おかみブログ

2008年10月20日

2008岡崎ストーンフェア

毎年家族旅行の定番になりつつある、「岡崎ストーンフェア」。
今年も行ってまいりました。
愛知県岡崎市。
徳川家康や八丁味噌、最近では朝ドラ「純情きらり」の舞台として有名ですが
知る人ぞ知る、石材産業のメッカでもあります。
上質の白御影の産地であることから、墓石、燈篭、仏像など石材加工業が発展してきました。
最近は石材業も外材や外国製品におされ、全国的にキビシイ立場にあるのは、他業種と同様ですが、
ここ岡崎ではまだまだ若い職人さんが次々と生まれています。
年々規模が小さくなってはいるものの、今年の「ストーンフェア」も盛況。
現代の石需要に合わせた斬新な企画と製品が盛りだくさんでした。
フェアは乙川の河川敷で行われます。
岡崎1 岡崎2
対岸の老舗ホテル前にアドバルーンもあがる、市をあげてのイベント。
毎回楽しみにしているのが、加工の実演。
同じ題材に数人の若い職人さんが挑む様子を見ることができます。
岡崎3 岡崎4
こちらは墓地外柵部品の一つを製作している様子。
石といえばやはり主力製品は墓石でしょうが、フェアではお墓ばかり並べているわけではありません。
地元の一般の人も遊びがてら訪れるので、普段の生活に密着したものも多く展示されています。
今年のテーマは「ガーデニング」。
マンションのベランダや小さい庭でも、石を使って個性的に演出できることをアピールしたコーナーが注目されていました。
岡崎庭-1 小さい庭でも合いそう。
岡崎庭-2 定番のふくろうも洋風にアレンジ。
岡崎庭-3 題名どおり湖畔をイメージさせるもの。アイビーとの絶妙なマッチング。
岡崎庭-4 「空間」というタイトル。ビル街のオアシスになりそう。
岡崎花器-1 手ごろな花器も多数展示。
岡崎花器-2 石と竹細工と花の大胆なアレンジがみごと。
岡崎花器-3 野点も石で。鞍馬石という情緒あるサビ色の石。
秋晴れにも恵まれ、今後もますます活気づいてほしい、岡崎の石祭りでした。

2008年6月24日

品川路地裏歩き

用事で品川に行きました。
ホテルとビジネスビルが立ち並ぶ喧騒から一歩路地裏に入ると、
石をふんだんに使った情緒ある道にめぐり合いました。
季節は梅雨。
石塀や石積みもしっとり、苔むした石に濃い緑の葉の影がうつり、とてもきれいです。
あたらしい道はコンクリートやタイルで敷設しちゃうけど、
やっぱり古くなって良さがでるのは、こういう素材だと思いました。
品川石路地1 品川石路地4
品川石路地5
そんなに昔でないもので、斬新な使い方をしたものもありました。
これは焼き物(陶芸)の塀の下に安山岩(おそらく国内産の石、今は貴重な小松石あたり)の台を積んだもの。
品川石路地2
これは薄桃色の砂岩を並べ、その間に竜の髭を植えたもの。
オリエンタルな感じがとてもよく出ています。品川石路地3
大谷石が朽ちかけていく中、成長を続ける植物。
品川石路地6

2007年11月9日

蔵王石と川崎町を訪ねて〜ネイチャーアート

川崎町の旅第2日目は彫刻工房を訪ねました。
リンクもさせていただいている石神彫刻工房
「ちょっと奥まってわかりにくいところだから」と、佐藤石材店の奥さん・みよちゃんさんが車で先導してくれました。
八ケ岳でも石や木工など音の出る作業をする作家の人は人里離れたところに工房を構えています。
だから住宅地を抜けて川を渡って山の中に入ることほんの数分のこの工房の位置自体はさほど驚きませんでした。
驚いたのはその開拓精神。
彫刻家であるご主人が30町歩(約9000坪!)の山いっこを取得し、現在の形に自らきりひらいたというのです。
建物は母屋と展示棟、そして工場。躯体以外はほぼセルフビルド。
建物の後は紅葉に包まれた小山が控え、前はきれいに草刈された雑木林、その間に小道があり川まで続いています。
ここもただの山だったところ。
川崎町3
石んこ3
石神バーバこと奥さんが地元宮城産の小麦粉を使った自家製パンを焼いて待っててくれました。
先に帰るみよちゃんさんにおみやげとして渡しているのを目ざとく見つけた娘、
「MOOちゃんも、パン」と大騒ぎ。
焼きたてのパンのにおいと石んこ同様丸くてかわいい形に五感を奪われたのでしょう。
おいしいものに対するこの反応の早さは、まったく誰に似たのでしょうか・・・。
河原がプライベートガーデンのように隣接してるとは、うらやましい限り。
川崎町4
ここでは私が目をキラリ。
花立用の形のよさそうな石ころを探します。
八ケ岳よりは下流に近いので角もとれてきれいな形のものをみつけました。
でも今回は電車で来ているので、1個限定。
山や川と語り合い、星や月の光のシャワーを浴び、お日様と大地の暖かさに包まれた楽園。
愛称「石んこ」と名づけられた彫刻の数々。
自然と一体化する石像はこんな世界で生まれたのです。
石んこ1

石んこ2

川崎町2

この空間こそが、「石神彫刻工房」最大の芸術。
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2007年11月6日

蔵王石と川崎町を訪ねて〜石工名石と会う

11月2日は結婚記念日でした。
いよいよ10年目に入ります。
10周年というのは、10年目に入るときのことなのか、丸10年経ったときのことなのか・・・ちゃんと定義があるのでしょうけど、一応「10年周った年」という解釈で、来年を記念年とすることにしました。
気がついたらもう日も迫っていたので。
とはいえ、今年は娘の七五三もするし、我が家にとっては記念の年であることに代わりはありません。
だから、というわけでもないのですが、珍しく泊りがけの家族旅行に出かけました。
性分が貧乏なのか、石屋だけに一石二鳥を狙うのか、私的旅行といえども何か「石」に関わる旅行をするのが私たちの常です。
今回は宮城。蔵王連峰のふもとの川崎町です。
小淵沢より中央本線特急あずさ→新宿〜大宮在来線→東北新幹線にて白石蔵王。
ここからレンタカーでまず商談先へ向かいます。
全優石という全国石屋組合の仲間、佐藤石材店さんです。
地元の老舗石屋として墓石を中心に幅広く活躍しておられます。
ウチと同じ小売石屋さんですが、地域も違うためコンペティターというより、共に石文化と技術を守って行きたい、尊敬すべき同業者です。
大手安売り墓石店のシェアが拡大する中、「いいものを正しい価格で」を貫く誇りある姿勢。かくありたいものです。
さて、石も今や流通がよくなり、国内海外含めいろんな石材が小売店に半製品又は完全製品としても入ってくるようになりました。
ですが佐藤さんのような産地近くの石屋さんでは今でもちゃんと原石から加工する技術と設備を持っています。
この地方で採れる石とは活火山・蔵王山の安山岩で、その名も「蔵王石」。
岩の形で採れ、割った面を本磨きして自然風の墓石や記念碑に使います。私たちの目的もこれ。
岩肌は個々によって濃淡いろいろのグレーですが、中には赤茶けた鉄分が混じっていることもあります。
磨くと濃いグレーになり、真っ黒に見えることもあります。
それゆえ字を彫っただけで色などいれずとも、非常にその文字が引き立ち、墓石や記念碑に向くというわけです。
蔵王石1 佐藤石材店さんで加工した製品群に圧倒。
そしてさらに驚くなかれ。原石の山・山・山。
蔵王石3

形を見ながら本碑にしたり台石にしたりするのです。
これだけあれば一生食うに困らないのでは、とも思いますが、そこは天然ものの哀しさ、本当に使える形や質のものは一部だそうです。
割ってみたら中がもろかったり、変な方向に割れてしまったり、思った目のつまり具合じゃなかったり。
八ケ岳も火山で、標高の高いところに行くほどゴロ岩が出てきます。
ですが、「八ケ岳石」なんて名前がつくほど石材としての価値は高くなく、その理由のひとつは磨いてもあまり黒艶が出ないことなのです。
ウチでは主に台座として使ってきました。
自然形を活かせる記念碑用の石の仕入先を探していましたが、福島の展示会でこの石に出会い、今回の見学を実行したというわけです。
同じく東北の安山岩で、このブログでも前にご紹介した伊達冠石というのがありますが、八ケ岳の需要としては蔵王石のほうが無難に受け入れられそうです。
たそがれ時。
広大な蔵王石の石置き場でどこまでも走る娘。
蔵王石4

川崎町の旅は続く。
↓いい田舎は八ケ岳だけじゃない。
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2007年11月5日

蔵王石と川崎町を訪ねて〜速報

蔵王連峰のふもと・宮城県川崎町に行ってきました。
詳しい話は後日ゆっくり。
蔵王の石屋さん2軒の人情と、蔵王石、そして美しいみちのくの世界に触れた2日間でした。
ごめんなさーい。書きたいことがたくさんあって、今夜はタイムリミットです!
ぜひ、コチラを先にみてください。
ぬばたまの黒の艶・魅惑の安山岩蔵王石
かわいい石のお地蔵様・心を癒す石んこ彫刻
川崎町1

川崎町2

川崎町3

川崎町4

川崎町5

川崎町6

川崎町7

2007年8月12日

独り旅・青木村3〜石仏

帰路は麻績回りにしました。
往路、上田から国道143号を通ってきましたが、さらにそれを進み、反対側の松本方面へ抜ける峠の一つです。
坂井村との境付近に「修那羅の石仏」というところがあります。
800体もの石仏が並ぶということですが、表通りに表示があったところから山道を登っても一向につかない。
先を急いでいたので今回はあきらめてしまいました。
そのかわり国宝・大宝寺の参道に並ぶ石仏。
いいお顔ですね。個人的な趣味から呑んでる仏様を中心に撮ってきました。
青木石仏0

青木石仏1 青木石仏2

青木石仏3 青木石仏4

2007年5月3日

尾白川渓谷の岩と砂

大型連休中日。
今日はお天気が悪いという予想に反して、午後から薄日がさすハイキング日和。
そこで近いのになかなか行けなかった尾白川渓谷へ。
娘は、急な岩場や山道をスタスタと登っていきます。
2才ではやはり危ないという感覚がなく、こっちがハラハラして気疲れするので、渓谷道を30分ほど進んで引き返してきました。
尾白川1

尾白川渓谷の河川近くは花崗岩の岩場になっています。
白のベースにまだらの黒・灰色の斑。
墓石の外柵などに広く使われる白御影と同じ種類です。
もっとも墓石の外柵はもっと巨大な岩場から採石するもので、今ではほぼ指定寸法どおりに完成形になった製品を中国から輸入するのが主流ですが。
この花崗岩が風化してできた砂も粒がそろってきれいです。
新緑美しい渓谷に荒々しい流れを作る白御影の岩場と白い砂場は神聖そのものでした。
この天然砂場でのお山づくりが、娘は一番楽しかったよう。
尾白川2

適度な運動とマイナスイオンたっぷりの森林浴で、身も心もリフレッシュ。
昨年できたばかりの「尾白の湯」へ。
地球規模の地質的溝・フォッサマグナが生んだ、塩沢温泉に続く名湯。
一番のお勧めは源泉の露天風呂。
茶褐色で塩分濃度の非常に高い湯質。西の大関・有馬温泉と似ています。
ハイキング途中で知らないうちに細かいキズが足や首についていたのを気づかされるほど、ぴりぴりと痛い。
長くは入っていられません。
出費。温泉代のみ。
大人も子供も楽しめたハイキングでした。

2007年2月21日

大谷石のふるさと

栃木県宇都宮市郊外の大谷町(おおやまち)を訪ねました。
ここはその名もズバリ大谷石(おおやいし)の産地。
大谷石は、日本で最も一般に名の知れた石種といってもいいでしょう。
凝灰岩の一種で、大谷町でしかとれないのでその町の名をとっています。
ワインのボルドー、発砲ワインのシャンパンみたいなもんです。(?)
独特の青緑の地に渋茶色の斑で、石でありながらとても柔らかい風合いを感じさせます。
耐火性・調湿性・防腐性を誇り、加工もしやすいことから日本の建築市場では欠かせない存在でした。
大谷町ではいたるところに大谷石で作った建築が見られます。
大谷3 大谷4 
大谷5 大谷6

いいですねー。やはり産地はこうでなくっちゃ。
石のお蔵なんて贅沢だと思いますけど、昔はブロックより安かったから、それこそ湯水のように使ってたみたいです。
大谷町の観光スポットのひとつ、大谷石の山ごと切り出してつくった「大谷観音」と「平和観音」です。
「大谷観音」は平安時代に弘法大師によって彫られた洞窟内の壁面彫刻。日本最古の石仏だそうで、国の重要文化財なので撮影は禁止。
「平和観音」はコチラ↓
大谷10 大谷1
27mもの巨大な石像です。第二次大戦後、平和を祈願して造られました。
肩の向こう側に公園があり、そこまで登っていけます。
娘はかなりインパクトがあったらしく、帰ってきてからも「おおきいかんのんさまみたの」としきりに話していました。
ところがこの観音像のすぐ近くで悲しいものを発見。
一見映画のロケ地にもなりそうな神秘的な石の崖の間を入っていくと
大谷7 大谷8
奥のほうに粗大ゴミが捨ててありました。
ひどい・・。
大谷町のもうひとつの見せ場、「大谷資料館」。
大谷9

採掘場を開放した巨大な地下空間です。
資料館なので今はもうここでは採掘作業はしていません。
大谷石は年代順に斜めの層となって地中の奥まで分布しており、採掘技術が進んでくると石材として利用価値のあるものを求めて横へ奥へと掘っていったところ、このような地下空間ができたのです。
迷路みたいに縦横に採掘現場が広がっていてまるでカタコンペのようです。ところどころ、地上の位置を知るための天窓のようなものがあって、そこからわずかな光が入ってきます。もちろん今は照明がありますが。
光が当たらないうえ、石なので熱が伝わりにくく、気温はほぼ一定。夏はひんやりしていますが、冬は逆に外より暖かい日も。
ただしこの日は外がぽかぽかと春の陽気だったので、寒く感じました。
一定の温度を利用して戦中の兵器庫、戦後の食品庫としても使われました。
今では音の独特の広がり具合を利用してヒーリング・環境系の音楽のコンサートが開かれたり、神秘的な空間を活かして結婚式場にもなったりしています。
ちなみに娘はここが心地いいのか、はたまた生気を奪い取られるのか、地下室に入るなりぐったりと昼寝タイムに入ってしまいました。
大谷12
太古からの歴史と人の暮らしが見て取れる大谷町。
海外の安い石材や人造建材におされ、寂れた感は否めませんでしたが、だからこそもう一度探訪に来たいと思える街でした。
次は娘が小学生になって、夏休みの自由課題ネタがほしくなったら、また家族で来ようかな。
さて、宇都宮市街に戻ります。
宇都宮は餃子の街。ということで餃子マップを片手に、大谷町から一番近い店に入りました。
大谷11 ←美智都の餃子。味がついているので酢とラー油だけで食べるべし。
それから宇都宮はジャズの街でもあるそうです。
中心部にたくさんジャズクラブがあるとのことで、こんど来たときはそんな大人のムードもちょっぴり味わってみたいものです。
新しくカテゴリーをつくりました。
「石の街めぐり」・・・国内外の石の産地に行ったときの旅行記です。
なかなかふつうのメジャーな観光地にいけないかわりに、「石」をテーマにした旅行をするのも楽しいものです。
今までの記事もこのカテゴリーに変更したものもありますので、どうぞあらためてごらんください。

2007年1月22日

伊達冠と出会う

石屋のおかみをしていると、普通は行かないようなマイナーな場所に旅行できるのが醍醐味のひとつです。
夫の石材製品買い付けに私もついていきました。
昨年9月の岡崎に続き、今回の旅行は福島。
福島と聞いて一般的に一番イメージしやすいのは会津の磐梯高原・猪苗代だと思いますが、私たちが行ったのは福島の北東・伊達市霊山町(りょうぜんまち)です。
阿武隈川と独特にそそりたつ崖のような霊山という、雄雄しい自然に恵まれたところで、紅葉のシーズンがひときわ美しいそうです。
福島は県内のあちこちで良質の白御影がとれ、近県・宮城の黒御影や栃木の凝灰岩の産地にも近いことから、石材業者が多いのです。
今回行った霊山町の石材問屋もそのひとつ。
やはり墓石の展示が主。東北の墓石は八ヶ岳と似て黒が多いです。
今回の最初の収穫は蔵王石。
黒っぽい安山岩で、八ヶ岳の好みにも合いそうです。
安山岩はごろごろとした岩で採れるので、その自然な形を活かして表面の広いところだけ本磨きにして、側面や背面は岩肌を残すような加工をするのが合います。
今回仕入れたのは墓石ですが、田園の中に建てる記念碑などにも向いています。
福島3 今回仕入れたもの。
もうひとつ、私が気に入った石があります。
伊達冠石(だてかんむりいし)。
これも安山岩のひとつ。
岩肌はまっ黄色ですが中は濃い灰色、磨いたばかりの面はほとんど黒に近い濃い色です。
これが数年経つと赤茶色に変色するそう。
そんな短期間のうちに変化するという特性をわかってくれる施主がどれだけいるか、という点で、夫は今まで敬遠してたとのこと。
でも、岩肌の黄色と磨き面の黒のコントラストはほんとに美しいものでした。
加えて、やはりこれもゴロ岩で採石されるので、自然な形を活かした、アーティスティックな加工が魅力的です。
福島4 伊達冠石の小さめの墓石セット。
展示会場を見終わった後は郡山市内の霊園を見学に行きました。
伊達冠石の墓石を見つけました。
自然な風合いで、とてもステキです。同じ石でベンチも作ってありました。
福島5 福島6 ちょっとお邪魔させていただきました。
伊達冠石で全面本磨き加工にするとこんな感じです。
これが数年経ったもの。
福島7

確かに赤茶けていますが、上品な色合いだと思いました。
こういう風に変わるということをちゃんと説明した上で、真っ黒ではないものを好むお施主さんにはこれを勧めてみれば、と言ったら、夫も納得したよう。おかみの意見、聞いてもらえました。

2006年12月17日

塚川の石街道

長坂町塚川の北杜高校に続く道を時々通ります。
通るたびに「いいなぁ」とためいきをつくような風情を感じます。
各家が石垣や瓦屋根付きの塀を構え、ところどころに祠や燈篭。
白州の台ヶ原宿は「全国の道百選」のひとつだそうですが、それに勝るとも劣らぬ情緒を備えている通りだと言えるのではないでしょうか。
今でこそ長坂ICから七里岩ラインへは新しい広域農道を通るのが主流となりましたが、かつてはこの旧道が日野から谷戸を結ぶ主要道路でした。
八ヶ岳南麓のなかでも比較的標高の低いこのあたりは、おそらくいい農業地帯だったのでしょう。
裕福な農家の地主さんがこぞって外回りにまでお金をかけた、というのがよくわかります。
こういうところですから、石垣も立派なものです。
「間知石モドキ」のブロックが多い昨今、これだけの石垣が固まって並んでいるのはなかなか圧観です。
塚川4 間知石の谷積み
塚川3 間知石のちょっと変形の亀甲積み
塚川2 間知石、高度な技術の返しのある亀甲積み
塚川1 幅広の水路を堂々と渡す太鼓橋
塚川5 古い祠や自然燈籠
車で通り過ぎると、旧道だけに「せまいなぁ」感じることもあったりするのですが、今日はやっとじっくり歩くことができました。