鳥居がよみがえった!
富士見町神戸(ごうど)区の御射山神社(みさやまじんじゃ)には、中世にその端を発する古いお祭りがあります。
御射山祭。
諏訪大社上社の摂社(直轄の神社)である御射山神社に上社からご神体が出張してくるというもの。
8月26日、27日にかけて1泊します。
数え年で2才になる子どもがご神体の神輿の下をくぐる厄除け行事があります。
また、どじょうを川に放流してその子の健やかな成長を願う行事も有名。
その御射山神社の石の鳥居の改修工事をしました。
昭和3年、天皇即位の記念に建てられた鳥居ですが、80年あまり経過して部材も数箇所折れるなど傷みが目立ち始めました。
神戸区の役員さんたちが地元でのウチの仕事ぶりを評価してくれて、工事を依頼。
新しいのを建てなきゃいけないかと思われたそうですが、見れば茨城県稲田の白御影(いなばのしろうさぎじゃないですよぅ)で作った、当時の職人の匠の技がしのばれる作品。
改修を引き受けました。(予算の関係もあるということだったので)
鳥居ビフォー。
改修工事中。
足場をつくり、クレーンと手作業でていねいに解体し、新しい部材を入れる穴を加工。
沓石は基礎部分から掘りはがす。
強固な基礎を設置。
改修が完成した鳥居です。
大きい!御射山神社の入り口にあたる小高い丘に立っています。
鳥居から南アルプス方向を望んだ景色。
山に挟まれた低地を走る甲州街道と田園を見下ろします。
この鳥居は御射山神社と地元の八幡神社を結ぶ線上にあり、方向も八幡神社のほうを向いています。
改修にあたっても同じ位置に建てなおしました。
鳥居の後に続く山道。
30年ほど前大手メーカーのエプソンが諏訪に工場を設置してから、「すずらんの里」駅ができ、舗装道路が開通し、地域のインフラも整ってきましたが、
かつてはこの鳥居の後にある山道が神社の参道でした。
ご神体は上諏訪の上社から一日がかりで人力で運んでこられ、この鳥居をくぐって参道を抜け、神社までたどりついたのです。
そしてこちらが御射山神社境内。
いまではすぐそばに諏訪南インターができ、数軒の精密関連工場が建ち、周辺はかつてのような山の中のような姿はないといいます。
でも松林に守られた鎮守の杜は静寂と威厳に包まれていました。
8月の御射山祭り(地元では地名から原山祭りなどともいうそうです)ではここで神事が行われ、出店も出て、参拝者でにぎわうそうです。
今年の8月、Kuhはまだ満8ヶ月ですが、数えでは2才。
ぜひどじょう流しに参加してみたいものです。
Tazも満2才だけど、どさくさにまぎれて参加できるかな。
今年は神戸集落ができて400年だとか。
歴史の節目の年に、神様にささげるものの仕事にかかわれて、ありがたいことです。