おかみブログ

2006年9月16日

昼間、畑で飲む

冷泉公裕さんのライブを聞きに、松本に行きました。
冷泉ライブ舞台 冷泉ライブつしょっと

冷泉さんはそんなに目立つ人ではないですが、しっかりとした実力派俳優です。とは言っても彼の舞台やテレビを見たことはありません。でもきっと彼の関わる芝居はいいものだと思います。そう確信できるのは、彼の周りの空気がとても穏やかでナチュラルで、居心地がよくて、それでいてちゃんと彼自身が中心に位置するだけのオーラがあるからです。
まるで、一晩中静かに燃える薪ストーブの火みたいです。
冷泉さんとは仕事で出会いました。
週末田舎暮らしを群馬で始めた冷泉さんとパートナーのヒロコさんの暮らしぶりを取材しました。
まだ肌寒い春先の昼間、彼らのセカンドハウスに訪れ、外の焚き火でつくった鶏の手羽まるごとたきこみご飯だの、自家製野菜のたっぷり入ったけんちん汁だのを振舞っていただき、取材なのかただの押しかけ客なのかわからなくなってしまいました。
そのときは雨が降ってきたので家の中で食事をしましたが、晴れていれば庭先の石の炉を囲んでいただくはずでした。
今日の舞台はフォルクローレやカントリー、ファド、シャンソンなど、世界各国の田舎の音楽。『まつもと市民芸術館』という大きな会館の小ホールで行われました。安曇野ワイン協賛で、ワインとサラダやハムなどの豪華おつまみが振舞われ、飲みながら聞ける粋な演出でした。
冷泉ライブ食べ物

冷泉さんのお話の上手さで情景が頭に浮かんできて、それはそれでいい舞台でしたが、やっぱりこの人のは屋外で、風の音や土のにおいに囲まれながら聞きたいなぁ。
そしてやっぱりこの人と飲むなら昼下がりの畑でのビールです。
冷泉さん自身は夜の街大好きだそうですが。
冷泉ライブ田舎

冷泉ごはん1 冷泉ごはん2
休日、屋外料理と飲む酒。
穀物と野菜と根菜中心のつまみ、軽い度数のアルコール。
そんな幸せが週一くらいはとれるといいんだけどなぁ
なーんて話を一緒に行った人と話しているうちに、なんとなく飲み足りない気分。
中央線松本駅・夜のホームにて記念撮影。
このホームもなかなかドラマチックで、ベンチがそれを物語ってます。
冷泉ライブホーム

2006年8月29日

マクロでパーティメニュー

野菜のおいしい季節です!
今日はウチで食事会をしました。
妊娠中の人と、ベジタリアンと、ちょっとだけ年配の人の集まりなので、「マクロビオティック・パーティメニュー」をめざしてみました。とはいっても「なんちゃって・一部マクロ」ですけど。
今日は普通に出勤日なので、凝った料理はできません。
とりあえず前の日から準備しておけるもので、みんなでつつけるもの・・・。
2003年オレンジページムックの『マクロビオティックがおいしい。』を参考にしました。
玄米と野菜の手巻き寿司
1.ねた準備
 ニンジン、かぼちゃ、大根、キャベツ、小松菜を千切りにし、その順番で同じ鍋で茹でる。
 前日に準備し、お皿に並べて冷蔵庫へ。
2.すしめしをつくる
 玄米ごはんと赤米ごはんを用意。当日の朝、いつもより少し水かげんを減らして水に浸しておく。6時帰宅と同時に炊き始める。
 温かいうちに合わせ酢と混ぜる。
3.盛り付けと実食
 寿司桶に玄米と赤米をツートンカラーに盛り付け。ねたとのりを卓上へ。さらに本日の差し入れを追加。ご自宅の庭に自生していたという青しそ、自家製きゅうりのキューちゃん。おまけでmoo用に買ったひきわり納豆。各自好きなネタを好きなシャリで手巻きにして。
完全マクロではないので、この他にもお刺身(甘エビとマグロ)もつけたけど、このシャリには野菜の方が合う!
薄めの酢飯でやさしい味になりました。
このほかに、やはり自家菜園で作ったというきゅうりをただ切って出しただけのものや、とうもろこしも。素材だけで甘い!
黒一点の男性に特別にリクエストしたのはお煮しめ。この方のはなぜかおふくろの味。おいしー。
食べるのに夢中で、写真を撮るのをすっかり忘れていました。
なから食べつくした跡ですが、参考までに↓
macrosusi

ちなみに野菜の茹で汁はとっておき、あくる日の朝食で玄米粥に使いました。甘い、いいだしが出ているので、ちょっと醤油をたらすだけで、おいしー。

2006年7月15日

脱脂大豆コメント

7/14のブログの中で脱脂大豆について書いたら、知り合いの教授からコメントが来ました。
(ブログ上のコメントに書いてくれればいいのに、パソコンが苦手とかで、かろうじてできるメールでのコメント)
栄養学の教授で専門はソバですが、穀物やタンパク質全体にも精通している人です。教授らしいコメント&説明だったので、本人の承諾のもとそのままのせます。
大豆は、たんぱく質:35.3%、脂質:19.0%、炭水化物:28.2%という成分組成です(「五訂 日本食品成分表」より)。
これを脱脂して19%の油を取り去ったものを「脱脂大豆」という。
味噌作りに必要なものは、たんぱく質と糖質であって油は直接的には必要ない、というかむしろじゃまです。丸大豆中に脂質がどういう形で存在するか、たんぱく質とどういう関係にあるか、未知の部分が多い。
ただ、脱脂の際に有機溶媒を使うから、その脱脂の工程で、たんぱく質が変質する可能性は大いにある。
だから、脂質が直接関与しない豆腐でも脱脂大豆より丸大豆の方がいい、と業者は言ってる。
同じ理由(?)で、味噌作りでも丸大豆の方がいいんだろうけど、脱脂大豆の方が、むしろ効率がいいかもしれんよ。
それは、今後のドラマの展開如何、作者がどう考えているか、だね。
とにかく、「粕」ということばには、戦前からの日本の生活臭がにじみ出ていて、「粕=悪質」と誤解されやすい文化風土でありますな。
それなら、「悪質=粕=白米」と読み直せばいいんだけど・・・。
「一物全体」は私の提唱している「全体食」と同じ。いいことじゃ!

脱脂大豆のほうが味噌作りに効率がいいのはホントのようですね。北伊醤油『しょうゆの豆知識』にもそのように書いてあります。(醤油ですが)
ただ、丸大豆をつかったほうが味がよくなる、という強みがあるそうで。それって、「一物全体」の理論と同じこと??

2006年7月14日

一物全体

4/266/166/22のブログでもおなじみのウコギ博士の哲学論をまた拝聴してきました。
始まりは昨日のNHK朝の連続テレビ小説「純情きらり」ネタ。ドラマでは、八丁味噌の統制価格が原価割れする値に決まり、職人の一人が安い大豆を購入する契約をしたところ、ヤクザみたいなチンピラ商人の持ってきた大豆は脱脂大豆だった。「こんなもん、格調高いうちの店で使えるか!」と職人頭。当の若職人はクビになり、店はクズものを買わされて大損。「捨てるしかないか・・・」と肩を落とす大女将に主人公の若女将が提案。「これで味噌を作ってみましょうよ!あるもので工夫するって、料理や商売の基本ですよね。」
脱脂大豆とは大豆の油分をとった後のたんぱく質。油屋や味噌屋、豆腐屋などからすれば残りかす。
でもウコギ博士は残ったほうもまた宝だ、と言います。
大豆の油分をとった脱脂大豆、豆腐を作った後のおから、玄米を精白したあとの糠や胚芽、石を磨いた後の石の粉。
彼にとっては一般的に廃棄物とされるものを活用して付加価値をつけることが、研究の目標でもあり、楽しみでもあるようです。
ということで、今日のドラマはまさにツボにはまったようで、「そうそう、さくらちゃん。(主人公の名前) 脱脂大豆だって使い道あるんだよ、と言いたくなりましたよ」と嬉しそうでした。
そんなこともあって、脱脂大豆がどのように製品化されているかを調べてみました。
(便利な世の中です。ネットで基礎的な情報はすぐ入手できてしまうのですから。)
醤油などの醸造食品には今や原料に脱脂大豆を使うのは一般的なようです。
醤油ではここのページがわかりやすかった。北伊醤油・醤油の豆知識
だからわざわざ「丸大豆醤油」などととうたっているのですね。
それから今はアレルギー表示つけなくてはいけないことになっていて、「原料の一部に大豆を含みます」という一文は一見「どこに?」と思うような食品にまで広く使われていたりしていますが、その正体の多くは脱脂大豆粉です。とろみやつなぎに使われています。
一方で職人と言われる人々は、あるものからいいところだけをいかに純粋に抽出するか、の技に神経をかけています。いい例がダイヤモンドで、ダイヤの原石である炭素結晶を特殊技術で磨きに磨きをかけ、ほんの一部分だけを抽出したものがそれです。御影石もいい磨き方をすればするほど艶持ちもよくなり、特に墓石など長期にわたって存続するものについては、素材自体の質に加えてこの磨きの技術が大きく品質に左右します。そういう技術は人類の文化向上にとても大切です。が、その高度な技の過程で出る副産物については、あまり考えていられないのが現状です。
石の磨きや醤油などの加工食品とはもちろん違う次元のハナシですが、マクロビオティックで提言する「一物全体」は食物をまるごと全部いただきましょう、という考え方です。玄米も野菜の葉もねっこも皮も、アクも粕も旨みのうち。
米ぬかだけ食べろ、といわれてもなかなかキツイものがありますが、おいしい部分も一緒に食べるなら相乗効果で、いいところだけを食べるよりおいしく感じるものですよね。
さて、今回のブログ執筆はモノを分ける分けないのよしあしを決めるものではなく、いろんな観点があるよ、というウコギ博士のシメに共感したからです。「観点の転換(かんてんのてんかん)」という言葉あそびのような彼の哲学を実生活にあてはめると、意外といろんなことうまくまわるかもしれません。

2006年6月27日

夏風邪のマーチ

また娘に風邪をうつされました。
うつした娘のほうは重症にもならず、鼻ずるずるしながらもいたって元気。
こんどのは咳・鼻水に加え激しい頭痛と発熱。
頭痛と動悸がドクドクと音を立てているようなので、今回の風邪を「夏風邪のマーチ」と名づけました。
保育園1年目の今年は何かしら病気をもらってくるようで、もう開き直り状態です。
さて、秋はどんな病気をいただいてくるのでしょう。
会社の同僚のマクロビ女史から耳寄り情報。
(マクロビオティック療法で体の中も外も美しいのでそう呼んでいます)
「パスタがいいわよ。」
「え?スパゲッティ?」
「そうじゃなくて、生姜とジャガイモを小麦粉で練ったもの。
ジャガイモの10分の1の生姜をすってマッシュドポテトと混ぜるの。
それだけじゃゆるゆるだから小麦粉を混ぜて固くするの。」
「へーおいしそう。」
「(笑)食べるんじゃないのよ。
湿布にして胸と背中に貼って寝るの。
咳を緩和するのにとってもいいのよ。」
なぜそれをパスタというのか、またそれを貼って寝て寝返りうてるのだろうか、はたまたそれをこの苦しい状態の自分がやるのだろうかとかいろいろ疑問は残りますが、たしかにあったまりそうです。
「私も娘にはやってあげたんだけどね、自分じゃめんどくさくてやらないわよねー。」
やっぱり。
でも食べてもおいしそうじゃないでしょうか。
お好み焼き風に焼いて、醤油の火香も香ばしく・・・
ぜひお試しあれ。

2006年5月17日

春風邪のワルツ

かれこれ1ヶ月近く風邪が続いています。
娘が保育園でもらってきたのが元凶のようで、夫も娘も比較的長くぐじゅぐじゅいっていましたが、私が一番重症。
一番こまったのは声です。
微熱と喉の痛みが来たと思って医者に行き、長引くと困るからと注射を打ってもらいました。
それから2、3日後、全く声が出なくなりました。
10日間、新宿2丁目のママさん声が続いています。
発声機能消滅に加え、結核のような咳が出るのですからたまったものではありません。しまいには吐きそうです。
少し声がでるようになった時点で再び喉の腫れが出て唾液を飲み込むのすらつらくなってきました。
自慢じゃぁありませんが、私は健康だけがとりえです。
3週間も風邪が続いたことなど前代未聞。
はて、なぜこんなに続くのか。
1.風邪ウイルスが通常より強い
年々ウイルスは強くなっているといいます。効き目のある薬が出ることで強いのだけが生き残って、その強さに磨きをかけるのです。保育園で感染したのが元のようですが、そもそも強いから感染しやすい。抵抗力のない子どもなどすぐひっかかって、家に持ち帰ります。なぜか子どもはすぐ治りますが、大人は受け皿が大きいのか無理してしまうのか、ウイルスをどんどん培養させてより強いものへと育ててしまいます。・・・と考えます。
2.薬で症状をおさえこむ
今回は5種類もの薬をもらいました。4日分で1050円。安いと見るべきなのでしょう。よく「病気が改善しなければ他の病院にも行くといい」などといいますが、風邪に関してはどこのお医者も同じです。そもそも風邪薬なんてものは症状を抑えて体を楽にするだけで、病原菌を殺すわけではありません。処方してもらって初めてもらえる抗生物質は病原菌を抑える魔法の薬ですが、なくすわけではない。つまり風邪ウイルスは自分で治すしかないのに、薬に頼って楽になったからといって怠けていてはいけないということです。その証拠に、今回みたいに強い奴相手だと、薬が切れたとたんまた症状が現れる。どうやら初期の段階で注射なんて強い薬を投与したのがいけなかったらしく、症状さんはびっくりしてあたふたしてしまい、閉じ込められたところから無理やり出ようとする。結果、体は元気だけど声が出ない、咳が続く、なんてことになってしまった・・・・と考えます。
というわけで、改めて復習しなきゃいけないことは
1.病原体を減らす
  うがいをして少しでも外に出す、新しい菌をよせつけない
2.自然治癒力を高める
  マクロビオティックに傾倒している同僚いわく、「小豆煮食べると抵抗力つくんだって。ただし30回かんで、唾液の味しかしなくなってからのみこまなきゃいけないの。」玄米も同じだそうです。そういえば玄米最近食べてないな。
3.体を休める
  病気との闘いに専念させるため、よく寝て暖かくする。薬の中には眠くなる成分が含まれていて、このあいだも運転中異様に眠くなってよろよろしながら運転していました。まるで「春風邪のワルツ」。田舎なので大事には至りませんが、後ろの車あやしがってただろうなぁ。危ない危ない。要は薬飲んで早く寝ろってことね。
苦しい思いをして得た結論。
風邪の治療は「基本の基本」に立ち返ること。
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