おかみブログ

2011年12月16日

天に向かって合掌

「石や・ころころ通信 9号」の編集を始めました。
次号のコンテンツは
1.小2年生が職場見学にきてくれた 報告
2.吉村作治絵付けの生前骨壷
3.落合小学校さようなら 記念碑にこめた想い
4.その道のプロにきく「人間を育てる4つの環境」by 山梨環境会議会長 兼 日蓮宗住職
5.石のある風景写真 冬の石
6.白州米で作る祝儀用餅を販売する地元のグループ
7.スタッフ紹介 兄弟会社伊藤建設石材の社長
8.編集後記、ケンちゃんパパおめでとう
今回も盛りだくさんです。
3.の落合小学校の記念碑役員さんと4.の日蓮宗住職さんへの取材が終わりました。
住職・瀧澤先生のお話はものすごく濃い内容でした。
さすが、法話のように心にしみました。
1時間半もマンツーマンで法話をしていただくなど、ぜいたくな話です。
ありがたや。
先生は環境を考える学会の山梨支部の代表を務めていらっしゃいますが、
そんな活動の原点となっている思想があります。
「人間が幸せに生きるために必要な4つの環境」。
1.自然環境
2.社会環境
3.家庭環境
4.教育環境
これらを脅かす、破壊する例が昨今顕著だといいます。
「自分さえよければいい」「お金さえあればいい」そんな考え方が4つの環境を脅かしている。
これを発想転換して「自他共に栄える」「物質より精神を重んじる」
そうすると環境を守る方向に行ける。
そこに必要なのは感謝のこころ。
あるフランス人が作家曽野綾子さんに言った言葉があるそうです。
「富士山は大地から天に向かって合掌している姿ですね」
今日先生が教えてくださったことはこれだけじゃないですが、
私はこの「富士山合掌説」がとても印象に残りました。
ものすごく巨大な合掌。
そして富士山はどこからどの人が見ても合掌に見える。
みんなに向かって合掌してくれている。
だから人は富士山を見て自分も手を合わせるようになるんだ。
相手を尊重する気持ちが自分も尊重してもらえる。
八ヶ岳から見る富士山の合掌の姿は本当に雄大です。
冬はまた格別。
富士山合掌

2011年12月11日

空をみる

12月10日。歴史的な皆既月食。
この日はKuhの誕生日でした。
1才です。
冬はよく空を見上げたものでした。
星座が大好きで、冬は特によく見えるからです。
学生時代は学校の帰り道によくオリオン座を見上げながら歩いていました。
冬至の近いこの時期は6時というともう真っ暗。
大学のキャンパスから駅まで、ちょうど東に向かって山を降りるのですが、森や住宅に囲まれたところなのに、ちょうど道の上にオリオン座が来る部分が多いのです。
月といえば、Tazが生まれる直前もきれいな月でした。(満月だったと思う)
Tazは11月生まれなので、八ヶ岳の空が一番きれいに見える時期に入った頃です。
陣痛が始まって、夜中に病院に向かうとき、家から外へ出るとそれはそれは明るい月の光が山々の稜線や田んぼを照らしていました。
名前はまだ決めてなかったので、「月」に関係する名前をいっぱい考えました。
「美月(みづき)」・・・「美しい」という漢字を使うのがウチの子らしくないので却下
「冴(さえ)又は冴月(さづき)」・・・響きが好きだったけど、右のつくり「牙(きば)」が印象よくないので却下
「満月(みづき)」・・・このあと欠けていく運命にあるからと却下(関学の校章は新月ですが、「これから進歩していく」の意)
「みづき(ひらがな)」・・・母親(私)のなまえもひらがななので、実家の妹はこれを推したが、なんかちがう、と却下
「優月(ゆづき)」・・・やっぱりなんかちがう、と却下
「香月(かづき)」・・・同上
「紫月(しづき)」・・・このへんになるとすでに出しすぎてわけわからなくなってきてる
結局、直接「月」を入れるのではなく、月が演出する情景を表した言葉を名前にしよう、と
当時凝っていた俳句にちなんで、季語辞典を調べていたところ「田鶴」が見つかりました。
そういえば、学生時代に作ったラジオドラマのひとつも「田鶴」というヒロインが出てきてたのを思い出しました。
土だけの初冬の田んぼに舞い降りた鶴。
それを月の光が照らしている、というおとぎばなしのようなシチュエーションに思わず身ぶるいがしたものです。
老子の言葉からとったMooの名前は夫が前もって決めていたのに対して、
Tazの名前は完全に私が考えました。
そのTazも先月で1才。
そしてこんどはKuhの誕生日です。
空。
そういえば最近空を見上げてないなぁ。
ドアツードアで車で行き来して、荷物の積み下ろしと子どもの積み下ろし(?)でアップアップ。
でも子どもの成長は月食みたいにゆっくりなようで気がつくと過ぎていってしまう。
「みあげてごらん、夜の星を」・・・か。

2011年12月9日

最高の音響

いつも「ころころ通信」を送っているお客さまが何度目かに今日また立ち寄ってくれました。
今日はまず彫刻の話。イサム・ノグチを大絶賛。
香川のイサム・ノグチ美術館を3度も訪れたという愛好家です。
私たちも一度行ってみたいのですが、前回「庵治ストーンフェア」に訪れたときには時間がなくて行けませんでした。
そう、その「庵治石」についてもよくご存知でした。
なにしろ、世界で一番高級な石材です。
中国白御影の尺寸墓石が15万円だとすれば、上質庵治石の同じサイズの墓石が1500万円、だったりします。
まぁ、これは余談。
生活の中に石を取り入れるこだわりも話してくださいました。
今検討しているのはバーベキューコンロに大谷石を使いたいとのこと。
大谷石は他の石より直火に強く、そばでぼうぼう薪を燃やしていても割れたりすることが少ないのです。
(衝撃には弱いですから、もちろん落とせば割れます。)
それからこの方は音楽がとてもお好きとのこと。
中でもクラッシックの生演奏にはこだわりがあります。
スピーカーの下に石の板を敷くといい、ということもご存知でした。
増田珈琲館4
これは清里の増田珈琲館のものですが、我が家にももっと小さいのがあります。
スピーカーが安くて小さいやつ(安いって言ってもCDラジカセで十分な人には、びっくりするような額ですが)
なので石も45cm角と小さいですが、夫にいわせると余分な機械ノイズがなくなって、音が落ち着いて聞こえるそうです。
「ご主人、どんな音楽聞くの?」
「まあ、なんでも聞きますね。クラッシックも好きですよ。バロックや宗教音楽とか。
交響楽、民俗音楽、ヒーリング音楽、ジャズ・・・。あ、そういえばロックはあまり聴かないかな。
私も音楽の趣味だけは夫と近くて、彼の選ぶCDは文句なく一緒に聞けます。」
「もっとも、音の微妙な違いって私はよくわかりませんけどね。
オーディオも高いとか安いとか、実はよくわからないんです。
もっとも今は子どもがうるさくて、ゆっくり音楽鑑賞などしてる余裕はないですねー」
私が自嘲気味に言うと、その老紳士はいきごんで、
「いけませんね。子どもの声は最高の音楽なんですよ。
天使の声ですから。そのつもりでお聞きなさい」
そんな老紳士のやさしさが伝わったのか、
最近ひとみしりの激しいKuhが、彼があやしてくれるとケラケラと笑って、だっこも享受していました。
またもや、子育てへのモチベーションを持ち直させてくれる一瞬でした。

大谷石、おそるべき調湿効果

我が家の窓辺の写真です。
大谷石1
大谷石2
リビングの窓は東南に大きくはめ殺しのガラスを入れていて出窓になっています。
出窓の台に石板のかけらを立てかけて、ディスプレイしてあります。
今日、掃除のため立てかけてあった石板を倒したら、びっくり。
ペアガラスにもかかわらず窓ガラスがかなり結露しているのですが、
大谷石のあった部分だけ結露がないのです!
これはすごい!
結露シートもまっさおの便利グッズ!
とりあえず今たてかけてある御影板をぜんぶ大谷石に変えよう!と決心しました。

2011年12月6日

毎日がお祭り

我が家はTazを筆頭に、11月から3月まで毎月お誕生日が続きます。
冬に集中してる家族です。
その分夏はイベントがなくて、子どもの日とかお墓参りとか、一般的な行事ばかり。
おまけに夏はなんだかワサワサと忙しくて、特に今年は初めての3人子育てに文字通り奮闘してました。
そんな中で迎えた先月のTazの誕生日。
ワサワサ感がまだ続いて、準備も整わず、あまり盛大に祝ってあげることができませんでした。
そのせいか、3才になってあからさまに「赤ちゃんがえり」が始まりました。
「大きいKuhくん(自分のこと)、ミルクのむ」
と、哺乳瓶のミルクを要求します。
愛用している某ミルクメーカーのフォローアップミルクの対象年齢は「9ヶ月から3才まで」とあります。
そうはいってもTaz〜、3才未満、ってことだと思うんだけど?
ほんとに飲むの? こんな、カロリー高そうな、甘ったるいミルク・・・。
Kuhにミルクをやるときみたいに、ひざのなかにねっころがって、飲み始めたTaz。
だけど、同じ吸い口なのに、飲む速さはKuhより全然遅いのです。
やっぱり飲みにくいんだ。
結局160ccを飲むのに20分もかかりました。
それでも赤ちゃんごっこは続きます。
Kuhは比較的手がかからず、いつもニコニコして、昼寝もよくするのですが、
たまに夜中にウジャーっと泣くときがあります。
そんなときはだっこしたりすると反り返って、かえって手がつけられないのですが、
ふしぎなことにあぐらをかいた中にいれて、まるく抱えてるとおとなしく寝るのです。
ふとんにおろすと泣き出すので、ずっとあぐらの中にいれていなければなりません。
これ、けっこう両手があいて、パソコン仕事やら読書やらができるので助かります。
そういえばMooもこの月齢のこの季節、ひざの中にもぐりこんできてたなぁ。
Mooそっくりな顔のKuhはそんなところまで似てるので、おかしくって。
Kuhねる
そういうMooも最近はすっかりおねえさん。
小学校1年生は親の宿題も多くて、持ち物をそろえたり音読を聞いたり、
けっこうやることが多いのです。
当然、毎日親子してどっかヌケてる。
夜、子どもが寝静まって静かにしてると、やっと余裕が出てきます。
石屋の事務所では仲間の石屋さんが「毎日戦争だね」とからかっていきます。
げんなり。
だけど、このあいだ従業員のKatoくんがこんな言葉を。
「いいなぁ、毎日がお祭ですね」
なるほど!お祭。
泣き声はピーヒャララの笛の音、騒ぐ声は「せいや、わっしょい」の掛け声。
そう考えると楽しいですね。
とびきりハデな神輿、ハタマタだんじりか、ねぶたか。
ちなみにKatoくんの奥さんの第一子出産は秒読みです。
楽しい、げんきな、幸せな子が生まれることでしょうね!

2011年11月27日

落合にわれら学ぶなり

富士見町立落合小学校が、140年の歴史に幕を閉じました。
(実際は今年度末3月まであるけど)
26日(土)、閉校記念式典が行われ、
記念碑建立業者としてウチもよばれました。
在校生31名、卒業生、役員、役場関係者…すごい数の人が集まっていました。
ウチは記念碑の碑石の部分を作り、除幕の準備を整えました。
除幕式の後は体育館で式典。
在校生が一人一人夢を語り、会場全体が感動と寂しさの涙に包まれました。
富士見で一番歴史のある小学校。
甲州街道から少し七里岩中腹にあがった、森に囲まれた里山の校舎です。
校庭を見下ろすところにいくつも記念碑があり、昔ウチで建てたものもあります。
これ以上増えることはないんだろうなぁ、と思いつつ除幕の瞬間を見届けました。落合小式典1
落合小式典2
落合小式典3
落合小式典4
落合小式典5
落合小式典6

2011年11月19日

茅野永明寺公園、紅葉まっさかり

茅野の永明寺山公園墓地に仕事の下見で行って来ました。
茅野市の運営する墓地で、永明寺山公園の中腹にあります。
永明寺山の山頂は標高1,120mあって、標高790mの茅野駅から比べると、ぐぐーっと急に高くなった印象があります。
眺めも抜群。
四季折々の美しさがあると思うのですが、今の紅葉の時期はまた格別でしょう。
永明寺1 山頂付近
永明寺2 少し降りた北側
永明寺3 墓地
この墓地、工事する側のことはまったく考えてないんじゃないか、というくらい
工事車両が入りづらい(というか全然入れない)造成になっています。
階段と狭い徒歩用の通路のみ。
その分、使用する石材の量の割には工事費がかさむんじゃないかと思います。
墓石を建てる前でも、コンクリート製の納骨堂のみすでにできあがっているので
傷みやすいのに、と思うけど、普通は補修もしないでそのまま墓石をのせてしまいます。
墓石の形は完全に規格が決まっています。
石の種類や彫刻文字は自由だけど、多くの人が家紋と「○○家」と彫刻しています。
都会的な墓地はこういうパターンが多いのかもしれませんね。
田舎の集落単位の共同墓地の感覚に慣れてしまってるから。
眺めはとてもいいです。
ご依頼をいただいた区画からはこれほど開放的な眺めはとれませんでしたが、
お墓参りに行くこと自体はとても楽しくなれるような、
全体的にはそんな雰囲気をもった墓地でした。

2011年11月17日

小淵沢小2年生町たんけん、ようこそ石屋さんへ

小淵沢小学校の授業の一環として、社会科見学「町たんけん」が行われ、ウチの石屋にも来てくれました。
2年生5人と、つきそいの保護者の方。
普段子どもたちにとってあまりなじみがない、石屋という職場を見てもらえることは、とてもうれしいです。
事前に子どもたちから寄せられた質問をもとに、はりきってプリントも作りました。
説明はほとんど夫が行いました。
某サ○リオで培った、子ども向けの説明。
なかなか堂に入ってます。
町たんけん01
まず工場内の見学。
石を加工する大きな機械や石材のかけらや製品などを見てもらいました。
2年生、ということでまだまだあどけなさたっぷりの、遊び盛り。
機械の大きさに興奮し、ただの砂利石を触っては喜び、ぴかぴかのお墓に顔を映してみたり。
元気な姿に思わずこちらの顔もゆるみます。
町たんけん02 町たんけん03
町たんけん04 町たんけん05
事務所に入って、質問タイム。
町たんけん06
事前にいただいた質問はこんなかんじ。
 1)石はへいきんどのくらいのねだんですか?
 2)1週間どのくらいの石をつくっているんですか?
 3)一日どのくらいの人がくるんですか?
 4)どのくらいの人がはたらいているんですか?
 5)一週間どのくらいのお金をかせいでいるんですか?
なかなかいいとこ、ついてます。
プリントや口頭でこんな風に答えました。
 1)ねだん
石といってもいろいろあるけど、ここはお墓の仕事が多いからお墓について答えます。
石は質(いいかわるか)や採石量(とれる量)によって値段に大きな差があります。
お墓の形にしたときには加工のしかたによってもまた大きな差がでます。
いとう石材であつかうふつうのお墓は50万円から150万円くらいです。
石って高いと思ってるでしょ?でも100g10円しないんだよ。
100g3000円の牛肉は一口で食べちゃいます。
500万の車を買っても10年くらいで乗り換えちゃいます。
でも500万円かけてお墓を建てれば100年でも500年でもずーっと拝むことができます。
それを1日に割り算したら、ぜんぜん安いんですよ。
 2)つくる
やっぱりお墓で話をします。
一軒のお宅のお墓を仕上げるのには何日も何週間もかかります。
通常は百万単位の大きい仕事は月に2〜3軒です。
ちいさな仕事も大きな仕事も一つ一つていねいに進めていきます。
3)来客
石屋は一般のお店と違って、ものを買いにくるお客様はあまりいません。
でもこれからおはかをたのんでくれるお客様や、問屋さん、仲間の石屋さんなど、いろんな人が毎日出入りしています。
でもお店にはかわいい石のふくろうやお地蔵様、きれいなパワーストーンを売っているし、石に関する本もたくさんあるので、もっとたくさんの人が気軽に来てほしいなぁと思っています。
4)働く人
8人で仕事しています。みんなの同級生のお父さんや、1年生のお母さんもいるよ。
5)かせぎ
お墓を頼みに来てくれてから出来上がるまで何ヶ月もかかるので、1週間ぜんぜんお金をもらえないときもあれば、いっぺんに何百万ももらえることもあります。
これからもいい仕事をしていろんな人によろこんでもらって、たくさんかせげるようにがんばります。
店内の販売品や道具展示を見てもらったり、図書コーナーでいろんな本を手に取ってもらったり。
町たんけん10 町たんけん07 町たんけん09
最後に「お墓って何のためにあるの?」という話をしました。
お墓は亡くなった人を埋めるだけのものではありません。
手を合わせてご先祖に感謝するうちに、自分のすすむべき道やするべき行動を見直すことができます。
そういう役割を持った、「心のよりどころ」。
それがお墓です。
みなさんもなるべくたくさんお墓参りしてください。
趣旨はこんな感じで、もっと平易なことばづかいをしたつもりです。
おみやげにパワーストーンのタンブル、好きなものを1個選んでもらいました。
町たんけん08
石やお墓に興味をもってくれればうれしいです。

2011年11月16日

2011ボジョレーと白州塩サイダー

ボジョレーヌーヴォーの解禁日は11月第3木曜日。
我が家ではワケあって一日前に楽しめます。
(ワケもなにも、いとしの久保酒店おやじさんが仕入れてすぐに連絡をくれるから。
どうやら酒屋業界には一日前に入荷するらしい。)
今日は仕事で帰宅が8時を過ぎてしまいました。
でも大丈夫。事前に買っておいたちょっと高級レトルトと冷凍食品でにわかディナーを用意します。
ありあわせの野菜を素揚げにして。
グラスは、八ヶ岳自然文化園のクラフトフェアで出会ったもの。
肉厚でかなり気に入ってます。
ヌーヴォー1
それにしても初物のワインでこれほど騒ぐのは日本人くらいだとか。
できたばかりのワインなんて、まだ発酵の途中みたいな未完成のワインなんて、土地の人たちは好んでガブガブのまないんだそうで。
日本では俳句の季語にまでなってるのにねえ。
チェイサー(?)は塩サイダー。
甲斐駒の岩塩を配合した、甘さだけではないすっきりとした味。
 ヌーヴォー2
はっきり言って毎年のヌーヴォーの違いなんぞわかるわけではないのですが、
旬のものをいただいた、という心の満足が大事なんです。

2011年11月12日

山寺で写経

諏訪エリアで体験プログラム集を企画している「ズーラ」のひとつ、
「信州の山寺で写経にいそしむ」に参加してきました。
富士見町立沢の高榮寺。真言宗智山派。
もう、タイトルだけで惹かれます。
わさわさしてるばっかりの今日この頃。
こういうたぐいでのゆっくりすごすことも心の栄養になるのではないでしょうか。
都合で、TazとKuhも連れて行くことになってしまって、
ご住職さんの説明や法楽などに参加できなかったけど
肝心の写経の間はおとなしくしてくれたので、集中して書くことができました。
写経の前、Tazを落ち着かせるために本堂を出てしばらく境内を散歩していましたが、
その時間が思いがけなくゆとりを生むものでした。
ひなびた山あいの集落。その斜面地域にたたずむ山寺。
おりしも紅葉まっさかり。自然の中のいい空気をすって、写経に備えました。
写経。
印刷技術のない時代に僧侶が教えを学ぶために必要な経典を師僧より借りて書き写したのが始まり。
日本においても天武天皇即位のときが記録に残る最初の写経。
その後平安時代には写経して祈願すると疫病が治まった例もあり、広まっていきました。
印刷技術が進歩した今は、単に勉学の手段というより、願いを込めて功徳を得る修行のひとつとしてなじんでいます。
・・・と「ズーラ」の配布してくれた説明書にありました。
私は写経は今まで何度か経験がありますが、ここまで丁寧に指導してもらうのは初めてでした。
ただ写し取ればいいのではなく、そこに気持ちが入ることが本当の目的です。
写経のしかたや意味の説明、実際に書き始めるまでの準備所作、奉納するときの所作など、
細かくご指導いただきました。
ゆっくり、そういったことをふまえていくうちに、心が落ち着いてきて、
より集中して写経にのぞめます。
写経は座禅修行のひとつでもあるとのことです。
最後にお願いごとを書いて奉納します。
お願いごとといっても、こういう時間を経て書きたくなる願い事というのは
個人的で即物的なものにはなりえません。
やっぱり家族の健康とか、そういう思いやりの心がわいてくるお願いになります。
我が家は般若心経に出てくる漢字の中に子どもの名前が入っているので、
よけいにこころして、あたたかい気持ちで写すことができました。
写経、奉納のあとはくだけた茶席タイム。
お抹茶のほかに、「カフェ利休」なるものがあり、どちらか選べます。
「カフェ利休」・・・エスプレッソのようなものでしょうか。
とにかく濃いコーヒー液が抹茶茶碗に盛られています。
これが不思議。初めに飲んだときには渋くてたまらなかったのが、
お茶菓子を2ついただいた後にのむと、なんともまろやかな甘みがひきたつのです。
この甘みはコーヒーなのかお茶菓子なのか・・・。
2つが絶妙に融合して、ひとつの世界をつくっていました。
写経1
ご住職の奥さんは臨床美術士の資格をお持ちだそうで、臨床美術「てらーと」の教室を開いています。
造形を通じて脳を活性化したり、認知症予防に役立てたりするセラピーのことです。
写経2
さしあたって直近の予定は
 11月27日(日)
 「かぼちゃを造形する」

いいお寺でした。石屋でも時々お世話になっています。
また体験プログラムでもご縁をつくりたいものです。
石屋でも写経セット販売しています。
これからの季節は特におすすめ。
雑念をとりはらって、いい新年を迎えましょう。