フキ煮をたいらげる
石屋の仕事は小淵沢町内とお隣富士見町が多いですが、
その中でも自宅のすぐ近くのご近所さんのお宅の追加彫りをしました。
まさに、「おらが町の石屋さん」でいさせていただいて、ありがたい限りです。
そのお宅の奥さんが、さきほど自宅にお支払いに来てくれました。
都会では支払いというといまや振込がメインでしょうが、
田舎は集金や来店でいただくことがまだまだ多いです。
特にウチは、お金をいただきながら故人の思い出を語ったり、世間話をしたり、お墓の維持管理のしかたをお話したり、というおつきあいを大切にしたいので、片道10km以内くらいはだいたい集金に行きます。
お金を確認し、気持ち、端数はお返しして、「ありがとうございました」と一通り終えると、
奥さんが「フキ、食べる?」と手作りのフキ煮をくださいました。
「フキ、大好きです!」
こうやって、お互い負担にならない程度のおみやげを添えるのも、田舎ならではでうれしいです。
「ほら、あんた、イケる口だからさ。いっぱいやりながら食べろし」とバレバレのところも、なんだかうれしいです。
この時期ならではの家庭料理。
生えているのはよくみかけるのですが、アクをとったり、固いところの皮をむいたり、煮詰めたり、という工程はけっこう手間。
私も以前、1〜2度つくり、おいしくできたときもありましたが、
そのときは夫も長女も「クセがある」といってあまり食べてくれませんでした。
アク、それなりにぬけてたはずなのに。
彼らはもともと、この手の山菜が苦手なのです。
今回は、ちょうど私の酒のつまみにいいくらいの量だし、ひとりでたべちゃお、と思っていたら、
なんと、いつのまにかTazとKuhがむしゃむしゃと食べているではありませんか。
ちょっとちょっと、いくらなんでもそんなにいっぺんに。
この二人は、明石のいかなごのくぎ煮や、諏訪湖のわかさぎから揚げなどが大好物なのです。
おばちゃんも子どもがこんなに喜んで食べてくれれば本望かもしれない、と寛大な心で見守るのもここまで。
こらー、おかあさんの酒のつまみだぞ。
心の狭い、ハハでした。