おかみブログ
2011年12月21日

少人数教育

落合小最後の児童は全校で31人。
全国の文部科学省の基準では2学年1クラスになるところですが、
長野県は独自の基準を設けていて、1学年5〜6人以下でも1学年ごとに1クラスになっています。
学習は学年ごと、給食はホールで全学年と先生たちがみんな一緒に食べる、という方針で、
上下の関係もとてもいいとか。
運動会は大変。
ふつうの規模の学校なら自分が出ていない種目もあって、観覧している時間がけっこう多いものですが、
落合小の場合はほとんど出ずっぱり。
運動会の花形種目の組体操は1年生から6年生まで全員で行い、これがまた見ごたえたっぷりだそうなのです。
子どもが少ない分地域社会との交流も盛んで、農村での課外授業や絵画授業がたくさん行われています。
落合小学校の教頭先生の話。
「少人数教育って、一般には大勢の前での自己表現力が課題になるんですが、
ここの児童はむしろ一般の子どもたちより表現力がありますよ。
人数が多いと自分ひとりくらい黙っていても目立たないけど、
少ないと知らず知らずのうちに責任感や発言力がついて、
全員に伝えるように話すのが当然、という感じになってきます。」
実際、閉校記念式典で子どもたちが発表したシーンを見た他校区の人は
「これだけの発表ができる子どもたちはなかなかいない」と感心していたそうです。
建学の精神「慎其獨」(独りでいるときも身をつつしむ)をもじって「輝其獨」という言葉が今の落合小の教育目的ですが、落合小の子どもたちはみごとに、独りでも輝いた人間性に成長しているとのことでした。
学力の競争力をつけるための併合を選んだのは主に保護者たちだと聞いています。
財政面のこともあったのかもしれません。
でもこの学校で、小さな人間社会の中で得たものは、きっとこれからの子どもたちの糧になるんじゃないかな、と
少しうらやましい気持ちにもなりました。