おかみブログ
2006年6月29日

舐めても大丈夫な床

鹿にも塗ってあげた油とは、荏胡麻などからとった100%植物成分の木材内装用塗料です。
いろいろ商品は出ているのでしょうが、ウチの大工さんはこの『匠の塗油』というものを勧めてくれました。
色は透明なものと茶色(久米蔵色というらしい)の2種類。
ウチは床は主に杉材、柱・階段・浴室の壁にヒノキを使っており、茶色は杉材の部分に使うといいようです。
透明の存在を知らず、階段は茶色で塗ってしまいましたので、せっかくのヒノキの白い木目が赤っぽくなってしまいましたが、何ヶ月かたった今はけっこう慣れてきました。
さて、これを塗るのがかなりの仕事量でした。
なかなか乾かない上にのびが悪い、ということでムラになりやすい。
まず平らなスポンジで一なでしたあと、すぐに日本手ぬぐいのように表面が硬くて平らな布でのばしながら拭きあげる。
ある程度までやったら今度は別の日本手ぬぐいでからぶき。こうすることで余分な油分が吸い上げられ、より均一な仕上がりになる・・・・。
8帖の部屋を塗り上げるのに約2時間。さらに乾かすのに丸1日。
その間は進入厳禁です。
ところがそんな禁止区域もおかまいなしにすたすたと入って行く奴がいる。
しかもそのころはまだ4つ足。そう、愛娘です。
乾かないうちに布で触るとその布に赤い油分がつきます。
かわいいベビー服もだいなしです。
いっそのこと手足に雑巾をまきつけて、拭きあげを手伝ってもらおうと思ったくらいでした。
そういうことで、手にも足にも油がつく、当然それをしゃぶる。
しゃぶってはにこにこ、てんぷらの味でもするのでしょうか。
(赤ちゃんにてんぷら、はそれはそれでいかがなものかというかんじですが)
天然素材の塗油は完全に乾くまでは何ヶ月もかかり、その間は油のけっこうきついにおいがします。
化学物質過敏症の人は無害だとはいえ、この匂いに耐えられないそう。
確かにあまりいい匂いとはいえません。
ですが、住んでいるうちに換気を重ね、乾いていけばあとに残るのは木本来の香りです。
と同時に色もなじみ、家具配置も落ち着き、ものが散らかり…
だんだん自分のすみからしくなっていくのです。
今日も寝相のよい娘は完全にお昼寝ふとんから転がり出て、床に直接うつ伏せになって寝ています。
床転がり