おかみブログ

2007年8月17日

リゾナーレの石彫刻展

リゾナーレの8月26日までの彫刻展に行って来ました。
回廊では、夏休みらしく家族連れ、カップルがたくさん来ています。
知り合い・・・といっても相手は有名人ですが、石を使った彫刻作品が並んでいます。
じっぽうしゃ

アーティストショップ・フラッシュポイント前と店内にて。
大きいパブリックアート的なものをはじめ、小さなオブジェも展示販売しています。

2007年3月14日

河原へ石拾い

河原石を加工した花立を見て、こういうの欲しいと言う方が同時に2人もいらっしゃったので、その材料さがしも兼ねて、買い物のついでに釜無川の河原に行くことにしました。
河原石に穴を開けて底を平らにするなどの加工を施すとステキな花立になります。
他にもトレイや線香立て、カードスタンドなど、原型のよさをひきだしながら世界に1つだけの小物ができあがります。
河原石の素朴な感じがかわいいですが、形のいいものを見つけるのはなかなか容易ではありません。
形の他に色や縞、斑なども見て、さらにヒビの入ってない割れにくいものといった条件が加わるのです。
そうまでして拾ったものでも半分近くは結局使えません。
そんな中、今まで成功したものの一例がこちらです。
花立・カード立

今日はお天気はいいけど、春の強風で、びゅーびゅー土ぼこりが舞う乾燥した天候。
ちょっとお買い物、のつもりだったのでスカートで来てしまったのは失敗でしたが、今日を逃すとまた少し先になってしまいそうなので、思い切って河原へ下りてみました。
長坂から白州へ続く県道近くのヒミツの場所。(ヒミツといっても河原近くに公園があったりして地元民の憩いの場なのですが)
上から見るとすぐそこにあるように見えるのに、いざ石が多い所まで行くには、背の高い草の生い茂るところをかきわけていかなければなりません。ひっつき草はついてチクチクするし、必死の思い。
釜無川1 釜無川2 釜無川6

ようやく石のあるところまで来ました。
今回は花立用に的をしぼり、コロンと丸い10〜15cm球くらいのものを捜します。かつ、色や模様もきれいなもの。
感動的なまでにいいものはすぐには見つかりませんが、今日のところはこのあたりで妥協。
釜無川4 → 釜無川5

さて、いざ持って帰ろうとしますが、総重量はかなりあります。
一応ビニール袋を持ってきましたが、1枚では持ち上げるなり手さげ部分がビロビロに伸びてしまいましたので、2枚重ねで下から抱え込みました。ウチの娘よりずっと重いけどなんとか女性が持ち上げられる重さ、ということでざっと20kgくらいでしょうか。ちょっとしかないのに、やっぱり石は重い・・・。
これをえっちらおっちらまた藪を掻き分け岸に上がります。
夫に渡し、加工してもらいます。
花立

とりあえずこの3つができました。
十分選んだつもりで15個くらい拾ってきたけど、それでも使えそうなのは7〜8個、つまり半分程度です。
ところでこういう作業、子どもは全般的に大好きなようです。
この間も友達の娘さん(小1)が糸魚川付近で拾ったきれいな河原石を見せてくれました。宝物だそうです。
地域によっても石の特徴が違い、地質学的観点からもおもしろく、奥が深いのが河原石です。
見つけた石をじーっと見つめていると、そこに太古のロマンや不思議な宇宙の波動を感じたりするのでしょう。
こんどはこんな急ぎ足じゃなくて、家族でピクニックがてら河原遊びに行きたいなー。
とりあえず今回は、この重労働の後で出会ったすばらしい里山風景を眺めて、癒されてみました。
釜無川7 釜無川8 釜無川9

白州・某寺墓地より

2006年11月5日

ギャルリーアビアントの石建築

小淵沢にステキなギャラリーがオープンしました。
「ギャルリーアビアント GALERIE A BIENTÔT」
abient1

<ステキその1・石の使用法>
石屋ですからやはり石の使い方にまず目がいきます。
いろんな種類の石をふんだんに使っていました。
abient2 abient3 abient4
 abient5 abient6

御影石、大理石、鉄平石など建築でよく使われる石材ですが、デザインと組み合わせ方にセンスが感じられました。施工はタイル職人の手によるもののようです。
<ステキその2・フレスコ画>
建物のデザインはフレスコ画家の方によるものだとのことでした。天井や壁にさわやかな植物の絵がフレスコ画で描いてあります。
フレスコ画ってよく知らなかったので、この機会にオーナーに教えていただきました。
通常絵の具は糊などの溶剤を使って紙やキャンバスに着色しますが、フレスコ画というのはまだかわいていない漆喰壁(濡れた石灰)の上に直接水溶きの顔料を乗せ、壁と一緒に乾いていく過程で色を定着させる技法。この方法でいくとそれこそ何千年もほとんど変色せず、鮮やかな色が残るのです。なるほど、システィーナ礼拝堂の絵が今でも美しいのはそのためなんですね。
abient8 ←フレスコ画とは
<ステキその3・3つの癒し空間>
1階は喫茶スペースとショップ、2階はアートギャラリーになっています。ギャラリースペースはよけいな装飾、照明レールすらないシンプルな白壁。ゆっくりと絵画に触れた後は明るいフレスコ画と太陽光がそそぐカフェでくつろぐ、というわけです。
<ステキその4・展示物>
オープン初年度はアーティストでもあるオーナーの作品を展示。同じ人が創作したとは思えない多岐にわたる作品群。絵画、人形、着物地のリフォーム小物など。特に絵画は2種類の魅力・・・抽象画と室内画(?)
abient9 ←とにかく百聞は一見にしかず
<ステキその5・コンセプト>
「古いものと新しいものの融合」が館全体のコンセプトとのことで、絵画作品にも古着リフォームにも建築にも現れています。
石を多用しているのもそんな意図があったのでしょうか。
abient ←レトロだけどポップな洗面台
ギャルリーアビアント
オープン:4月〜11月 金〜月曜日 11:00〜17:00
所在地 :北杜市小淵沢町上笹尾3332-1449 ラングラーランチより北へ約100m

2006年10月26日

大谷石の石釜パンパーティ

「石釜つくりたいんだけど」
と小淵沢の陶芸家兼パン屋のオーナー・こげら工房さんからお話があったのは夏頃。
古い外柵をばらした大谷石を分けてさしあげました。
奥さんがせっせと一人でつくり、「完成したのでパンやピザを焼いて試食する会をするんだけど、いらっしゃいませんか」とお誘いを受けて、今日お呼ばれしてきました。
6/10のブログで大谷石の石釜の設計案をご紹介しましたが、それとほぼ同じしくみでつくられたものです。
こげら石釜1 こげらさん自作古い大谷石の釜
石は直火に弱いものが多いのですが、こういう凝灰岩系のものは大丈夫です。
パーツの厚みをオーダーで自由に設定できる上、断熱効果も高く、一度熱した中の熱を長時間保つことができます。
なんといっても見た目が本格派っぽい。
レンガより断然お勧めです。
それにしてもこんな大きいの、よく女性一人で作りましたね〜。
ゴリッパ!
こげらさんの石釜は、釜の中に直接薪を入れ、2〜3時間焚いて釜の中を熱したあと、薪を取り出し、料理を入れる。
一番基本的なやり方でした。
こげら石釜2

こげらさんちの石釜は古い、形のそろってない大谷石をつかったので製作で組む際には相当苦労されたよう。
隙間があくのでセメントを塗りたくり、陶器のかけらをかませたりするなど工夫のあとが見られます。
だからこそ非常に味わいのある風合いと、何年も使い込んだような風格が出ていました。
こういう釜で焼いたパンやピザは、どうしてこんなに素朴でおいしいのでしょうか。
こげら石釜3 鶏肉のホイル焼き
これはやはりウチでもつくるしかない!
そして上手くいけば石釜キットをつくって販売だ!
その折はどうぞごひいきに。

2006年9月14日

鉄と石の組み合わせアイテム

鉄造形作家の上野玄起さんのご協力により、こんなアイテムができました。
帰ってくるのが楽しくなる、玄関周りのアイテムです。
かさたて
ト音記号のような形の鉄細工の下に、お豆のように真ん中がへこんだ石の受け皿。
スリムですが5〜6本は楽に入ります。
石:グレー御影石 本磨き加工。
参考上代:30,000円
かさたて かさたて2 ←クリックで画像大きく
スリッパラック
木の枝が上にのびているような形の鉄細工の下に、シンプルな円形の石台。たくさんの握りこぶしが「がんばるぞ、がんばるぞ」と言っているようにも見えませんか?
石:薄赤色御影石 本磨き加工
参考上代:30,000円
スリッパラック スリッパラック2 ←クリックで画像大きく
手洗い
ガラスボウルはクラフト葉音さん作。
緩やかなカーブをつけた波型?の石天板に沿った形のタオルハンガーを鉄で。
石:薄黄色大理石 本磨き加工
参考上代:1セット40,000円 ※取り付け、水道設備工事別途
手洗い 手洗い2 ←クリックで画像大きく

2006年8月25日

石でオンザロック

これ、なんだかわかりますか?
アイスキューブ1

石でつくったアイスキューブです。
大きさは約2cm角くらい。
あらかじめ冷凍庫に入れて冷やしておいたものを氷と同じように飲み物に入れて使います。
アイスキューブ2←七賢の純米大吟醸「大中屋」
ソープストーンという石を使ったインテリアの一種として販売しています。(残念ながら石あるくが販売元ではありませんが)
石は全般的に熱しにくく冷めにくい性質を持っていますが、このソープストーンは特にその性質が強く、この商品のように冷たくして使うこともありますが、耐火性も非常に強いので薪ストーブの周りや石釜にも使われます。ただ、あまり日本では素材は流通していないので、入手は困難です。今回のように既に外国で商品になっているものを雑貨業者が輸入してくることがあるくらいです。
この商品はフィンランドの作家が作ったそうです。
フィンランドは数少ない私の海外旅行経験の中でどうしても行きたくて、6年ほど前に行ってきたところ。
洗練されていてとても楽しく居心地のいい国でした。
フィンランド製の白御影石は薄い緑色の、固くてとてもいい質のもので、大好きです。
そんなフィンランドの思いを募らせるアイテム。
このアイスキューブ、とにかく便利でおしゃれです。
①液体が薄まらない
私はあまり強いお酒をがぶがぶ飲めませんので、日本酒のように水割りにしたりしないお酒をちびちび飲むのに便利です。もちろんウィスキーにも。
②色がきれい
きれいに加工されているので、石の粉も落ちず、ほのかにグレーの色が透明な飲み物にとても合います。
③何度でも使える
溶けてなくなるわけでもなければ、ちょっとやそっとで変質するものでもないので、軽く洗って何度でも冷やしなおして使えます。
とはいっても常温のものをいきなり冷やすのはちょっと無理かも。
もともと冷えているものをこれ以上ぬるくならないようにするにはいいという程度かな。
あとは気分を楽しむということですね。
ちょっと「大人のアイテム」でしょ。

2006年7月7日

御影石パワー

新しい家に住み始めてから半年がたちました。
ウチは石屋ですので、住宅のところどころに石を使ってあるのがちょっと特徴的です。
石にしてよかったベスト3を発表します。
3位 浴室
石浴室

十和田石のモザイク貼り。風合いも足ざわりもよく心地よい。
水はけはよく、換気をしさえすればすぐ乾く。
ただ、換気を忘れた日は水垢が残ってしまい、ちょっと赤サビっぽいものが出てくる。でも普通のタイルやユニットのようにあからさまにカビが目立つのよりはましでしょう。どんな素材もやはり換気は大切です。
2位 調理台横の壁面
レンジ横

白御影。石の模様のおかげで汚れが目立たない。油や水が飛んでもすぐふける、とにかく手入れが楽。
1位!洗面台天板
洗面台

マルチカラーの御影石。石の面積を大きくするため陶器の洗面ボウルは埋め込み式。水バシャバシャする機会の一番多いところですが拭きやすく汚れもつかない。
1、2位は御影石です。手入れが楽なのが何より。
水周り=御影=楽=手抜き主婦

2006年6月22日

石の粉リサイクル

「石の粉、分けてもらえませんか」
ウコギ博士から電話がありました。
ウコギ博士というのは、国字の「杣」や「有為無為の教え」でご指導いただいた、長坂にセカンドハウスを持つ方のことです。
ウコギが大好きで、ウコギ科の植物に対して自他共に認める物知りさんなので、私が勝手にそう呼ぶことにしました。
この人にかかると見過ごしていたことが実はスゴイものだったんだと見直すことがあります。
石を加工すると細かい削り粉が発生します。
石粉

加工用の水と混じって、いったんはどろどろになりますが、乾くとさらさらとして、ちょうど小麦粉のような状態になります。
石を加工していると、こういうものが大量に出ますが、何に使うわけでもなく、たまったところで処理業者に回収してもらって埋め立てられるという結末です。
いわゆる産業廃棄物です。
「もちろんいくらでもさしあげますけど、何に使うんですか?」
「以前木の粉を糊でねって型に入れて固めてアルファベット型のボタンみたいなものを作りました。石でも練って固めれば何か出来るかと思ってね。」
考え方としては自家製MDF合板みたいなものでしょうか。
石粉を利用したブロックも工業製品として存在するくらいだし、石粉を水で練って何かと混ぜるという発想を応用すれば、いろいろできそうです。
以前陶芸家の人が釉薬に混ぜるのだと言って、持っていかれました。
その後はいらっしゃらないので、あまり有効でもなかったのかもしれません。
でも少しざらざらする感触が何かの役にはたちそうです。
クレンザーとか、化粧パックとか、洗顔石鹸とか・・・。
「泥パックもあるくらいだし、『石粉パック』とか開発してくれないかなぁ。」
ウコギ博士が帰ったあとで夫に話してみました。
「どうかな、パックは泥のミネラル分が肌にいいんだよ。ウチで出る御影の粉は無機質だからね。毒にもならないかわりに薬にもならない。ただ肺に入ると分解されないから長い間には咳や痰の原因になるよ。胃に入る分にはそのままウンチで出るだけだからいいけど。」
「じゃあ壁の塗り剤にするとかは?珪藻土みたいに」
「粘り気がないからボロボロしてくるだろうなぁ」
先は長そうだなぁ。
がんばってください、ウコギ博士。
それにしても今回、化学製品の生まれる一番初めの段階を見た気がしました。
ウコギ博士は使う糊もいろいろ探して無害なものを使っているそうですし、自分の作ったものをすぐそばの人に渡すとなると、すごく責任持って考えるものです。
顔の見える商売。好奇心と便利さと安全性がちゃんと両立できる販路。

2006年6月10日

大谷石の石釜

甲府のちょっと高級スーパーでこんなものを見つけました!
まめたび

「まめたび」という商品名で、ちょうどウチの子(1.4歳)の足の大きさくらいのおせんべいです。
まめたび2

こんなものがレジ前に置いてあれば、値段も見ずに買ってしまってもいたしかたあるまい。
埼玉県鴻巣市にある煎屋というところが発売元。
ここは全国でも有数の足袋の生産地ということです。
すばらしい町おこし商品です。
さて、本題はこのおせんべいがパッケージのうたい文句によると「大谷石の石釜で」焼かれたものだということ。
大谷石は凝灰岩の一種で、産地は栃木県。
気泡のような大小の穴がいっぱい空いているのが特徴です。
石の中では比較的熱に強いほうで、レンガなどと同様、釜にも使われます。
レンガよりは耐火性は少ないですが、薄い板に直接火をかけたりしないで輻射熱程度なら大丈夫。
なにより美しい。
初めは白と薄緑の混じった模様で、時間が経つにつれて組織の一部がさびて赤茶色に変化してきます。
それもまた風合いです。

大谷石

時間ができたら庭に大谷石のピザ釜を作るのが夢ですが、このせんべい焼き釜はどんなしくみになっているのでしょうか。
ちょっと工場見学したいものです。
大谷石の釜で足袋型のおせんべいが焼かれているシーンを想像しながら、おいしくおいしくいただきました。
大屋石釜 ←大谷石のピザ釜製作案

2006年6月5日

台所の石の使い方

石は水にも油にも強いので、台所での使用にとてもおすすめです。
コストが高い!という心配もありますが、材料費なんてたかだか知れています。
それより汚れがついたらさっとひと拭き、模様があるので汚れも目立ちません。強い洗剤を使う必要なし。
10年以上もとことん使い込んでいよいよべたべたしたりなんかして我慢できなくなってきたら、石屋さんを呼んでください。
表面をもう一度磨きます。これでまた新品同様!
対面式キッチンでの石使用例
キッチン全体 ←クリックで画像大きく
白御影の本磨き加工
一番汚れる場所ですが、粗い目の石模様が汚れを目立たせません。ふだんのおそうじは固絞りの台拭きでひと拭き、油がこびりついたら中性洗剤や重曹。つまり通常のステンレスなどと同じ。
レンジ横 ←クリックで画像大きく
カウンター付食器棚
カウンター部分にアイボリー系の大理石をはめ込み。
家具店の元の設計はタイルでしたが、目地部分の掃除のことを考えるより石の一枚ものを使うほうがラクで見た目も豪華。
カウンター ←クリックで画像大きく