おかみブログ

2012年3月18日

こういうの、仏縁っていうんですかね

地域のお寺さんめぐりを始めてます。
石屋としてお寺さんとのおつきあいは必須だけど
そればかりではありません。
地域の歴史や風土を知るにはお寺の存在は欠かせないからです。
それに檀家離れ、宗教離れといわれている一方で、心の救いを求めている人は増えてる。
社寺仏閣に美的感動を味わえる人も、写経や座禅で不安から逃れられる人も、今の時代だからこそ多いのです。
そんなニーズに情報発信していけたら・・・
・・・と、エラそうな理由付けですが、本音は自分がお話を聞きたいのが一番。
なんたって、取材という名目で、タダで法話が聞ける。
役得ですね。
今日は小淵沢円通寺の住職さんを訪ねました。
大月のお寺を兼務、さらに東京で仏教系の本の出版社も経営されています。
今までももちろん大おかみが、お施主さんの供養の際にお会いしたり、季節のご挨拶はしていましたが、
私はきちんとお話するのは初めて。
お忙しいから今日はちょっとご挨拶だけと思っていましたが、
中に上げてくれ本堂に案内してくれ、お茶まで出してくれながら、約2時間もお話を聞かせてくださいました。
「寺っていうのはもっとも弱い人に寄り添わなければ、存在意味がない」
「自分で幸せの上塗りを続けることが、相手といい関係を築くコツ」
「気取った言葉では人を感動させることはできない」
江戸っ子のようなキップのいい話しぶりの中、いくつも宝石のような言葉を落としてってくれました。
そろそろおいとましようかと腰を浮かせたころ
「この本持っていきなさい」と出してくれたのが
『みんなに読んでほしい 本当の話 〜おしょうさんも救われた25の生き方』
本当の話
「あれっ!私この本持ってます!」
イラストを描いた長谷川葉月さんとは独身時代の友人。
葉月ちゃんから紹介されて彼女経由で購入してあったのでした。
この本は阿部住職さんの経営する出版社興山舎から出ていて、葉月ちゃんはその会社で編集や挿絵の仕事をしているとのこと。
びっくりです!
住職さんがその場で葉月ちゃんの携帯に電話してくれ、「珍しい人と代わるよ」と私につないでくれました。
「久しぶり!こんなところでまた話ができるとは!」
20代の頃の調子に戻ってひとしきりキャアキャア話していると、
「こういうの、仏縁って言うんですかね」と横で夫がつぶやきました。
本ではいろんな人(25人)の苦悩とそれを乗り越えたり救われたりした実体験が書かれています。
ふりがなはありませんが、大きめの字で比較的平易な言葉づかいで書かれているので、小学校中学年以上なら読めるでしょう。
絵本のようなファンタジックな長谷川葉月さんのイラストもいやされます。
人生にちょっとつまづいたとき、なんとなくわさわさすごしているとき、人生の節目にきたとき
手にとってみたい本です。
本の購入はコチラから→「むうた・えほんの部屋」

2012年3月16日

今日はいろんなお店に行きました

あっちこっち行きました。
まず富士見高原で中古住宅改修の打ち合わせ。
次に大泉駅近くの墓地で、新規のお客さまと現場下見。
1時間くらいいろいろお話。
そうすると下からどんどん冷えてくる。
あの標高の高いところでやっぱり普段いるところよりは気温低かった。
手足が冷たくなってきたので、墓地のすぐ近くにある野草茶のお店「かりん」さんにちょっとのつもりで入ったら
「入って入って」と奥さんが野草茶とおしるこをだしてくれました。
約束の時間に遅れそうになりながら、いったん石屋へもどり、Kuhを置いて富士見へ。
今日のメイン、2件の取材です。
もろずみ鉄木堂さん。
一級建築士でもあるもろずみさんは、空間も哲学も食べ物も音楽も、いろんなことに精通していて
それが全部「建築的視点」だからおもしろい。
ころころ通信の「その道のプロ」コーナーの取材を快く受けてくださいました。
今回の取材内容は「建築的視点からみたお墓」。
先日お邪魔したときに話題に出た、イタリアの建築家・カルロ・スカルパの作品「ブリオン・ヴェガの墓」の話を詳しく聞こうと思ったら
お寺の建築や庭の話から始まった。
「庭」・・・人の集まる場所。
イタリアでは教会、日本でも寺が、建物もすべてひっくるめて、その空間が無駄なく必要十分に設計されていることが多い。
さらに話は「実存主義」の概念へ発展。
もろずみさんは「実存主義」のもとに空間設計する建築家やアーティストをこよなく尊敬している。
実存主義って何??
哲学だから一言ではいえないんだけど、もろずみさんの説明から私が感覚的につかんだ解釈としては、
「そこにあるもの」は無限の広がりを持つ、ということ。「空即是色」ってやつだ。
・・・てことは。
私の取材はいつも行き当たりばったりというか、この人面白そう♪話聞きたい!というところからスタートして
話を聞き終わった後、ストーリーを膨らませる、という仕事のしかたをしてる。
編集としては無能だけど、そんな方法で得た知識や感情、対人関係のふくらみは計り知れない。
これって実存主義ってことじゃない??
おっとっと、話がそれそうになりながらも、最後はくるしまぎれに
「建築のプロであるもろずみさんが考えるお墓って何ですか?」という質問にこぎつけた。
なんか型にはめてそうで、反実存主義っぽくてイヤだったけど、
それになんともろずみさんは絶妙な回答をくれた。
結果は通信で!
もろずみさんの話はおもしろすぎて、やっぱり次のアポに遅れてしまった。
次は同じく富士見駅前商店街の一角「みやこし」さん。
もろずみさんが本をたくさん貸してくれて、重そうにしながら次の場所へ移動する私に気を使って、
みやこしさんまで送ってくれた。
ほぼハス向かいなのだ。
みやこしスタッフのカオルさん、遅れたことに苦笑しながら「それじゃあしかたありませんね」。
さて、あらためて、みやこし・よろずやproject。
ここは空間設計建築事務所の「groundline(グランドライン)」がプロデュースしている。
若い建築家の彼らのセンスを、同じく建築的視点のもろずみさんは大いに買っている。
ショップは普段主に設計士2人の奥さんたちが管理している。
セルフカフェ、というめずらしいスタイルをとっていて、
自分で好きなお茶やコーヒーを入れて飲める。2杯で300円。
「自分の家にいるようにくつろいでもらいたい」とのこと。
適度に弾力のあるソファ、やさしい自然光、大正時代の小学校を思わせる椅子と机。
お茶しながらBGMに耳をかたむけるもよし、誰かと話をするのもよし、読書や手紙を書くのもよし、ちょっと居眠りもいいかな??
とにかく落ち着ける、まったりできるところ。
自然食品も販売。品揃え豊富。
何に使うおうか想像力と独創力もかきたてられるアンティーク。
時間もスローに流れる、ロハスなお店。
そして最後はテーブルランドさんでコーヒー豆を買いに。
春の新ブレンド「春うらら」が発売になったとツイッターでチェック済み。
少し酸味の効いたこくのある豆だそうだ。
あ、そういえばみやこしさんでテーブルランド製「みやこしオリジナルブレンド」豆のコーヒーがいただける。
アンティークなコーヒーミルで自分で挽いてドリップする。
富士見町同士、いいコラボしてて、すばらしい。
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さあ!書くぞー。

2012年3月14日

第1394回「ホワイトデーのお返ししましたか?」

バレンタインに同級生に手作りの友チョコを配った1年生のMoo。
男の子も数人入っていました。
本命1人、とかじゃないけど、それでも同級生の男子全員に渡すでもなく、
微妙に数人選んだところが、おもしろいです。
学校には持っていっちゃいけないと思ったので、バレンタインの日は二人で配りにいきました。
その前日に家でチョコ作りをしました。
そうやって先月まいた種が今日はいっせいに花開きました。
男の子たちが義理がたくお返しをくれたのです。
もちろんこれも親御さんが車で一緒についてきてくれました。
小さなpp袋やペーパーバッグに入ったかわいいチョコやクッキー、マシュマロ。
中には手作りのものもあったりして、やっぱりその男の子とお母さんが前日作ってくれたそうです。
親が付き添って動くけど、肝心な渡すシーンでは子供同士ががんばります。
「バレンタイン、ありがとう」「(お返し)ありがとう」とまるでセリフを言うような調子で
照れながら受け渡ししていて、
その後ろで親がニヤニヤしながら見てる、という、なんともほほえましい(?)光景でした。
親子のつながりのほうが強いけど、友達や異性との世界もひろがっていく年齢。
まだまだそのあたりは親が介入できて、楽しいです。
我が家は娘2人に息子1人。
1才の息子には今から「たくさんチョコもらってきてねー、お母さんとおねえちゃんがぜーんぶ食べてあげるからねー」とけしかけてますが
そうなるとお返しも大変だな。
ほどほどにモテてくれるとありがたいです。

2012年3月5日

富士見らぶ♪

最近富士見づいてます。
というか、意図的に歩いて回っています。
一番のお気に入りは「マリコよん」。
この世界はすごい。
あさイチで紹介されて以来、そのインパクトのすごさには圧倒されていたけど、
気がついたらマスコット買ってました。
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このマスコットをさっそく車のキーにつけて、さりげなく運転してたつもりでしたが
3才の娘が目ざとくチェック!
「あ、マリコよん!」
だめー!これはおかあさんの! 
「マリコさん、じゃないんだよ、マリコよん、だよ」
しかたがないから娘二人の分も買うハメになりそうです。
マリコさんの詳細についてはHPやツイッターで。
とにかく富士見の町おこし役として大活躍の今日この頃。
スワいちでは実物の美脚マリコさんがあちこちに出没して、イベントを大いに盛り上げていたとか。
会えなくて残念!
ゴージャズゆるゆるマリコよんとは打って変わって、「もろずみ鉄木堂」。
築90年近い木造店舗の中にところせましと並べられた、和家具、南部鉄器、こだわり道具、大胆な書。
それだけでももう私にとっては宝島のようなのに、ここのご主人のお話が熱い!
一級建築士でもあるもろずみさんは「建築」をベースに、文化、芸術、歴史、地域、と多方面に知識豊富。
歴史の話をしてくれる男性に弱い私は、富士見高原療養所(現富士見高原病院)や油屋旅館など富士見にゆかりのある要人文化人の話をくいつくように聞かせていただきました。
ここ数年で北杜市の店や観光名所にはずいぶん詳しくなったけど、
富士見はまだまだ手付かず。
住所見れば「あ、あのへん」、何々が食べたいと思えば「あそこのお店」と、瞬時に道路と周辺地形が思い浮かべられるほどに、これから走ってみます。

2012年2月26日

スワいち!2012

今年もスワいちに行ってきました。
スワいちというのは諏訪エリアのおもしろいものやおいしいものが集結した町ぐるみのイベント。
駅前商店街や直売所などあちこちの店や会場でおもしろいものを売ってる、ショッピングストリートイベントなのです。
去年は七賢の蔵開きと重なって、しかも出発する時間も遅かったので、ちょっとしか回れなかったのを教訓に、
今年はなるべく早めに出て、一箇所をゆっくりまわろう、と計画しました。
この時期にやるのが、そもそもいいです。
寒い冬のはまだまだ遠のいてはいないものの、日も少し長くなって少し雪解けや芽吹きが感じられる時期。
春の息吹は諏訪から。
「いとをかし」というキャッチコピーもよい。
「おもしろい」と「お菓子」をかけてるんですね。
スウィーツをメインテーマにすれば、いろんなことに発展するし、何より幅広い年齢層の女性客を軸にカップル、ファミリーまで取り込める。
私たちは今年、富士見エリアにしぼって回りました。
珈琲店テーブルランド
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諏訪のキャンペーンガール「マリコ」さんをイメージした珈琲豆。
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「マリコ」さんとは頭だけ巨大な人形で、首から下はナイスバディと美脚を持つ、ゴージャスなもの大好きなゆるキャラ。
ご当地キャラの代表格に滋賀県の「ひこにゃん」があるけど、ああいうふうにオサムライ風でもないから、富士見とどう関係があるのか、と疑問に思うけど、妙に存在感があって、絶対忘れない。
そのマリコさんもオープニングイベントのあとはどうやらスワいち会場のあちこちに出没するらしいです。
タイミングが合わず、とうとう私たちは会えませんでしたが、そのかわりにマリコブレンドの珈琲豆を買いました。
珈琲ランドもうひとつの楽しみは、映画「かもめ食堂」にも出てきた「コピルアック」。
小林聡美が珈琲をおいしくするために前オーナーから教えてもらった呪文。
ジャコウネコのおなかを通って消化されずに出てきた珈琲豆のことなんだそうです。
それがめちゃめちゃおいしくて、しかも幻のように高価なんだそうです。
なぞがとけた!
今年のスワいちではマンデリンとコピルアックの飲み比べを1000円でいただくことができました。
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うーん。おいしいけど、マンデリンやトラジャが引けをとるかといったら、とらないと思う。
マスターの煎れ方が上手なのもあってか、とてもまろやかな味でした。
生き物のおなかで発酵してたわりには、とてもあっさりとして整った味です。
ところがシナモンロール(こちらもテーブルランド製。かもめ食堂っぽく)をかじった後では、激変。
酸味が感じられ、むしろ最初酸味を感じたマンデリンのほうがまろやかに感じられました。
不思議〜。
夫は、「甘いものとあわせるならマンデリンで十分」と毒舌を吐いていました。
次の行き先はMARUSEN(名取木工内)。
かわいい木のおままごとセットや、
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お菓子にちなんだ古本が手作りケーキボックスにパッケージされていたり(すばらしいアイディア!)
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ナチュラル染めの日本手ぬぐいが売ってたりしました。
文房具屋さんイチジュウでは
富士見高校養蜂部の生徒さんたちが、かわいい蜂になりきって、みつろうクリームの作り方ワークショップをやってました。
かわいい!高校生だから、なんの問題もなく、自然にかわいい!
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養蜂部、というユニークな部活があるなんて、地元富士見の公立高校、がんばってる。
空間提案ショップみやこし
骨董品と自然食品を販売。
店舗設計から彼らが行ってって
「古いものを古いままに、ではなく新しい感覚で現代によみがえらせる」をコンセプトに
建築してるのだそうです。
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もろずみ鉄木堂
書家でもある両角オーナーが展開する、こだわりの道具と和家具を販売する金物屋さん。
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あとはふだんからお気に入りの井筒屋とキャトルセゾンへ。
井筒屋さんではめいぶつ「いちご大福」
キャトルセゾンではふわふわしっとり「シフォンケーキ」をゲット。
あいにくの小雨で、ひんやりする日でしたが、
こころとおなかはあったかな一日でした。

2012年2月23日

それぞれの本との出会い

えほんブログ、更新しました。
こちらは石屋のおかみブログにわをかけてのんびり更新してます。
Mooは小学校にはいって毎日2冊以上(強制的に)図書室から借りてきて、ほぼ毎日読破してるし、
Tazは言葉の発達がここ半年で急激に進歩して、物語をかいつまんで説明することまでできるようになり
Kuhは絵本のなかに日常と非日常の両方のおもしろさを見出せるようになりました。
これも、本をたくさん面出しできる絵本ラックのおかげかも。
えほんラック
大泉のTane Mahuta(タネマフタ)寺西さん製。
すぐ目に付いて手に取れるところにあるというのはありがたいことです。
Moo編→http://blog.livedoor.jp/mootaehon/archives/53695168.html
Taz編→http://blog.livedoor.jp/mootaehon/archives/53695286.html

2012年2月13日

もうひとつの北の杜

杜の都、仙台。
石屋団体・全優石の総会に夫が出席するのに便乗して、家族(Kuhは預けて娘2人連れ)で行ってきました。
毎年全国もちまわりで、石産地近くで総会が開かれますが、今年はあえて仙台となりました。
仙台は10年ほど前にも総会が行われたところですが、今回は人が集まることの経済効果を狙ったものとみえます。
私は仙台は3回目。
不思議なご縁だなぁ、と二つ返事で同行を決めました。
「杜の都」という呼称が北杜市も髣髴とさせるので、親近感を覚えています。
規模や町並みが神戸に似ていて、どこか懐かしい、それでいて都会的な心地よい緊張感も得られる、大好きな町です。
でも子連れで東北に行く、というと
「ガイガーカウンター、買った?!」と眉をひそめられる世の中です。
山梨から見ると未知の世界、実際はどうなっているのか・・・。
ひとごとでしか考えざるをえない震災の爪あとを少しでも肌で感じられれば、何か変わるかもしれない。
被曝の心配より、そんな覚悟と期待も含んでの、研修旅行となりました。
1日目、夫以外の3人は動物園へ。
寒さでどうぶつたちはみんなオリの中へ入っていましたが、みせていただけました。
子どもたちは動物が見られただけで満足。
サル山では寒い中、たくさんの親子ザルがキャッキャキャッキャと遊んでいました。
閉園まぎわだったからか、飼育員のおにいさんが売り物のエサを分けてくれて、Tazに投げさせてくれました。
動物たちも震災直後は大変だっただろうなぁ。
電気も使えないし。
元気に生きていてくれて、ありがとう。
2日目。
いよいよ浜辺のほうへ。
まず松島。
日本三景のひとつで、今はカキのおいしいシーズン。
なのに、観光客は激減、特に外国からのお客は皆無だそうです。
松島も浸水1m以上あったことが、待合室の写真ギャラリーでは紹介されていたけど、今では大きな爪あとは残っていないように見えました。
松島石堤防
そして石巻へ。
言葉を失う光景。
倒壊したお墓。
地面は基礎までえぐられ、海の砂が入り込んでいる。
石巻倒壊墓石1 石巻倒壊墓石2 
住宅街。
石巻被災住宅街1 石巻被災住宅街2
石巻被災住宅街3 石巻被災住宅街4
住宅街には人の気配がまったくない。
ガレキ撤去と解体作業が、建設機械でもくもくと行われている。
もしかしたら、写真だけでは「きれいになった」と感じるかもしれない。
とても整然と、なんとガレキまで木とプラスチックなどに分別されている。
ガレキ木材をバイオマス燃料にするためだろうか。
まじめに、真剣に、誠意を持って。
日本人の気質、そのままだ。
だからこそ、よけいに悲痛に感じる。
柱がむき出しになり、窓ガラスや壁のボードが破れたままになっている巨大な無人空間が。
何をしてるんだろう・・・と自分を振り返りました。
報道陣でもあるまいし、ただ被害の様子を見るだけで。
ごめんなさい。
撮影させていただき、ありがとうございました。
近年のしっかりした施工のお墓はほとんど倒れてないことがわかりました。
土砂には埋まってるけど、傾きはみえません。
石巻倒壊墓石3
お墓が倒れるということは、長期にわたって心理的不安が続きます。
石屋として、精一杯のことをやるだけだ、と気持ちを引き締めることくらいしかできませんでした。

2012年2月3日

尊い仕事

ころころ通信9号ができました。
今回は奇しくも「教育」が共通のテーマみたいになりました。
小学校の話題2つ、環境学会の先生の話。
通信をまとめて置いていただこうと、今回取材させてもらった環境についての研究をしているT先生のところに行きました。
日蓮宗のお寺の住職さんでもあります。
アポをとらずにいきましたが、先生はこころよくお宅にあげてお茶を出してくださいました。
「この通信も、よくまとめられてますね」
とお褒めの言葉。
いろんな方々と繋がりになれるのが、わたしにとっても楽しいし、いいお話をきかせていただいたことを他の人にも聞かせてあげたい、石の魅力やお墓の大切さ、地域の情報、そんな情報発信が自分なりにできれば・・・
と熱く語ってしまいましたが、
そんな私の様子を静かに聞いていた先生、
「尊いお仕事ですね」と、とても愛情のこもった表情で言ってくださいました。
こんな言葉を使ってほめてくれる人、いるかしら・・・。
しばし感動で言葉を失いました。
尊いお仕事は先生のほうだと思いました。
今回の震災で何ができるか。
先生もとても心を痛められたそうです。
金銭的な援助はもちろん、被災地に実際に行って、支援活動もされました。
亡くなった人の中にはお葬式すらあげられなかった人がたくさんいます。
先生はそんな人々のために供養をささげてこられたそうです。
「それが私の仕事ですから。」
現代の日本は宗教心が相当薄れてきてしまってます。
でも、ただでさえストレス社会の現代。
心の安寧や救いを求める人は潜在的なものも含めるとどんどん増えていて、
ヒーリングだのアロマだのが流行り、カウンセリングや心療内科が求められてます。
こういうときこそ正しい教え、救われる言葉が必要なわけで、
本来、お寺はそういうものを与えられる素材がたっぷりあるはず。
キリスト教の教会みたいに、普段から癒しの場になってくれるようなお寺を、今の日本人は求めてるんじゃないでしょうか。
先日参加してきた「信州の山寺で写経にいそしむ」の会に若い女性もたくさん来ていました。
このお寺では奥さんが「てらーと」といってお寺で絵画や造形をするイベントを時折催しています。
絵を描いたり形を作ったりすることで脳が活性化され、自己表現や心の安定が図られるのだそうです。
高齢者や子ども、知的障害者にもとてもよい効果を生んでいるとか。
お寺を葬式仏教だけでない、もっと身近に感じられる場だといいなと思いました。
ということで、遅ればせながら、これからお寺めぐりにも挑戦です。

2012年1月23日

石の穴あけにようこそ

「石に穴をあけてくれませんか?」
石あるくのホームページを見て、メールでお問い合わせくださった人が、今日来てくれました。
小石に6mmくらいの丸い穴を開けて、そこに磁石をうめこみ、石のマグネットを製作するのだそうです。
なんと横浜から。
てっきり近く(せいぜい県内)の人かと思っていたので、ちょっとびっくり。
でも、あちこちの石屋さんに問い合わせして、あまりにも小さい手間仕事なので、どこも断られてしまっていたそうです。
確かに、そうかもしれません・・・。
でも、クラフト製作のために、わざわざこんな遠くまで来ていただける、その熱意に感動。
それにおもしろそう。
石屋という仕事を知ってもらういい機会にもなります。
来てくれたのはこんな石屋にはめずらしい、若くてきれいな女性でした。
普段は会社員で、時間をみつけては樹脂でかわいいマグネットを作ってネットなどで販売しているそうです。
ホームページも教えてくれました。
comahawai
かわいい!ナチュラルな素材でこんなおしゃれなマグネットや画鋲ができるんだ!
このギャラリーにウチで穴を開けた小石のマグネットも並ぶんですね。
石 という素材は初めて、石屋の業界も全く初めて、というcomahawaiさん。
でも豆や貝殻を使った作品を見ていると、この人が石に魅力を感じたのも、とても自然な感じがしました。
きっと石屋とは違う感性で、石の魅力を引き出してくれると思います。
持ち込まれた石をさっそく工場で穴あけ作業。
「こういうところ好きなんです〜」と石の粉ほこりだらけのきたない工場で作業を待っててくれました。
町工場とか下町とか職人とか、私も好きですけど、同じ感覚かな?
穴あけ終了。
石磁石
この小さな穴の部分に磁石を埋め込みます。
横浜。
遠いようで近い。
日帰り圏内。
2日前に降った雪化粧で覆われた南アルプスや八ヶ岳に照らす夕日を見てもらいながら、お別れしました。
今度、またゆっくり遊びにきてくれるかな。

2012年1月15日

薪ストーブとそば打ち

薪ストーブ壁に大谷石を使ってくれた RAKAIA農場さんご自宅に招かれました。
薪ストーブを囲んでのホームパーティです。
薪ストーブができたばかりのときに写真を撮らせていただいて、今度のころころ通信にも載せるのですが、
やっぱり火を入れて、使ってなんぼの家具。
こういう生活感ある様子のほうが断然、魅力的です。
RAKAIA1
「そば打ちもやるよ」とは聞いていて楽しみにしていたのですが、
思いがけずMooが思いっきりハマりました。
そば打ち1 そば打ち2 そば打ち3
そば打ち4 そば打ち5 そば打ち6
粉をまとめて、こねて、のして、切って・・・
と一連の作業を熱心に聞いて、工程をほぼ覚えてしまいました。
Tazもこねる場では一生懸命ねんど遊び(?)してました。
週末の宿題の日記には、ほぼ覚えてしまった工程をつぶさに記述。
もともと本を読み出したらとまらない、など好きなものには集中できる子だとは思ってましたが、
いや、感心しました。
何より、そんな体験の場を与えてくださった、パーティゲストのそば職人さんとRAKAIA農場さんに感謝です。
子どもたちがこねる作業に使ったそばは、のした切れ端を集めて水を足したもの。
これもちゃんと切って、自宅で食べましたよ!
新そばのいい香り。おいしかったです。