おかみブログ
2006年7月21日

石のある暮らし

ブログを書き始めて4ヶ月たちました。
初めは夫が代表でやっている石屋(工房名は「石あるく」)を宣伝したくて始めたものですが、書くのが妻の私一人ということで、どんどん個人的な趣味趣向に走ってきてます。
ただなんとなく一つの柱のようなものが実はあって、仰々しく言うと「次へ伝える」ということなんじゃないかと思ってます。
「石」をひとつの素材としてみた場合、「硬い」「恒久性がある」「意外とあちこちに使える優れもの」などということが言えるので、わが「石あるく」もそんな魅力を引き出したいと思っています。
工房の趣旨は「石を生活の中に取り入れる」。つまり石の魅力をすぐ身近に感じてもらいたいということです。
その最たるものが「お墓」です。
洗面所だの、台所周りだの、看板だのというモードから一気に違う世界に行ってしまうほど一言では語れないシロモノのようですが、私たちから見ればお墓ほど身近に置いてほしいものはないと思っています。
もちろんお墓仕事が石屋としては一番の稼ぎ頭だということは事実ですが、このお墓を作るという仕事に石工が携われることに誇りを持っています。
それはただ単に品物を納めるという仕事ではなく、もっとソフトの部分が絡んでくるからです。
以前は私も実家の石屋の仕事を手伝っていた時期があり、たくさんのお施主さまと出会いました。
「お墓を建てよう」という方はたいてい気持ちにも余裕があり、とても穏やかです。
おばあちゃんから孫まで3世代そろってお墓プランに目を輝かせている家族。中学生の娘さんを病気でなくし、1年泣き暮らした後ようやくお墓を建てる気持ちの整理がついたというお母さん、夫婦で長年つれそった気持ちを書にあらわしたものを墓石に彫って欲しいというおばあさん。
その家族、夫婦の思いが込められたお墓はきっと次の世代に伝わっていくことだろうと思います。
今は「お墓無用論」がひとつのはやりのように横行しています。
それを否定するのも無意味なことですが、やはり何か形があったほうが次につながりやすいということは言えると思います。
次というのは子どもである場合が多いでしょうが、友人でも同志でもいい。
石屋は「石でお墓を建てたい」という人のために仕事をします。
そしてそれはどんなに社会が変化しようと、そんなにあぶれるものでもないと信じます。
「次へ伝える」ということを私自身がそれほどできるとは思いません。
まだ伝えられるものがほとんどないのですから。
でも「何かを受けて何かを伝える」ということを実践している人や事柄を見つけることはできると思います。
今の興味は「八ヶ岳での暮らし」「自然素材」「育児・食育」なので、このあたりをテーマにこれからもネタ集めに奔走します。
ということで、ひきつづきどうぞよろしくお願いします。
墓石丸型

お田植え