おかみブログ

2009年2月18日

どんどん社会に入ってきます

Mooは本日4才の誕生日を迎えました。
「三つ子の魂百まで」といいますが、確かに人格形成は3才頃まで。
この子はこういう性格、というのが3才くらいまでにできてきます。
それを過ぎるとその子なりの社会適応をしていくわけで、
この1年のMooの社会化は目を見張るほどでした。
1)社会に適応するための知識の吸収。
ひらがなカタカナ簡単な漢字読み書き、数字表記、百までの数え方と数の大小、時計の読み方、日付の数え方・・・
2)生活習慣の習得
着替え、片付け、歯磨き、洗顔洗髪、排泄・・・
3)運動能力の発達
ボール遊びやかくれんぼなど対人運動・・・
もちろんどれもカンペキではないけど、どんどん得とくしてきました。
保育園のお誕生日会では、大きくなったら何になりたいか聞かれます。
いろんなものに目が向いて、それを作る人売る人はぜんぶなりたい。
加えてアニメや映画、絵本のキャラクターにもなりたい。
聞かれたらまず「いっぱいあるの」と答えて、いくつも羅列するつもりだったようです。
でもみんなの前では気後れして思ったように言えなかったと残念そうでした。
ということで、この場をお借りしてMooがなりたいと思ったものと理由を代弁させていただきます。
言い出したもの順に。
大工さん・・・「お母さん、新しいおうち、好きでしょ。」
ケーキやさん・・・「お母さん、チョコレートケーキ好きでしょ。病気になったらケーキ焼いてあげる」
石屋さん・・・「お父さんが石屋さんだからMooちゃんも」
お百姓さん・・・「ご飯が好きだから、ご飯作る人がいい。」「じゃあお百姓さんかな」「うん」
ビール屋さん・・・「お母さん、ビール好きでしょ。病気になったらビール作ってあげる」
りっぱなおさむらい・・・「よろく(『天地人』の兼続の幼名)かっこいい」
ヴァンパイア・・・最近『リトル・ヴァンパイア』を見てハマった。
お母さんが、という理由が多くて泣けるけど、その実は自分がケーキが好きだったりするんです。
なりたいものはどれだけあってもいいと思います。
聞いてるほうも楽しいですし。
そして今日は、初めて強烈な羞恥心を経験しました。
「太鼓の練習、一緒にいきたい」というので連れて行きました。
稽古場についてしばしの間は、ウォーミングアップがわりにだーっと走り回ったりしていましたが
やがて大人のまねをして地べたに座って柔軟体操を始めました。
と、ぶりぶりーっと大きなオナラが発射。
まだ太鼓をたたいている人がいなかったのでその音は稽古場中に鳴り響きました。
みんな大笑い。かわいさのあまり思いっきりひやかします。
「すごいのでたねー!」
家だと一緒になってゲラゲラ笑うくせに、今日は他人からマトモに笑われてバカにされたと思ったのでしょう。
彼女にとっては口調がキツく感じられたのかも。
真っ赤になって親にしがみついて、小さな声で「帰りたい」と泣き出してしまいました。
その豹変ぶりは少々かわいそうになるほど。まぁ、からかうほうもデリカシーなかったからね。
思えばこういう経験を機に、恥ずかしさの概念を植えつけられていくんでしょうか。
4才になった記念の、洗礼みたいなものでした。
だけど、これに懲りてもう「太鼓に行きたくない」なんて言い出したらもったいないな。

2009年1月28日

赤ちゃんマッサージ教室

北杜市で開いている「ベビーマッサージ」教室に行ってきました。
赤ちゃんの体を触りながら、母子のコミュニケーションをはかるというもの。
他の月齢の赤ちゃんの姿を見られるのも勉強になります。
助産師さんの指導で行われ、ちょっとした相談にもその場でのってもらえるのも心強い。
まず、お母さんの手を温める。
エゴマブレンドのオイル(食用も可)を手にとり、なじませます。
隣の人と組になり、お互いの手をマッサージ。
ベビーマッサージ1
赤ちゃんをハダカにしたら、始まりのごあいさつ。
「これからマッサージを始めるよ〜」と目の前でガーゼハンカチをふります。
そして頭から順番にマッサージしていくのですが、
マッサージというより、さわる、というかんじ。
赤ちゃんの手足のくびれにあわせてなでていくのです。
ポイントは、そのつどおおげさに声かけをすること。
頭から足へ「べびーしゃわ〜〜っ」
胸で大きく円をえがく「はあーとまーく♪」
ベビーマッサージ2
ベビーマッサージ3
おお。喜んでる喜んでる。
1時間弱で終了。
指導も含めてなので、正味30分くらいです。
赤ちゃんにとってもほどよい運動と刺激。
指導では全身のいろんな部分をフルコースでやりましたが、
全部しなくても毎日少しずつ意識的に触ってあげるのがポイントだとか。
ウチの子は気持ちよすぎて放心状態、すぐにスースー寝入ってしまいました。ベビーマッサージ4
こんなにすぐ寝てくれると楽だなぁ。

2009年1月10日

母乳VSミルク、またまた奮闘中

前回の記事で、哺乳瓶を変えたらミルクも飲むようになった、と書きましたが、
やはり世の中そんなに甘くなく、
Tazの哺乳瓶への抵抗は続いています。
お父さんの見立ては悪くなく、前の哺乳瓶よりはそれでも幾分マシで、
どうしようもなくお腹がすいているときは、観念したように飲み始めます。
だけどほんの20mlやそこら飲んだだけで「べぇーっ」と押し出してしまう。
わんわん泣いて、「ちがうんだよぉ、ちがうんだよぉ。これじゃないよぉ、ホンモノをだせよぉ」と言ってるようで、あまりにもこっけいで、でも不憫です。
一般的によく言われる「母乳が足りない」サインを出しているように見える時は、
ついミルクを足さなきゃ、と思うのですが、
もしかして実は足りている?
欲しいのはミルクではなくて<安心><満足感>みたいなものかもしれない。
夕方、忙しいときに限ってぐずぐず言うのがいい証拠なのでは。
だいたい「乳が足りない」という言葉は、人類史上永遠の殺し文句だと思います。
多くの女性が体型へのコンプレックスを抱えているように
母乳が足りないと悩む母親は多い。
(出すぎる人もそれなりに大変なこともあるけど、往々にしてコンプレックスにはなりにくい)
そしてこのコンプレックスを突けば大きなビジネスが発展する。
つまりミルク会社が仕立て上げた狡猾な罠・・・
母になった方なら誰しも1度は経験あると思いますが
一緒に風邪をひいて、子どもの痛みやつらさが実感できることってあるでしょう。
「自分は今こういうふうに喉が痛いから、きっとこの子の機嫌の悪いのもそういう風に痛んでいるのだろう」と確信できる瞬間。
まだ言葉がカンペキでない小さい子であればあるほど、驚くほど母子が同じ感覚だったりすることがあります。
また、おっぱいが張ってくるのが予測できたり。
こういう生理感覚って、とても大事で、本来それが一番のバロメーターだと思うわけです。
つまり。
授乳後もぐずぐず言って、ちまたの情報からはいかにも足りてないように判断されるけど
実は乳は足りてる?
ウチの子は平均より体がちいさい。
母乳はこの子が必要な分だけ、出るものなのだ!
うん、きっとそうだ・・・。(説得力ない〜)
あまり心配をおかけしてもいけませんので、このへんでグチはやめましょう。
Tazはだいたいは機嫌よくしていますからご安心を。

2009年1月9日

ミルク嫌い

話にはよく聞いていた、「ミルク嫌い」。
ウチの子はどうやらそれらしいです。
ミルク嫌いというより哺乳瓶嫌い。
搾乳したものも哺乳瓶からは飲みません。
口に入れるなり舌で押し出して、一滴も飲まないので、結局捨てちゃう。
こうなったら何が何でも母乳をやらなければ。
何もしなくてもバクバクあふれて出てくる体質でもないみたいですので、それなりの努力が必要です。
プレッシャーにかられながらモノの本やネットを検索。
母乳を出すには
1)玄米や五穀米の主食、根菜中心で肉や乳製品をひかえたおかず。
(これは比較的OKかな)
2)水分を多めに取る。からだを温める飲み物として、たんぽぽコーヒーや穀物茶がよい。
 (たんぽぽコーヒー買いました。普段の家族全員用に三年番茶も。でも普通のコーヒーも好きだから1日1杯は自分に許してます)
3)適度な運動。肩こりは大敵。
(駅前へお散歩。保育園の送り迎えは徒歩。でも赤ちゃんだっこして肩こりになるなというほうがムリ・・・)
4)とにかく頻繁に吸わせる。
5)睡眠をとる。
それなりに気をつけてはみるものの、劇的な変化には至れず
母乳が出すぎる人ってどんな感じなんだろう、と羨望の念。
そうしていたら夫がなにやらネットで検索を始めました。
見ると哺乳瓶のサイト。
「嫌味だなぁ、それより母乳が出るサイトでもみつけてよ」
「それはいろいろ自分で努力してるじゃない。」
確かに。がんばってるのにこれでもか、と母乳を調べるほうが嫌味か。
次の日にはもうネットで注文した新しい哺乳瓶が届いていました。
ピジョン製、「母乳実感」タイプ。
「これがお母さんの乳首に近い形なんだってよ。」
おそるおそるやってみると・・・なんと。
とりあえず1回目は抵抗なく飲むではありませんか。
お父さん、大満足。
「わずか2500円ほどで元気に飲んでくれるなら安いもんだ」
その後もムラがありつつも、ピジョン哺乳瓶なら押し出すことも前のものよりは少なくなったので、まずは肩の荷がおりたかんじ。
がけっぷちに立たされたようなプレッシャーから逃れてからは、
こころなしか母乳だけでも足りることが多い気がしてきました。
次は、上記5)のポイントについて・・・お父さん、あとよろしく♪

2008年12月26日

サンタさんがいっぱい

まず保育園のお楽しみ会にたくさん来てくれました。
その次に生協のトラックに乗って。
それからまた保育園に。
おもちゃや絵本、お菓子の山。
自宅では23日にクリスマスパーティをしました。
バーバからもクリスマスプレゼントをもらいました。
絵本と食器です。
もう一人のバーバからも宅急便で。やっぱり絵本。
これだけたくさんのプレゼントをもらって、いっぱいサンタさんが来てくれて、
「せんせいがなってるだけだよ」などとわかったような口を聞いて、
それでもやっぱり本物のサンタさんが夜寝てる間に来てくれるという夢を見せるべきなんだろうな。
恵まれてるなぁ。
世界の異教徒や貧しい子供たちのところにはサンタさんは来ないのに。
子供にとってはサンタばっかりクローズアップされますが
個人的に私は教会のミサや礼拝形式のクリスマスコンサートに行きたい。
ふるさと近く・神戸のルミナリエやシンフォニーホールでの関学の音楽礼拝〜♪
いつか家族で行ければいいな。
クリスマスのほんとの意味は、家族で心のあたたかみを感じること。
日本人にとってはただのイベントですからね。
家族のきずなを強くするきっかけになればいいんですよね。
それができる私たちは幸せです。
イブの夜は、でも、それどころではなく、
ケーキの食べすぎか、上の子は夜中おなかがいたいと言って、吐いてしまいました。
さすってやったり、トイレについていってやったり。
一方で下の子に授乳したり。
それもまた、いい思い出か。
クリスマス

2008年12月9日

内祝いはこれできまり

早いもので、Tazのお宮参りの日が今週末にせまってきました。
お宮参りの頃までにお祝いのお返しをするというのがならわしということです。
生まれる前から今回の内祝いは「お米」にしよう!と考えていました。
事故米はじめ産地偽装、農薬混入、「手つかず」料理・・・など食の安全が崩壊するような事件の横行。
そして小麦やトウモロコシの価格が上がっている一方、日本の田んぼは荒れ果ててる現状。
今こそ日本人の主食である「米」が見直される時代ではないか!!
娘の名づけにも里山の情景の美しさを託したこともあり、「米」に対する思いは募りました。
さて。
とは言っても米農家に知り合いがいないのは残念。
活躍したのはネットです。
「出産内祝い 米」で検索すると、今の世の中、出てくるんですねぇ、わんさか。
なるべく無農薬または減農薬で、あとはこじつけとイメージで選びました。
あきたこまちネットhttp://akitakomachi.net/index.html
内祝い
秋田は一度だけ白神山地と五能線あたりをちょっと訪れましたが、奥が深く、もう一度じっくり行って見たいところのナンバーワンです。
あきたこまちネットは通常は秋田産の米や白神山地の水を扱っている会社ですが
出産内祝い用は兵庫県豊岡産のお米を販売します。
コウノトリの日本唯一の生息地にちなんでのことでしょう。
私の出身地が兵庫県なのでまあいいか。
(豊岡のある但馬ではなく、瀬戸内海側の播磨地方だけど、細かいことは気にせず。)
お米と一緒に富士山麓のバナジウム天然水がつきます。
これも白神山地の水ではないのが不思議ですが、山梨だから富士山で、まあいいだろう。
自分の中でムリヤリこじつけ、決めました。
内祝い米
出生時の体重分のお米が布袋に入り、水とセットにして、「赤ちゃんうまれました」ハガキを同封。
ウチにもひとつ記念でとりよせ、悦にいってます。
出産内祝い用の米ブランド「天使のほほえみ米」の売上の一部は
コウノトリ生息地の環境保護のために寄付されるそうです。
元気なコウノトリの羽ばたく姿と一面の田んぼの風景を
いつか見に行きたいものです。

2008年12月1日

師走のおさんぽ

昨日と今日、お天気もよくいかにも「小春日和」という日になりました。
こんなに暖かいんじゃ、少しお散歩するのも悪くないな、と
昨日は生涯学習センターへ娘2人を連れ、今日は駅前へTazと2人でお散歩に出かけました。
師走さんぽ1
何しろこの景色です。
移住を希望する方にお話することのひとつに「家から山を見なくてもお散歩すればいいですよ」
と申しますが、
全くそのとおり、本心です。
家から見える山景色もそりゃいいに越したことはないでしょうが、
家を出て、自分の歩く速度にあわせて広がっていく山の動画の感動にはかなわないと思います。
特に、しばらく家にこもっていた私にとって、この2日間のお散歩は格別でした。
昨日は生涯学習センター内の図書室へ絵本を借りに行く予定が、
なんと大ホールのほうで「ものがたりフェスティバル」を開催していて
これは渡りに船、と乳児をかかえつつも聞きに行きました。
保育園のお友達もたくさん来ています。
師走さんぽ2
けむくじゃら男と少年のちえくらべの話、他。
語りの末吉正子さんがこわ〜い声でけむくじゃら男を演じていたそのとき、Tazがいいタイミングでわーっと泣き出しました。
あわてて外へ出ようとしましたが、上の娘Mooがこわがってしがみついてきます。
よっぽど話に入り込んでいたんですかね。
ビデオやテレビなど視覚から入るお話が多い中で、
こんな風に耳から入れるお話は貴重ですよね。
今日は駅前の郵便局へ。
フィンランドの知り合いへクリスマスカードを出すのです。
サンタクロースのふるさとの国へ、こちらからカードを出すとは、これいかに。
ついでに小淵沢駅へぶらぶら。
師走さんぽ3
何しろこの景色です。
なんと、駅舎の扉がいつのまにか自動になっていました。
師走さんぽ4
こちらは去年もあった、ペットボトルのクリスマスツリー。
師走さんぽ5
あかちゃんごとくるめるママコートが、ちょっぴり暑すぎる、昼どきさんぽでした。

2008年11月19日

ご報告〜♪

ルナパワーにほんとにひきよせられるようにして、第二子、生まれました!
女の子でした。
2640gの小柄な子です。
やっぱり華奢な印象です。
さあ、困った。
実は男の子の名前しか考えていなかったのです。
というか、上の子は男でも女でもいい名前だったので、
妊娠初期から考えていた夫の意見がすんなり通ったのですが
今回夫が考えていたのは、あまりにも男の子っぽい名前でした。
「大道(たいと)」。
これはちょっとこの子に合わない気がして、残念ながら却下。
そこで一から悩むハメにおちいっています。
満月の夜に産気づき、ちょうど丑三つ時に家を出ました。
そのときの月の光に照らされた、雲ひとつない冬空。
山の稜線がくっきりと月明かりにうつしだされて、
田んぼにはススキの影がそよそよと。
神々しいまでにきれいな情景でした。
そんな世界にまいおりた鶴のように、(親から見れば)きれいな女の子を授かりました。
うっとりするのもつかのま。
昨日退院して、さっそく寝不足の日が始まります。

2008年10月14日

お産難民〜後日談

先日北杜市近辺の産院事情について書いたら
知り合いの記者の人が「富士見高原病院の産科開設が延期になるという話は本当か??」と
尋ねてこられました。
私は噂にうといほうで、私が知ってるくらいなら当然世間もそういう情報はキャッチしているのだろうと思っていましたが、意外とこれについてはオフレコだったようです。
気になって、先日高原病院に電話で確認してみました。
やはり産科再開のメドはたっておらず、それどころか今まで常勤でいらした婦人科医長が10月から非常勤になるとのこと。
例の記者の方もさすがプロで、長野日報と情報交換、
長野日報よりきちんと取材をしたうえで、先日の新聞に報道されることとなりました。
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=12105
情報ご提供、ありがとうございました。
それから、このブログ「妊婦健診、いつ行く?」で、
ある人が妊娠中期になるのに一度も健診に行ってないことについて、
健診に頼らずに自然なスタイルで過ごすのもいいですね、などと書いてみましたが
妊婦指導を長年仕事としてやってきた身内の一人にエライ怒られました。
症状がなくても異常なことは多いにありうるのだから、きちんと検診に行くべき、とのこと。
決して健診を否定しているわけではありませんが、ちょっと浅はかだったかなと反省してます。
同時に、ここまで全国的に産院不足の昨今で、健診に行ってない妊婦さんがお産を拒否されるケースも出てくると思うので、彼女は大丈夫かなぁ、と心配になりました。
都会に近ければ少しはマシなのだろうか。

2008年9月20日

お産難民

妊娠31週に入り、まもなく9ヶ月目、いよいよハラもでかくなってきました。
お勤めを9月いっぱいまで続けるので、今が最期のガンバリどころです。
なのに、いつもより余計にいろいろ他の用事を入れてしまい、ついついムリをしてしまいがち。
年も年だし、最初の子のときはあまり感じなかったお腹の張りが
最近気になり始めました。
こういうもんなのかなぁ、と思いながら先日健診にいって、
看護士さんに体調を何気なく相談したところ、
そのあと先生からすごい話をきかされてしまいました。
「とにかくお産できるところが、もう限界なんですよ」
いつもは画面を見せながら「これが足、これが手ですよ」とか説明してくれるのに、
今回ばかりは険しい表情で唐突に昨今の医療事情について話し始めました。
「今諏訪市茅野市にお産できるところは8軒です。
総合病院3軒、個人院5軒。
これは全国的に見ても恵まれたほうです。
ただ、諏訪エリア以外のところになさすぎる。
岡谷・塩尻は近いうちになくなるでしょう。
上伊那には全くありません。
それから上諏訪郡と北杜市にもない。
山梨県でもそこそこ充実しているのは甲府だけです。
俗に家から病院まで2時間かかれば『お産難民』と言われますが
それに近い状況なんですよ。」
確かに北杜市内に産科や助産院はありません。
でも平成21年にはお隣の富士見町の総合病院に産科ができるといううわさでした。
今は婦人科だけだけど、その先生が準備をすすめていて来年には産科も再開するとか。
(富士見高原病院の産科はMOOが生まれる少し前から閉鎖になっていたのです)
その話を先生にすると
「残念ながら、富士見の産科の話は流れます。」ときっぱり。
「えっ。でも広報誌に書いてありましたよ。
北杜市には今産科はないけど、富士見にできますからぜひそちらを利用してください、って。」
「まったく、北杜市の市長さんは何考えてるんでしょうね。
自分の市ではできないけど、他の市にまわせばいいってことでしょうかね。」
先生は少々ご立腹ぎみ。
北杜市は都会からの若い家族の移住先としても人気があり、
出産率もあまり減っていません。
現に私の周りでも3人目4人目を生む人は多く、
保育園ママ友達でも今年は出産ラッシュのように感じられます。
病院選びは、北杜市最西端の小淵沢は諏訪、長坂以東は韮崎・甲府が主流。
普段から家族の月一お買い物先としてなじみのある距離のせいか
産科が市内にないことにあまり危機感を感じてはいませんでした。
先生はさらに厳しい表情で続けます。
「諏訪エリアの産科が数年後5軒になることは十分考えられます。
医師の高齢化や助産師の減少で。
そうすると残された病院に異常な負荷がかかる。
諏訪市以外の在住や里帰り出産は受け入れられない事態になるかもしれないんです。」
ええーーっ。
「市長さんは・・・っていいましたけど、市長さん一人が公約してもだめなんです。
選挙のために『出産・育児環境を・・・』なんてみんな言いますけどね。
どこまで裏がとれてるんだろうってギモンですね。
産科を立ち上げるためには設備とスタッフが相当数そろってないとできないんです。
でも全国的にそれが不足してるんだから、どこからどうやって集めるつもりなのか、
全く現実味がないですよね。」
なんだか八方ふさがりだ。
「つまり何が言いたいかっていうと、
妊婦さんにこれまで以上に自覚をもってもらいたいんです。
とにかく通常分娩ができるように。
早産なんてことになったらお互い大変なんですよ。」
そんなこと言われても・・・意思に関係なく起こることは起こるんじゃ・・・。
「お腹が張るという症状は、無理が原因のことが多いんです。
今のお母さんたち、仕事持ってますから、どうしても産休前に無理しがち。
でもお腹が張ったらとにかく安静にしてほしい。
お薬で調節することもできますけど、一番は横になることです。」
寝てばっかり、というのも性に合わないんだけど、
でもさんざんおどされて、さすがの私もちょっと危機感を持つハメに。
薬を処方してもらい、休息を心がけるように気持ちをきりかえてみました。
ところが、張り緩和のお薬『リメトラーク5mg』というヤツの処方箋を
北杜市の調剤薬局にもっていったところ、その日は在庫がないとのこと。
妊婦にはわりと一般的なお薬のはずですが、
北杜市に産科がないため求められることが少ないとか。
安心できるお産。
医療機関に過度な期待ができない以上、自分でなんとかするしかないってことか。