昼間、畑で飲む
冷泉公裕さんのライブを聞きに、松本に行きました。
冷泉さんはそんなに目立つ人ではないですが、しっかりとした実力派俳優です。とは言っても彼の舞台やテレビを見たことはありません。でもきっと彼の関わる芝居はいいものだと思います。そう確信できるのは、彼の周りの空気がとても穏やかでナチュラルで、居心地がよくて、それでいてちゃんと彼自身が中心に位置するだけのオーラがあるからです。
まるで、一晩中静かに燃える薪ストーブの火みたいです。
冷泉さんとは仕事で出会いました。
週末田舎暮らしを群馬で始めた冷泉さんとパートナーのヒロコさんの暮らしぶりを取材しました。
まだ肌寒い春先の昼間、彼らのセカンドハウスに訪れ、外の焚き火でつくった鶏の手羽まるごとたきこみご飯だの、自家製野菜のたっぷり入ったけんちん汁だのを振舞っていただき、取材なのかただの押しかけ客なのかわからなくなってしまいました。
そのときは雨が降ってきたので家の中で食事をしましたが、晴れていれば庭先の石の炉を囲んでいただくはずでした。
今日の舞台はフォルクローレやカントリー、ファド、シャンソンなど、世界各国の田舎の音楽。『まつもと市民芸術館』という大きな会館の小ホールで行われました。安曇野ワイン協賛で、ワインとサラダやハムなどの豪華おつまみが振舞われ、飲みながら聞ける粋な演出でした。
冷泉さんのお話の上手さで情景が頭に浮かんできて、それはそれでいい舞台でしたが、やっぱりこの人のは屋外で、風の音や土のにおいに囲まれながら聞きたいなぁ。
そしてやっぱりこの人と飲むなら昼下がりの畑でのビールです。
冷泉さん自身は夜の街大好きだそうですが。
休日、屋外料理と飲む酒。
穀物と野菜と根菜中心のつまみ、軽い度数のアルコール。
そんな幸せが週一くらいはとれるといいんだけどなぁ
なーんて話を一緒に行った人と話しているうちに、なんとなく飲み足りない気分。
中央線松本駅・夜のホームにて記念撮影。
このホームもなかなかドラマチックで、ベンチがそれを物語ってます。