自宅で十割そば道楽
大泉の元・カフェ風音さんがお店を休業して1年になります。
休業したのはこちらにひきとったご両親の介護のため。
あんなに流行っていたお店をスッパリたたんだと思ったら、最近ご主人が画期的なサービスを始めたというので取材に行ってきました。
十割そば麺の出前。
地元八ケ岳産のそばの実を石臼で丁寧に挽いたものをご主人が配達の直前に打ちます。希望があれば配達先でその実演もしてくれます。
注文は2日前まで。ここさえクリアすれば気兼ねのない自宅でゆっくり、おいしいそばが安く食べられます。
八ケ岳にそば屋が多いのは以前このブログでも書いたとおりですが、それらのお店の共通点は量が少なく高いこと。
せっかく来て、この量??というくらい満腹感に欠けるのが、とにかくいつも残念なのです。
自宅なら、そばだけでなく、自分でてんぷらを揚げたり、たきこみご飯を炊いたり、いろんなおばんざいを用意したりしても、そんなにかからない。
まさに画期的な隙間ビジネスといえるのではないでしょうか。
次のような利用に向いています。
1.ホームパーティの話題メニューとして
2.お年寄りや小さな子供をかかえて、なかなか外食できない人に
3.部屋でくつろぎながら、こだわりそばで一杯やりたい人に
今日のウチの夕食の場合は上記全部あてはまります。
そば打ちをする人なら常識なのでしょうが、そば打ちはとてもデリケートな作業。
パンづくりはぐいぐい押してこねてこねてたたきつけて、というのが独断的な私のイメージですが、そば打ちはやさしくやさしく包み込むように混ぜてまとめてのばして切って、と一連の作業を進めていきます。
こういう作業を目の当たりにすると、そばに対する打ち師の「アガペ」にも似た感情が伝わり、こちらにも食する時間そのものを大切にしたいという気持ちが湧いてくるのです。
茹でるのは自分自身。これを面倒がってはいけません。
というより、前述のそば打ち作業を見ていれば、こだわりのそば作りにワンステップ関わることが何か崇高な理想を一緒に追っているようで、おいしさが倍増する気になるから不思議なのです。
その日の湿度や温度を考えながら手早くしかし根気良く混ぜる。
力で練らずに少しずつ包むようにまとめながら空気を抜いていったそば玉
決して力をいれず巻く時のわずかな圧力でのばしていく。
少し太めに切るのが風音流。香りが逃げにくいとのこと。私の好みでもある。
そして茹で上がった麺。
グラグラ沸騰したたっぷりのお湯に1食分ずつ入れ、箸で2〜3回ほぐしたあと浮いてきたやつをすばやくザルですくいとる。所要時間1分たらず。箸でぐりぐりかきまぜたお父さんは切れ切れの麺になってしまいました。
食べ方は自由ですが、風音さんのおすすめはまずそのままで。
それから天塩などを少量振りかけたり。
たれにつけるのはその後、それもどっぷりつけるのではなく先っぽをちょろっと。
「これで旨い酒でもあれば、もう最高ですよ」という言葉に一番反応し、なじみの酒屋(久保酒店)へ直行。
「かくかくしかじかなので、旨い酒ください」と言ったら出してくれたのが横笛のひやおろしでした。
親も子も大満足!
手打ちそば「善三(ぜんさん)」
●手打ち十割そば1食分 700円
つけ汁、茹で方プリント付
●出張先そばうち実演 所要時間約30分 2500円
※ただし出前は北杜市内のみ、注文は2日前まで、5食以上。
TEL:0551-38-1230(カフェ風音)
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