幻の名馬、甲斐駒
太鼓で、新しい曲が配られました。
和太鼓会「小淵沢淵の音太鼓」は甲府市指定無形文化財保持者の天野宣氏の作曲の作品を演奏しています。
今までに組曲3曲とお囃子曲3曲を小淵沢用に書き下ろしてもらっていますが、今日、新たに組曲の4曲目が仕上がって、メンバーに披露されたのです。
小淵沢は馬の町。
組曲も戦国時代の馬をイメージして作られたものです。
第一楽章は「淵駒(ふちこま)」。小淵沢の高原を雄雄しく、時に神々しく駆ける姿を表現しています。篠笛のゆったりとしたソロが入る部分では聖なる南麓の大地を悠々と進む姿が描き出され、今の時期ならまさに甲斐駒ケ岳のバックを照らす夕日を思い起こさせます。
第二楽章は「神籲(しんらい=神の声の意」。いくつもの太鼓がらせんのように重なったり行き交ったりする様子が神のさまざまな心を伝えているようです。
第三楽章は「蹶然(けつぜん)」。勢いよくたちあがる馬をイメージ。ちょっとおどけたところも感じられる、人と馬がよりそってじゃれてる様子でしょうか・・・。この曲は私もまだちゃんと演奏したことがなく、未知の世界です。
そして第四楽章。
タイトルは「駿馬-爪響の快(しゅんめ・そうきょうのかい)」。
名馬で名高い「甲斐駒」。残念ながら今は純血種は絶滅しているらしく、幻の馬です。
日本の馬は全般的に小柄で足が太く強いのが特徴。
甲斐駒もそのような馬だったそうです。
西洋の貴族が乗るサラブレッドや、西部劇に出てくる馬とは違い、説明を聞いた私の印象としては
「柔道選手」といったところでしょうか。
20〜30kgもある甲冑を着た武将がまたがるのですから、とても力持ちだったといえます。
また、背が低いので武将も万が一馬から落ちてもたいした衝撃にはならないということで、
戦国時代は特に重宝されたそうです。
実際に戦国時代、小淵沢のあたりが馬の産地だったという話はあまり聞きませんが、
現代の馬の町に幻の名馬が甦るような、組曲のつくりになっています。
第四楽章はその結び。
全体的にとても早いテンポです。
一人が2種類以上の音の違う太鼓を担当し、音の高低とリズムのよさが特徴です。
そして曲の大部分を占めるのが4本の篠笛のユニゾン。
ここもテンポのよい、お囃子のような曲調です。
ここ1〜2年、笛も担当させていただいている私としては、笛が命のようなこの曲の魅力にすっかりとりつかれてしまいました。
今日は曲の全体的な説明と、各パートの配役決めそして、先生が実際に笛を演奏してくださり、みんなで口ずさんでみました。
いつ発表できるかわかりませんが、これから一生懸命練習していきます。