おかみブログ

2008年7月3日

包丁生まれ変わり

トマト、ピーマン、なす、たまねぎ・・・。
続々と登場する夏野菜を上手に調理するにはまず包丁から。
特にトマトなんか切れない包丁を使っていると、皮と身がつぶれてサイアクです。
たまねぎも切り口がギザギザだと目にしみる。
我が家の包丁の切れ味が悪くなると決まってお願いするのが高根の刀鍛冶屋さん、加藤さん。
加藤さんはダマスカスナイフづくりがご専門ですが、持ち込めば刃物研ぎもやってくれます。
知り合いが、切れ味がよくなって料理が嬉しくなる、と大絶賛だったので一度お願いしてみたら
これがすばらしい。以来何度もお願いしています。
一度この切れ味を知ってしまうと定期的に研いでもらわずにはいられません。
包丁の状態にもよりますが、1000円くらいで研いでもらえます。
包丁
指だって、気を抜いていたらちょっと触れただけでスッと切れてしまいます。
加藤さんが手渡すときに必ず「手を切らないでね」と注意してくれるにもかかわらず
不覚にも今日は切ってしまいました。
一瞬何が起こったのかわからないくらい痛みがない。
あっと思ったときには血が出てるのですが、
不思議とすぐくっつきました。
さあ、採れたてのズッキーニをいれてラタトゥイユをつくろう。
加藤さん(加藤鍛錬所)の連絡先は「おらんうーたん」(八ケ岳のクラフト作家ネットワーク)に載っています。
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2008年6月9日

木の葉の空間

小淵沢篠原の森、ギャルリーアビアント。
アビアント1
緑の葉の間からそそぐ柔らかい光がふりそそいで
建物全体がうっとりするような美しさを誇るギャラリーです。
ここで、画家・神保隆さんの個展を開催中。
アビアント2
淡い色彩、自然や風景をモチーフにした抽象画。
余分なものが何もない、一面乳白色の漆喰の壁。
そこにあまりにもなじんだ今回のテーマ『木の葉の空間』の絵10点余り。
長細い小窓から垣間見えるきらきらした緑の葉とあいまって、静かな美しい空間を作り上げています。
絵は、色のパーツが確かに葉っぱのようにも見えるし、
その葉っぱが集まって丸い地球をトレースしているようにも見える。
それにしても、絵って、それを飾る空間と一緒に「美」を作り出すんだなぁ。
白馬に取材に行ったとき、その移住者の人が語っていた、
「自然は絵の最高の師匠」っていうのと似ている。
アビアントでは1階が壁面フレスコ画の常設展示スペース、
2階が企画展スペースになっています。
1階ではお茶もいただけます。
ホームページ→http://homepage2.nifty.com/gabient68/
神保さんの個展は6月末まで、開館日は金・土・日・月曜日、時間は11時〜17時。
神保さん本人にもだいたい会えます。

2008年4月20日

春だけどオータム

オータム1
白州台ヶ原宿に昨年オープンしたコーヒーとジャズのお店。
「Autumnオータム」。
ひさしぶりに白州まで下りました。
白州・武川方面の桜は既に花の盛りを過ぎ、青々とした若葉が開いてくる頃です。
最近はこちらの方面へひとりで来る用事が少なく、お気に入りのこのお店にも少し足が遠のいていたところでした。
今日は少し時間があるし、仕事の義理もあるし、立ち寄りたいところ。
でも実はお腹の調子がよくなく、あまりコーヒーを飲む気分ではありませんでした。
オータム4オータム3
全国の道百選「台ヶ原宿」、ジャズレコードがいっぱいあって、新しいくせに古びた味わいを出した内装、しばしの喧噪を忘れられる異空間です。
ここには飲物はコーヒーしかありません。
マスターが自家焙煎した豆をわざと時間のかかる煎れ方をしたこだわりの一杯。
こんな体調だけど、ここにきてコーヒーを飲まないわけには行かない。
だからちょっとひかえめに「今日、薄めにしてください」とお願いしました。
オータム2
カウンターに座った客は自分で豆を挽かせてもらえます。
自宅のとはまったく挽きごこちの違う高級ミル。
そして約8分後に出てきた一杯は・・・
オータム5
「甘い・・・」。
なんなのでしょう。
コーヒーのくせにえぐみも苦味も酸味もすべて甘味の中に覆われた、とてもとてもやさしい味。
まろやかで、やわらかくて、まるで穀物コーヒーを飲んでいるかのようなやさしさです。
「マスター、私今日こういうの飲みたかったんです」
心の底から言いました。
「そう?」
知ってたよ、といわんばかりのさりげない返事。
すごい、こりゃホンモノだ。
おなかも心もあったまって、具合の悪いのもどこかへ飛んで行って、
まさに至福のひとときを味わえた、
春のオータムでした。

2008年4月1日

オトナの酔い処・庫樂

待ちに待った肴と地酒の創作和食処「庫樂」のリポート!
小淵沢篠原の森に2月にオープンしたお店です。
うれしくてうれしくてオープン初日に行ったのですが、いい写真がとれなかったうえ、娘の水疱瘡事件が重なったりなんだかかんださぼっていたので今日のアップになってしまいました。
まず入口にこの品揃え。
くら1
私もそんなにマニアックではありませんが、どちらかというと玄人ごのみ、といえるようなメニューです。
数出してないけど、確実に旨い!みたいな。
まずは一献。
くら2
器のセンスが粋。どっしりとした焼き物の徳利?とお猪口はきゃしゃなガラス製。
初日に伝えられなかったのが悔しくて、今回ひとりランチに行きました。
産地直送お刺身膳1500円。
くら3
くら4
庫樂はとにかく刺身が旨い。
おかみさんが富山の魚屋さんの娘だそうです。さすが!
ランチは1100円の丼御膳から3500円のコースまで数種類。
夜はアラカルトメニュー多数。焼き物、揚げ物、ご飯ものなど。
内装は黒を基調とした柱と梁に珪藻土壁、それでいてスタイリッシュな金属ランプシェードだったりして、古風と現代感覚が見事に調和したおしゃれなもの。
寡黙な職人風情の親方と、威勢のいいおかみさんの絶妙な接客も居心地よし。
旨い肴に旨い酒という、量より味や雰囲気を求める大人のための、新感覚和食処です。
僭越ながら石のプレートを記念に差し上げました。
くら5
黒御影石にカッティングシートを貼ったもの。
「樂」の字の調整が間に合わず、新字のほうで勘弁していただきました。
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2008年2月23日

日野春の豆腐屋さん

長坂町日野春。
昨日はその地名にふさわしく春の陽気でした。
仕事も兼ねた友人との町めぐりで、たまたまみつけたステキなお店。
豆の花
豆の花1  豆の花2
県道17号沿い、日野春小学校入口信号のところにあったJA会館を改造して古民家風の内装にしたお店です。
隣の建物で作った手作り豆腐をメインに、手打ちそば、うどんを食べさせてくれます。
豆の花3 ←そば定食800円
知的障害者通所授産施設「春の陽」さんが運営しているショップ。
手作りのあったかさに、細かい気配りの利いた、とても居心地のよいお店でした。
なんと食事営業は火・木の12:00〜14:00しかやってなくて、
この日も「なんのお店だろう・・・」と遠巻きに見ていましたが
「入ってみようよ」という友人ツトムちゃんの一言が当たりました。
もう1人の友人はマクロビオティック料理人(?)。
そんな一行にぴったりのお店でした。
たまたまこの時間に立ち寄れた幸運と鼻の利く友人に感謝です。
豆腐販売は月〜金10:00〜15:00。
豆腐マフィンやおからクッキーも素朴でおいしい。
こどものおやつに安心してあげられます。
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2007年12月6日

ペットボトルの意外なリサイクル

小淵沢駅に出現した氷のクリスマスツリー
ペットツリー1
・・・ではなく、ペットボトルを重ねて作ったツリーです。
4種類のサイズのボトルを集め、ピラミッド状にしたもの。
遠めに見ると氷みたいで、電飾や飾りが透けてきれいです。
八ケ岳の冬はよりのイメージだから、ちょうどいいですね。
なかなかのセンスです。
駅員さんがみんなで手作りしたとのこと。
待ち合わせスポットになるか??

2007年12月4日

虎落笛、北風、木枯らし、八おろし

俳句会に入門し、今月の句会で3回目。
「歳時記」という季語辞典も入手し、気合は入っているものの、出されたお題にアタマを悩ませています。
こんどのお題は「虎落笛」。
竹垣などを通り抜けるときに「ぴゅー」っと鳴る風の音をそう呼ぶんだそうです。
ビル街の音も現代では虎落笛に入るそうで、いかにもさむそーな冬の自然現象です。
冬の風といえば「隙間風」「木枯らし」「北風」などがありますが、我が地方での共通語といえば、やはり「八ケ岳おろし」でしょう。
八ケ岳の西肩から吹き降ろす、乾燥しきった風。
その冷たさといったら。
「カキーン」と瞬間冷凍するんじゃないかという勢いです。
郷里の六甲おろしなんぞかわいいもんです。
圃場整備された田んぼの真中にいると、立っていられないくらいの強さ。
しばしば「どどーっ」とごう音をたててふきおろしてきます。
「風の又三郎」はこの八ケ岳おろしがモデルだというのを、ここに来てやっと知りました。
なにしろ「どっどどどどうど」ってほんとに鳴るんですから。
賢治を読んだことのある人なら、そんな解説を受けなくてもこの音をきけばピンとくるはず。
移住して10年目、首をすくめながらも「おー!来た来た」と笑いのネタにできるようになりました。
これで、谷桜の「八つのからっかぜ」で一杯やれれば言うことなし。
「どどーんと来いっ」
こういうノリのときに意外と句って出てくるもんです。
あっ一句思いついた。
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2007年11月1日

ブルーベリーの紅葉と幸せランチ

ウチの庭のブルーベリーがただいま紅葉真っ最中。
ブルーベリーの葉ってきれいな明るい柿渋色に変わるんです。
花よし、実よし、葉っぱよし。庭木にはもってこいです。
造園担当の恵風舎さんありがとう。
八ケ岳ベリーランチ3
でもさすがに株のまわりに宿根草が多すぎか・・・
きれいだからそのままにしておいたら、どんどん増えて収集がつかなくなってきました。
負けるな、ブルーベリー。自力でがんばれ!
来年は3年目。そろそろ収穫も本腰入れたいところです。
ブルーベリーといえば、摘み取り体験でおなじみのレストラン「八ケ岳ベリー」
お母さんと娘さんの美女2人が迎えてくれる、心あったまる家庭風洋食屋さんです。
娘さんのメグちゃんは私と同年代。(もうちょっと若いか)
娘と2人で行ける稀少な外食先で、かわいらしい笑顔と気の置けないナチュラルな接客ゆえに、私も娘も大ファン。「子供に好かれるのよねー。おともだちだと思ってるんじゃない?」
入口にはトレードマークのブルーベリーの鉢植えが。
八ケ岳ベリーランチ1
やはりきれいに紅葉しています。
この日は仕事中のランチで。
外歩きをしていると何が楽しいってお昼ごはんです。
特に一人で調査などで出ているときは道々、「今日は何食べようかな〜♪」ということで頭がいっぱいです。
この日は洋風定食の気分でした。
八ケ岳ベリーランチ2
・煮魚と緑黄色野菜の素揚げのせ
・カキフライ
・黒豆納豆オムレツ
・青菜の胡麻和え
・キャベツせんぎり
・味噌汁
・ライス
・一口スイーツ

彩りよく、野菜や豆のバランスも考えられてて、フライはサクッジュワッ。
これで、平日880円(だったと思う。とにかく1000円以下)の良心価格。
マイ箸効果もあいまって、まるで家で食べているようなくつろぎが得られます。
ランチは日替わり。だから何度行っても飽きない。
ところで、今日娘はお迎えに行くなり「おしょくじいく、メグちゃんいく」と外食せがみ。どうも、バーバがお友達とどこかにお食事に出るところだったので、自分も連れて行ってもらえると思ったみたい。なんとか言いくるめて家の食材を消費しましたが、あーあ、こんなとこまで親に似ちゃったなぁ。
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2007年10月24日

八ケ岳の紅葉

買い物のついでに思い立って足をのばして観音平へ。
八ケ岳のひとつ網笠山の登山口です。
正確にいうと、その手前の富士山の眺望を望める展望台までですが、標高1500mの八ケ岳中腹はすっかり秋の色になっていました。
カメラを持って出なかったので画像でお伝えできませんが、八ケ岳住人なら想像つくでしょうし、住人じゃない人に素人写真の1、2枚でお伝えできるようなシロモノではありません。
あの色彩はカメラにおさめるのすらもったいなくて、こっそり脳みその個人フォルダにロックして保存するのがいいんだと思います。
カラマツの濃い黄色をベースに黄〜赤茶のグラデーション、部分的にスギやアカマツの濃緑がアクセントとなって、宝石のような蒼い南アルプスはうっすらと初冠雪の白布をかぶっている・・・。
・・・やっぱり貧困な表現だ。
先日お会いした東京からの人が言ってた言葉を思い出しました。
サクラとナラ中心の雑木林を案内。(この組み合わせは八ケ岳の森によくあります)
「これからの季節、紅葉がきれいですよ」といったところ、
「サクラって紅葉するんですか」。
サクラは落葉樹なので、当然葉が落ちる前に紅葉します。
赤茶色、部分によってはワインレッドのようにも見えたりします。
そういえば、サクラの紅葉って私もここに来るまであまり意識したことがなかったかも。サクラといえば「花」ですから。(和歌・俳句の世界でも、「花」=サクラ。)
並木道や公園などのように、単独や人工的に植えた木は、愛で方も限られてしまうのでしょうか。
サクラの紅葉は八ケ岳で見るとそれだけでもなかなか色が濃くきれいですが、もっとステキなのは山ごと紅葉する中で、ちゃんと自分の居場所や役割を発揮して、まわりと一緒になってること。
多彩な色彩の一部となることで美しさが倍増してるのですね。
まさに「色彩のマジック」?
ウチの庭にもカマツカとムシカリという落葉樹を植えてあります。
大きくなって、田んぼの黄金とあいまって、いい紅葉風景になってくれるといいなぁ。
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2007年10月20日

自宅で十割そば道楽

大泉の元・カフェ風音さんがお店を休業して1年になります。
休業したのはこちらにひきとったご両親の介護のため。
あんなに流行っていたお店をスッパリたたんだと思ったら、最近ご主人が画期的なサービスを始めたというので取材に行ってきました。
十割そば麺の出前。
地元八ケ岳産のそばの実を石臼で丁寧に挽いたものをご主人が配達の直前に打ちます。希望があれば配達先でその実演もしてくれます。
注文は2日前まで。ここさえクリアすれば気兼ねのない自宅でゆっくり、おいしいそばが安く食べられます。
八ケ岳にそば屋が多いのは以前このブログでも書いたとおりですが、それらのお店の共通点は量が少なく高いこと。
せっかく来て、この量??というくらい満腹感に欠けるのが、とにかくいつも残念なのです。
自宅なら、そばだけでなく、自分でてんぷらを揚げたり、たきこみご飯を炊いたり、いろんなおばんざいを用意したりしても、そんなにかからない。
まさに画期的な隙間ビジネスといえるのではないでしょうか。
次のような利用に向いています。
1.ホームパーティの話題メニューとして
2.お年寄りや小さな子供をかかえて、なかなか外食できない人に
3.部屋でくつろぎながら、こだわりそばで一杯やりたい人に
今日のウチの夕食の場合は上記全部あてはまります。
そば打ちをする人なら常識なのでしょうが、そば打ちはとてもデリケートな作業。
パンづくりはぐいぐい押してこねてこねてたたきつけて、というのが独断的な私のイメージですが、そば打ちはやさしくやさしく包み込むように混ぜてまとめてのばして切って、と一連の作業を進めていきます。
こういう作業を目の当たりにすると、そばに対する打ち師の「アガペ」にも似た感情が伝わり、こちらにも食する時間そのものを大切にしたいという気持ちが湧いてくるのです。
茹でるのは自分自身。これを面倒がってはいけません。
というより、前述のそば打ち作業を見ていれば、こだわりのそば作りにワンステップ関わることが何か崇高な理想を一緒に追っているようで、おいしさが倍増する気になるから不思議なのです。
そば打ち1 その日の湿度や温度を考えながら手早くしかし根気良く混ぜる。
そば打ち2 力で練らずに少しずつ包むようにまとめながら空気を抜いていったそば玉
そば打ち3 決して力をいれず巻く時のわずかな圧力でのばしていく。
そばうち4 少し太めに切るのが風音流。香りが逃げにくいとのこと。私の好みでもある。
そば打ち5 そして茹で上がった麺。
グラグラ沸騰したたっぷりのお湯に1食分ずつ入れ、箸で2〜3回ほぐしたあと浮いてきたやつをすばやくザルですくいとる。所要時間1分たらず。箸でぐりぐりかきまぜたお父さんは切れ切れの麺になってしまいました。
食べ方は自由ですが、風音さんのおすすめはまずそのままで。
それから天塩などを少量振りかけたり。
たれにつけるのはその後、それもどっぷりつけるのではなく先っぽをちょろっと。
「これで旨い酒でもあれば、もう最高ですよ」という言葉に一番反応し、なじみの酒屋(久保酒店)へ直行。
「かくかくしかじかなので、旨い酒ください」と言ったら出してくれたのが横笛のひやおろしでした。
そば打ち7
親も子も大満足!
そば打ち6
手打ちそば「善三(ぜんさん)」
●手打ち十割そば1食分 700円
 つけ汁、茹で方プリント付
●出張先そばうち実演 所要時間約30分 2500円
※ただし出前は北杜市内のみ、注文は2日前まで、5食以上。
TEL:0551-38-1230(カフェ風音)
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