水は大切に使いましょう。