おかみブログ

2006年7月5日

建物表示の本人登記

本日建物の表示登記まで終了しました。
普通は土地家屋調査士に頼むものらしいですが、1.お金をけちりたい 2.勉強したい の2点から自分でやることにしました。
法務局や税務署関係というのは、自分のことならたいていは自分でできるものです。書類をそろえるのがめんどっちぃのでプロに頼みますが。
表示登記にあたって、ネットの情報と設計士さんの手助けに大変助かりました。
今後どなたかの参考になるかもしれないので、この場を借りてまとめておきます。
ウチの管轄は甲府地方法務局韮崎出張所。
まず申請に必要な書類をそろえます。
1.申請書
いろんな方がネットでも公開していますので、それを参考にwordなどで作れます。ウチは強力な助っ人(ウチのプランニングをしてくれた設計士)のご提供により、申請書類のフォーマットをそのままwordデータでいただけたので、大変楽でした。ここに持分も明記しておきます。ウチは夫婦で2分の1ずつにしたので、申請人を記載する箇所はことごとく持分と名前を明記しました。
注意点は、申請人の住所を書く欄は住民票の表記でいいのですが、建物の所在を書く欄は字以降の地名も入れます。同じ場所ですが、表記方法が微妙に違うのです。
2.建物図面
通常これが素人では作りにくいものなのですが、ウチはここでも助っ人に作ってもらいました。ただ、知り合いなどは単純な四角の建物だから建築前の図面などを参考にしながらIllustratorで作っちゃったという人もいます。要は建物の形と寸法、求積式、敷地と建物の配置図が入っていればいいのです。
3.所有権証明書
所有権証明書になるものは2つやり方があって、建築確認がある市町村で検査済みであればその検査済証、それがなければ建築業者からの引渡証明書で代用できます。
小淵沢町は小さい町のくせにいっちょまえに確認申請が要るので、建物が完成した時点で検査を受ければいいのですが、ウチは夫がやる石工事などがまだ完了していなかったりするのを理由にまだ受けていません。ということで、建築業者に引渡証発行を依頼。これはなぜか工事関係者3者のものが要るということで、大工さん、左官屋さん、設備屋さんにお願いすることにしました。これもフォーマットを助っ人からいただけたので、それぞれの業者名を打ち直してハンコをもらえばいいだけにしました。所轄外の業者だと印鑑証明が要るそうですが同じ韮崎出張所管轄内に住所がある業者の場合はその添付をはしょることができます。ただし大工さんだけは建築士免許証(二級で大丈夫)を添付しました。ウチは発注した「木の香」のシステム上、工務店への一括発注ではなく、各職人さんとの個別契約で住宅を建てたので、このへんの一連の依頼がとてもスムーズに行きました。
4.住所証明書
住民票のことです。申請人全員の分が要るので、全部事項証明書をとりました。同じ住所の夫婦が申請人の場合、これ1通で足ります。
5.案内図
場所がわかる地図です。自宅の場所が入った住宅地図で足ります。
さて、以上をセット組。3セット用意します。
A)申請正本として1〜5すべて。これが法務局に残るものです。
B)申請副本として1、2、5。法務局の調査用です。
C)控えとして1、2。これに登記済のハンコが押されて本人に戻ってきます。
ここまでそろえられたら後は終わったようなもの。
申請から約1週間で登記が完了します。
とはいえ素人のやることですから何かしら不備があるのは覚悟の上。
実際私も1度法務局からお呼び出しがありました。
修正箇所は以下の3点。
●図面の隣地の番地表記が間違えている。
 これは単純な作成上のミスで、設計士さんに再度お願いして作り直していただきました。正しい図面を後日登記の担当者へ郵送。
●申請人の部分に持分表示が抜けてる箇所があった。
 これも作成上のミス。その場で手書きで加筆しました。
●工事関係者の1者の住所表記が抜けてた。
 これはけっこう笑えます。実はお願いした業者のうち左官屋さんは本店がアメリカだったのです。そういえば、社長が「米国で登記したんですよ」と自慢げに話してくれてたなあ。そのほうが買い付けの幅が広がるんだそうです。長坂の住所は支店扱いになっていました。支店が長坂にあるので韮崎出張所管轄でよかったのですが、本店アメリカ合衆国○○州○○・・・と登記官の指示どおり向こうの住所をカタカナで加筆してきました。
以上でほんとに終わり。
修正のための出頭後約1週間でめでたく表示登記が受理され、登記済証を取りに行きました。
次回、保存登記へ進む!
保存登記はこれからなのでまたおいおい書いていきます。

2006年6月29日

舐めても大丈夫な床

鹿にも塗ってあげた油とは、荏胡麻などからとった100%植物成分の木材内装用塗料です。
いろいろ商品は出ているのでしょうが、ウチの大工さんはこの『匠の塗油』というものを勧めてくれました。
色は透明なものと茶色(久米蔵色というらしい)の2種類。
ウチは床は主に杉材、柱・階段・浴室の壁にヒノキを使っており、茶色は杉材の部分に使うといいようです。
透明の存在を知らず、階段は茶色で塗ってしまいましたので、せっかくのヒノキの白い木目が赤っぽくなってしまいましたが、何ヶ月かたった今はけっこう慣れてきました。
さて、これを塗るのがかなりの仕事量でした。
なかなか乾かない上にのびが悪い、ということでムラになりやすい。
まず平らなスポンジで一なでしたあと、すぐに日本手ぬぐいのように表面が硬くて平らな布でのばしながら拭きあげる。
ある程度までやったら今度は別の日本手ぬぐいでからぶき。こうすることで余分な油分が吸い上げられ、より均一な仕上がりになる・・・・。
8帖の部屋を塗り上げるのに約2時間。さらに乾かすのに丸1日。
その間は進入厳禁です。
ところがそんな禁止区域もおかまいなしにすたすたと入って行く奴がいる。
しかもそのころはまだ4つ足。そう、愛娘です。
乾かないうちに布で触るとその布に赤い油分がつきます。
かわいいベビー服もだいなしです。
いっそのこと手足に雑巾をまきつけて、拭きあげを手伝ってもらおうと思ったくらいでした。
そういうことで、手にも足にも油がつく、当然それをしゃぶる。
しゃぶってはにこにこ、てんぷらの味でもするのでしょうか。
(赤ちゃんにてんぷら、はそれはそれでいかがなものかというかんじですが)
天然素材の塗油は完全に乾くまでは何ヶ月もかかり、その間は油のけっこうきついにおいがします。
化学物質過敏症の人は無害だとはいえ、この匂いに耐えられないそう。
確かにあまりいい匂いとはいえません。
ですが、住んでいるうちに換気を重ね、乾いていけばあとに残るのは木本来の香りです。
と同時に色もなじみ、家具配置も落ち着き、ものが散らかり…
だんだん自分のすみからしくなっていくのです。
今日も寝相のよい娘は完全にお昼寝ふとんから転がり出て、床に直接うつ伏せになって寝ています。
床転がり

2006年6月3日

Make yourself at home

賛否両論あると思いますが、我が家は対面式キッチンにしました。
これは、主婦がとにかくラクをできる間取りです。
ダイニングに背中を向けずに台所作業ができる、
悪びれずに台所でビールを飲める。
さらにウチではダイニング側に収納棚を設け、
取り皿やグラスは各自で取れるようにしました。
引き出しに「グラス」とか「取り皿」とか小さいシールを貼って。
これは便利。
みんなお客さんが自分でやってくれます。
Make yourself at home (自分のうちだと思ってくつろいで)」
カナダ人が旅人をもてなす際によく口にする言葉ですが、この慣用句の真意は実は他でもないその家の主婦のためにあるのではないでしょうか。

2006年6月2日

我が家の耐震強度は

ツバメにとって最適かどうかわかりませんが、我が家は梁と柱で強度を保つ家です。
地震があれば大きく揺れますが、全壊の心配はまずないとのこと。
ツバメの巣は振り落とされてしまうかも。
そんな心配をしている場合ではないですが、設計段階ではとにかく「強度強度」と言われました。
間取りプランニングをしてくれた設計士さんと施工担当の職人さんとの見解が食い違うこともしばしば。
たとえば柱の太さは一方で3.5寸で十分だといい、一方で理想は5寸以上ほしいという。
素人の私たちはどちらがいいのか、判断がつきません。
そりゃ太いほうが強度は出るのはわかりますが、そういうことが積み重なると少しずつ単価も増えるし、見た目もごつくなる。
木造建築は今話題の「構造計算」が不要なので、ここまですれば耐震強度クリア、という数値はありません。
特に経験値たよりの伝統工法では大工の腕が絶対です。
ということで我が家も結局大工さんの意見に従いました。
結果、小さい家の割りにずいぶん梁と柱がやたら多い印象になりましたが、えもいわれぬ安心感はあります。
オープン筋交い 強度のために不可欠な柱だが、家の真ん中で場所をとっている。わざと筋交いを見せることで明るく開放的な印象に。 
梁と柱

あの松の木に!ツバメの後日談

友人の家の前に立ってたアカマツが我が家の梁になっていますが、その中でも一番太いヤツに早速ツバメが巣を作りました。
早い!まだ2月に竣工したばかりのほやほやの新築ですよ。
前の家では5年目にやっとツバメが来て、でもつるつるの外灯の上につくったせいか、卵がかえるまえに巣が落ちてしまうという悲劇を見ましたが、今回はがっしりと安定感抜群の場所で大丈夫そうです。
(もちろん違うツバメでしょうが)
昔からツバメの巣は縁起がいいとか、店が繁盛するとか言われるので、大歓迎。さいさきがいいですね。
娘も「わんわ、わんわ!」といって大喜び。
(まだ動物はほとんど「わんわ」なのです)
田舎とはいえ、新しく建てられる住宅はつるつるの外壁材が多くて、ツバメの好む民家調の家が少なくなっているのが現状。
我が家は巣の材料になる泥が豊富にとれる田んぼの近くで、往来もわりと多い住宅街の一画なので格好の場所として選ばれたのでしょう。
まったくお目が高い。
人家に作る巣は雛が巣立つまでの産院だそうです。
田植えの頃から約1〜2ヶ月。
しばしの下宿人ですが、毎朝毎夕の楽しみが増えました。
ツバメの巣

2006年5月29日

あの松の木が

私たちが家づくりを始める少し前、やはりある友人夫婦が家づくりを進めていました。
私たちもお願いしようと思っていた職人集団「木の香」というところで施工することが決まっています。なんだか兄弟弟子のような不思議なつながりを覚えます。
土地の前にアカマツ林があり、日当たり確保のため、地主の許可を得て伐らせてもらえることになっていました。
樹齢50年程度の成熟した立派な松の木です。
これを新居に使おう!と彼らは考えました。
一般に業者としては製材からするより流通している建材を仕入れたほうが楽です。施主側としてもそのほうがかえって安くすむ場合が多いものです。
ですが、「木の香」の大工さんのご好意と、腕のいい木こりさん、そして施主の熱い思いで究極の地元産材が実現。
完成した彼らの家はなんとも味わい深い曲がり梁がアクセントとなっています。
そしてなんとわたしたちにもそのおこぼれが。
さらに1年しっかり乾かされ、我が家を支えてくれています。
梁

2006年5月27日

土地選び

物件は100件以上見ました。
私が不動産会社に勤めていることもあって新着が出るたびに夫婦で見て歩きました。
条件というのがまたすごいです。
1.150坪以上できれば200坪以上
2.山の眺望が良い、特に富士山ははずせない
3.上下水引き込み可
4.太い通り沿い
5.駅、学校近い
6.極めつけ、予算がない
自宅のほかに石の加工場としての工房アトリエや4t車程度は入るスペースの確保、商品を並べてちょっとお茶も出したい、着付け教室もしたい、将来的には子どももできるかも、親も引き取るかも・・・という夢や不確定要素がそのまま反映された条件づけです。
さらに、実際行ってみると「道路の北側のほうがいい」だの「山の見え方が違う」だの「平坦地じゃない」だの、マイナス理由ばかり思いつきます。
だいたい、100件なんて見すぎなんです。
101回目のプロポーズじゃあるまいし、お見合いすればいいってものでもありません。
・・・と今なら不動産屋の立場から指摘できますが、当時は自分たちなりに必死。
しまいには探し疲れてうんざりするありさま。
要はライフスタイルが定まってないのです。
あれもこれも全部考えてそれのすべてにつぶしが効く様なものをさがしている。
実は物件探しの最初に契約までしかかったものがあります。
眺望よし、価格も安い、わかりやすい場所で、坪数もそこそこ。
決めなかった理由は「まだ見始めだから」。
うかうかしているうちに他の人が買ってしまいました。
今でもあれが一番よかったと思います。
探しつかれた頃、ふと実家で持っている資材置き場はどうだ、というハナシになりました。
坪数が少ないのと希望エリアでないことを理由に落としていましたが、よくよく考えてみるといいかも。ある日突然気持ちが固まりました。
そして不思議なことにその後は一度も迷いませんでした。
決めた理由は簡単です。「いい」と思ったから短所をどうクリアしようか、という頭の働きに転換できたのです。
1.坪数が少ない→自宅だけなら十分。どうせすぐにいろいろできない。
2.希望エリアでない→意外といい場所かも。
3.価格は??→親の名義のままで借地。地代は出世払い。
あとはいいとこばっかりに思えます。
土地で迷わなくなった時点で、ライフスタイルもおのずと方向性が決まってきました。
まさに「青い鳥」現象です。
でも100件見たから気がすんだのかもしれませんね。
家の前の風景。晴れていれば富士山が。
家の前

2006年5月25日

家づくりひとまず終了

自宅登記に向けての時間がようやくとれるようになりました。
私の勤め先のお客様がウチと同じ家づくりの会に改修をお願いすると知りました。
そんなこともあって、改めて自分の家ができていく様子を思い返します。
私たちの家づくりのキーワードは大きく3つです。
①自然素材
 私たちは特にアレルギーもなく、シックハウス対策にこれといってせっぱつまったものを感じているわけではありませんが、いろいろな家を拝見しているうちに、やはり本物の木・土でできた家の居心地の良さには強く惹かれました。石屋ということで、随所に石を使うことは当然考えていましたので、石が合う家・・・といえばやはり無垢の木を中心とした自然素材の家だったのです。
②地元業者
 小淵沢出身で、これからもここで活動していく私たちとしては、施工業者は遠くても北巨摩郡(現北杜市)内と決めていました。地元で信頼厚い業者は工事でも手を抜かない、というのが定説です。私たちはできれば大きな工務店やハウスメーカーより、小さい個人経営のところがいいと思っていました。そのほうが終わってからも関係性が続くと考えたのです。
③過程を楽しむ
 みんなで芝居や映画をつくるような感覚を理想としていました。それぞれが信念持って仕事をする中でお互いに情報交換し、和気藹々とひとつのものを作っていきたい。
そんな家づくりをめざす中で出たエピソードを、順番に紹介していきます。
自宅外観
 自宅外観(18年5月現在)