おかみブログ

2011年3月7日

新雪かきごおり

朝から雪になりました。
春彼岸前後にはいつもドカっと重い雪がふります。
あたたかくてべちゃべちゃしているのですぐとけてしまいます。
雪の中を飛ぶシジュウカラ。
つかむとすぐかたまってとけてしまう春の雪。
手がすぐにぬれてつめたくなって、真っ赤になる。
大人は想像するだけでやめとくけど、こどもは考える前に五感で確かめます。
食べ物がこんなにあふれて、濃い味のお菓子やジュースにも目がないのに、
それでも雪を見ると口にいれたくなるのがこどもの性分のようで。
Mooはなるべく新しい雪を探して畑や山に入っていったりするのですが、
Tazはやたらとそのへんの雪をさわっては口にいれます。
「たべちゃだめー」大人は雪がきたないと思う。雪かき大変だなーとため息をつく。
こどもは雪をみると純粋にきれいだと思う。
きれいだから触ってみたい、手型足型をつけてみたい、口にいれてみたい。
今は車で移動して、家の中はストーブつけっぱなしであったかくって、食べるものも親に与えられて。
そんな中では少々おなかをこわそうが手がしもやけになろうが、雪に触れる感覚ってとても貴重かもしれません。
新雪がふわふわで冷たい、なんていう感覚が将来仕事に役立つかどうかはわからないけど、
五感を使わなさすぎの私には考えられないほど、こどもの脳の中ではいろんなところが刺激されているにちがいないと思います。
「雪って冷たいけど、おなかに入れるとなんかおなかがあったかくなる」Moo談。
森のようちえんピッコロでは、きれいな新雪にりんごジュースをかけたかき氷を食べます。
強い菌で重い病気にかかるのは防ぎたいけど、少々のことではおなかをこわさない体に育ってほしいものです。

2011年1月21日

平日のおやすみ

朝食のあと、Mooがいつもの声で言いました。
「おかあさん、おなかいたいからほいくえんやすむ。」
ごはんもひととおり食べ終わり、身支度をして、今にも出発しよう、というとき。
「どういうふうにいたいの?」
「おなかの奥がくーってささるようなかんじ」
「うんちじゃないの?」
「ちがう(きっぱり)」
「ほいくえんにも行けそうにない?」
「うん。ほいくえんいって、げんきにあそんだらもっといたくなりそう。」
「(元気に遊べそうなら問題ないじゃん)どうしても休みたい?」
「きょうはだいじをとってゆっくりしてる」
「(なに、産後の40代のおばさんみたいなこと言ってるの)」
保育園は好きだし、理由もなく休みたいとは言わない子です。
具合もそんなに悪そうではないのに、今日はどうしたんだろう。
赤ちゃんが生まれて、2才の妹の面倒が一気に押し寄せてきて、甘えてるのかな。
もうすぐ小学校だし、こういうのをどこまで許していいものか迷うところです。
が、今日は休ませることにしました。
Tazだけを送って、また帰ってきて、赤ちゃんのお世話と家事にバタバタしている間、
Mooは本を読んだり、おもちゃを出してきて遊んだり、家の中をうろうろしたりしていましたが、
こちらも少し落ち着いた頃、
「おかあさん、きょうおかしのいえつくりたい」
なるほど。それか。
少し前に親戚のおばさんがKuhのお祝い品を送ってくれて、おねえちゃんたちにもいろいろ贈り物を入れてくれていた中に、クッキーで作るおうちのキットが入っていました。
Mooと作るのにちょうどいいのですが、ネックはTaz。
時間も手間もかかりそうな、このキット。
作っている間、おとなしく見ているとは思えません。
遊び感覚でTazにも参加させるのも、ちょっともったいない。
せっかくだったら結果もそれなりに出したいですから。
「Tazがいないときじゃないと作れないね。Tazだけほいくえんに行っててもらって、Kuhがしっかり寝てるときをみはからって作れるかな」
と私が言ったのを覚えていたようです。
変にひねくれた仮病じゃなくてよかった。
おりしもおとうさんの誕生日が近い。
そういうことなら今日思い切って作っちゃうか。
娘と一緒にお菓子作り。
ついつい手を出しすぎたり、「なにやってんの!」ときつめに言ったりすることもあるのですが、
やっぱり、いいもんです。
こういう楽しみはせめて月1くらいはやりたいなぁ。
思いのほか時間がかかって、この日はクッキーを焼き上げるだけでTazのお迎えの時間。
組み立ては翌日に回しました。
そして完成品。
おかしのいえ
おとうさんへ、自分からのお手紙と、Tazの代筆のお手紙をそえて。
「おかあさんもかきなよ。」とエラそうに言われたけど、書いてません・・。
そしてなんと、おとうさんもこの日自分の誕生日を意識したのか、ケーキを買ってきてくれました。

2010年12月14日

さんばさま!


助産院の院長先生は愛すべきおばちゃん先生。
妊産婦と赤ちゃん、家族みんなに大きな愛情をそそいでくれます。
お産の後の母児にほんとうに必要なものはなにか、いつも考えていてくれます。
入院中は毎晩ショウガの足湯とオイルマッサージ、乳房マッサージ(激痛だけどめちゃめちゃ出る)、そして手作りの夜食。
きれいな設備や産後エステ、家族同伴のお祝いディナーより、全然実質的で気持ちのこもったサービス満載でした。
なにより細かい気遣いが直接信頼につながって、どーんと安心、マタニティブルーもどこへやら、という感じなのです。
今日の夜食もすてきでした。
「今日の夜食は もつれあ だよ」
夜、足マッサージをしてくれながら先生が言いました。
もつれあ?
半なまのモツ肉だろうか。
「パンにトマトとチーズどっさりのせてやる」
あー、モッツァレラ。
そして例のごとくそい乳で寝かしつけ自分もウトウトし始めた午前1時頃。ふつうに大声でだしぬくにドアが開く。
「ほれ、ピザトースト。今オーブンから出したばっかり。冷めないうちに今すぐ食えし。わかめスープはわかめ入れすぎちゃったからお湯足して。こっちはカモミールティー。ぐっすり眠れるよ」
ドーンと分厚いパンにモッツァレラチーズがテンコ盛り。ナイフでも切れないので、それこそなりふりかまわずかぶりつく。格闘したあげく、カモミールティーでほっと一息。やれやれ。
次の日はおしるこ。小豆を豆から煮込んだ本格家庭料理。甘味おさえてお餅もたっぷり。極ウマ〜。
もちろ食べ物だけに感謝してるわけじゃないんですが、この先生、偉大です。

2010年12月13日

母子整体


この助産院のもうひとつの魅力は、母子整体をしてくれることです。
私はもともと背骨がS字に曲がった側湾症の気があり、日頃の運動不足もたたって、前のお産は初期から腰痛に悩まされました。
骨盤のゆがみを矯正することが安産、産後の体型維持(できればもっとナイスバディにならないもんかしら)につながると知り、そんな産科を探したところ、好運にもこんな近くにあったというわけなのです。
院長先生の娘さんで助産師兼整体師のユキ先生が、詳しく教えてくれます。
妊娠中は腰痛肩凝り・早産予防のために適度な引き締めが必要、お産で最大限に開いて緩みきった骨盤に無理な運動は厳禁、適切な位置に骨全体を矯正しながら、回復を促す。矯正には正しい体操や手技が必要。
そしてベビー整体。よく「頭の形がいい」とか「向き癖がある」とか言われますが、実はその子の一生に関わる大問題。正しい姿勢で成長することが運動神経、能の発達、生活習慣病すべての基本なのだそうです。
赤ちゃんの抱き方、寝かせ方、動かし方の詳しい指導を受けます。
赤ちゃんをだっこして、母のスクワット。上下に動く感覚は赤ちゃんも大好きで、お母さんのトレーニングにもなって一石二鳥。
赤ちゃんの背骨をきれいなC字に保つ便利クッション。安心できる姿勢なので赤ちゃんもすやすや。前の産院では固い陳列台の上に仰向けで寝かされていたのがいまさらながら心配になるほど。
「歪んだ体は不利です。逆にきれいな姿勢の子に育って、ウチの産院から有名スポーツ選手とか出てくれるといいですねー。」とマジメに期待するユキ先生でした。

2010年12月12日

オリオン・ボーイ


9日夜、オリオン座が低く東の空に輝きだした頃、出発。
弱いけど定期的なおなかの収縮が感じられたので、一応連絡して検査のつもりで産院に行きましたが、
夜半過ぎ、にわかに痛みが強くなったと思ったら、夜中の2時頃あっという間に生まれちゃいました!
オリオン座の強さに導かれた、男の子!
前の2人が丸一日と、長くかかったことを思えば、異例の早さです。
経産婦ということもあるけど、これはやはり助産院指導の骨盤ケアが効いたんじゃないでしょうか。
骨盤に歪みがなく、上手に産道を降りてこれれば安産になるとのこと。
それにしても陣痛って不思議なもの。
痛くないときはほんとになんでもなくて先生からのさし入れのおにぎり2個だってぺろっと食べられちゃうんだから。
「そうだよ、赤ちゃんがこのホルモンをつくるの。これつくらせないで、促進剤で産まれた赤ちゃんは成長してからどっか安定しないんだよ」確かこんな説明だったような。
「それにしても、あんた、体調管理は満点の妊婦さんだったね。その調子でなりふりかまわず食べときな。お産は体力使うだから」
出産後まる一日は誰とも会わずとにかく横になってろ、との指令。疲れたけど気分爽快、フルマラソンを完走した気分ってこんな感じなのでしょうか
三度の食事がなにより楽しみ。
ボリューム満点の古典的なスタミナ食を一粒残さずきれいに食べ切ります。
これで乳ださなきゃただの食い逃げだ。
だけど先生、「心配しなんでも、あんた、出るよ。だけどミルクをやるのを罪悪感感じちゃだめだよ。忙しい時は便利な道具だから。上の子たちの相手もしてやんなきゃいけないしね。」この言葉には救われます。
2日目の夜はショウガの足湯とお灸をしてもらいました。
夜中、何度目かのおむつがえと授乳のあと、ようやく母子ともうとうとしかかったとき、突然先生のマイペースな大声が。
「ボタモチ食うけ。あたしが作っただ。おっぱいやってるとおなかすくだよ。」夜食と呼ぶには少々夜更けすぎる午前3時。この先生、いったいいつ寝てるんだろう。
でもすごく嬉しい。確かに7時の夕食から 8時の朝食まで何もなくて、その間ゆっくり寝てられないんだからお腹がすきます。
明日は夜食用のパンでもお父さんに買ってきてもらおうと思ってたところ。
手づくりのほんのり甘いボタモチがどれだけありがたいか。しかも梅干しとおすまし付き。
「どうでも食わせようっつうだから、迷惑な話だよねぇ、ガハハ。けどうめぇぞ、食っとけし。(赤ちゃんに)おい、うるさくしなんで、おりこうでいろし」
こんな調子で助産院でのつかの間の休息と赤ちゃんとの蜜月を楽しみます。

2010年11月20日

ウェディングパーティに園児おしかけ!

今夜はMooが待ちに待っていた結婚パーティ。
保育園の先生で、Mooが年中組のときにお世話になって、Tazも今年の途中まで担任してもらっていた、若い先生が結婚するのです。
5才くらいになると、女の子はやっぱり「およめさん」に夢中。
きれいなドレスを着て、華やかにお祝いされる場、というのはワクワクするみたいです。
私もこの年になってもやっぱりそんな場は大好き。
花嫁さんはじめ、女性がきれいにしている姿を見るのはいいものですもんね。
このパーティに、もちろん園児は呼ばれていないのですが、
(リゾートホテルの)リゾナーレに勤めている保育園ママのよびかけで、当事者に内緒で式場側と連絡をとり、
サプライズ出演しちゃおう、ということになりました。
パーティは夕刻から。
塩尻の「フェリスクレール」という式場は小淵沢からは少し遠いし、時間も時間なので、行ける家庭だけ連れて行こうということになりました。
それでも10人以上の園児(さすがにみんな女の子ばっかりだけど)とその親が集まりました。
先生の人徳ももちろんだけど、みんなイベント好きなんですねー。
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会場の外でしばらく待機していると、保育園で事前に作ったビデオレターが流れているのが聞こえます。
参列者の先生方の企画で、園児たちがお嫁さん先生あての歌を歌ったものです。
保育園の先生の誰かが考えたんでしょうけど、この歌が、またすばらしい!
「にんげんっていいな」の替え歌です。
 ♪●●せんせいおめでとう ハッピーハッピーウエディング
  △△さんといつまでも しあわせに
  いいないいな けっこんっていいな
  おいしいごはんに ぽちゃぽちゃおふろ
  あったかいふとんでねむるんだろな
  まいにちまいにちえがおがいっぱい
  にこにこラブラブ ばんばんざい
これには列席者の人全員ほほえまずにはいられません。
そしてその直後、袖で「●●せんせい、おめでとー」の生声が聞こえたかと思うと、
かわいい園児たちが手に手に花束を持って登場。
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会場、騒然。そして笑顔の渦!
迷惑をかけてはいけないので、集合写真を撮ってすぐ退場しました。
それでも子どもたちはしばらく興奮気味。
ひとしきり廊下できゃあきゃあ言って、めいめい家族と一緒に食事をして帰りました。
楽しかったねー。
子どもたちが寝てから、今年のボジョレーヌーヴォー(久保酒店推薦)で乾杯。
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2010年9月25日

助産院の様子

3人目のマタニティーライフもいよいよ8ヶ月目に入りました。
今回は2人目以上にあっという間に過ぎていきます。
そしてぜんぜん特別な出来事、というかんじがしない。
昔の人はこうやって、5人も6人もフツーに産んでたんだろうなぁ、と改めて想像したりします。
まず病院との距離が上2人と決定的に違います。
北杜市には分娩できる施設がないので、諏訪か韮崎・甲府へ流れます。
なんとなく、せっかくだから今回は違う形で産もうと思いました。
上2人は諏訪のクリニックに通いました。
産婦人科専門の、ゴージャスな個人院で、日程も検査も指導も徹底的に管理され、資料も豊富、至れり尽くせりの健診でした。
8週目に入るか入らないかくらいで、もう分娩の予約をとるよう勧められます。
9ヶ月目に「お腹が張る」と訴えると、早産がいかに大変か(妊婦本人だけでなく病院側にとって)を切々と語られました。
分娩を扱っている病院が減ってきて、扱う病院にしわよせが行ってるからとのこと。
産科の現状を思い知らされる気がしました。
今回は、あまりそんな危機感を持たずに、するすると時間が過ぎていきます。
普通に産める、というヘンな自信があって、今回は助産院で産もうと決めました。
10週目頃初めて電話をすると、
「おたく何人目?いつの予定?」とややぶっきらぼうなオバチャン声。
「ああ、3人目なら別に(説明は)いいね」
「・・・健診もそちらでお願いできるんでしょうか」
「そうだね、一回N医院(産婦人科・小児科・内科/分娩は行っていない)行ってきて」
「いつ頃いけばいいですか?」
「別にいつでもいいよ、明日あたり行ってくれば?」
「えっと、いきなり明日はちょっと予定が・・・」
と、かなりアバウト〜な印象。
まあ、こちらも今のご時世ネットでいくらでも週数や予定日は自動計算できるし、正常な場合の今の週数がどういう状態かもわかってて、体調を客観的に見ることもできます。
お産って、ほんとに経験仕事だなぁ。
ただ、きちんと健診にだけは行っとこうと決めていました。
子どものためにも自分のためにも、そして医療社会のためにも定期健診は必須です。
ですが、初めに行った病院は助産師さんの指定のところではないところに行ってしまいました。
特に深い理由があったわけではないのですが、ネットで口コミ情報があったから。
Fクリニック(同じく産婦人科・小児科・内科、分娩取り扱いなし)の先生は少々硬い口調で、
てきぱき淡々と数字の説明をしてくれました。
以前の病院では検査数字の見方をこれほど詳しく教えてくれなかったので、勉強になりました。
そこに3回ほど通い(つまり3ヶ月期間)、そろそろ助産院に行こうと思ったところで、もう一度助産院にTEL。
そしたらやっぱりN医院と提携しているせいか、そちらに行ってから来るように言われたので、
今度こそN医院に行きました。
「かくかくしかじか、助産院で産むつもりなんですけど、そちらに一度行っていいですか?いつ行けばいいですか?」
「定期健診は平日の午前中です。」
予約とかしなくていいのかなぁ、と半ば不安になりながら登院。
すると、
「え?まだ助産院で診てもらってないの?こまったなぁ、先にこっちへ来るケースは初めてだからなぁ」
と、結局診察なしで帰されました。
初めて、っていっても、おたく専門家じゃないの??
要するに・・・
健診から分娩まで一貫した病院じゃないせいか、あっちこっちへふりまわされるハメになった前期だったという感想です。
別に気分を害したわけではないけど、こりゃ自分がちゃんとしなきゃ、と改めて感じたのでした。
さて。
そんなこんなで助産院に通い始めてやっと3回目が過ぎました。
この助産院の最大の魅力は、赤ちゃんを赤ちゃんとして扱ってくれることです。
つまり、妊婦の体内物質の症状を診る、のではなく、一人の人格として看てくれるのです。
エコー検査のとき、助産師先生はすごくすごく時間をかけます。
体の各部位の様子を、異常がないかだけでなく、この子がどういう気持ちでいるかを説明しながら見せてくれます。
そして赤ちゃんに話しかけ。
「あかちゃーん、先生の声覚えてる?いいかい?ちょっとお写真とってあげるからね、おててはずして30度右に向いてくれる?ほら、お母さん笑ってて、信じてないでしょう。赤ちゃんはわかるんだよ、みててごらん、ちゃんと言うこと聞くよ」
その言葉のとおりになったかどうか、いまいちエコー画像の見方がわからない私には不明ですが、赤ちゃんはほんとにちょっと体勢を変えたようでした。
「話しかけるの、とても大事だよ。赤ちゃんは全部わかってるから。話しかけてるお母さんの声はちゃんと覚えてるんだよ」
この助産院では先生の娘さんも助産師で、骨盤ケアの指導をしてくれます。
最初の子のときほど痛くはないですが、私は妊娠初期から腰痛に悩まされるほう。(既にゆるんでしまってるから?!)
現代女性は昔のように体を使う仕事をしたり、歩いたりしないので、骨盤がゆるゆるになってしまってるそうです。
臨月でもないのに骨盤がゆるいと、赤ちゃんが必要以上に下がってきてしまって、成長に悪影響を与えたり早産の原因になったりするとか。
早産もイヤだし、産後、タダでさえデカいケツをこれ以上緩ませないためにも、今からしっかりケアします。
使用するのは業界でも有名なトコちゃんベルト。
今年の夏は思い出すのもつらいほど、猛暑でした。
仕事も前のようにフルタイムでないのをいいことに、だらだらと横になったりしながら、ただひたすら暑さをしのぐことばかり考えていた夏だったように思います。
おかげで畑は荒れ放題、まったく地主さんに申し訳がたたない。
そんな夏も急に去り、足元ひんやりの秋が昨日、駆け込んできました。
それでやっと師走の出産が現実味を帯びてきました。
秋のイベント、仕事、旅行の予定もある中、いよいよマタニティーライフは輝けるラストスパートを迎えます。

2010年7月25日

はじめてのお泊り会

森のようちえんピッコロでお泊り会がありました。
今年度に入ってから親の都合で(予算と送り迎え手間)月2回ペースでしか行ってないMoo。
「自ら考え行動する子ども」の育成をめざしできる限り手を貸さず見守る、という方針のピッコロ保育には、2回だけの参加では本当は少ないのですが、まあ自然の中で遊ぶという意味ではムダではないかな、というくらいで接してます。
ピッコロのお友だちも、そういうことでいつも行く保育園のお友だちほど親密ではないので、
今回のお泊り会も、参加させようかどうしようか、私もギリギリまで迷ってました。
とにかく、お泊り会の存在をMooが知って、自分から行きたいといえばもちろん参加させよう、と思ってました。
7月に入ると年長組の子どもに先生たちがさりげなくお泊り会のことを促し始めます。
毎日行ってる子は日程も内容も徐々に理解していくのですが、
Mooの場合は7月の初旬に1度その話を聞いて、「ふうん、そういうのがあるんだ」とその場で知ってあとは忘れてました。
ただ、最初聞いたときにお友達に行こうよと誘われたことがうれしかったらしく、最初から行きたいモードにはなっていたみたいです。
そして次の出席日がお泊り会の前々日。
「え?あさってなの?」と急にそのモードになり、はっきりと「お泊り会、行きたい」と言い出したのです。
よし、それなら、と参加を申し込みました。
お泊り会。
家族と離れ、お友達と先生たちだけで園舎に一泊。
他の参加者の多くの子同様、Mooにとっては初めての経験。
どの子も楽しみな反面、不安でさびしい、という気持ちからスタートするみたいです。
「おれ、泣くかも」と宣言している子も。
そんな周りの子の反応もあって、Mooも、参加するとは言ったもののやっぱり前日は不安な気持ちが強くなってきたみたいです。
「明日ぜんぜん楽しみじゃない」などとつぶやく場面も。
で、当日。
いつもと違って昼過ぎ3時の登園です。
その日は朝から保育園のほうを休み、私の買い物と仕事につきあわせたりしながら登園の時間を待ちました。
朝、持ってくものの準備。
Mooはしきりにふとんを気にします。ふとんは保育園に置いてあるので、出る前にとりに行くことにしていましたが、「ふとん、保育園にとりにいかなきゃ」と何度も口にしていました。たぶん保育園に一度は顔をだしたいのでしょう。
ふとんに気をとられていたせいか、下着などの着替え一式をリュックに入れるのをすっかり忘れ。
買い物に出てから二人で気がつきました。
「あーあ」。
「どうする?とりにはもどれないけど」
「このままでいい」
途中で買っていくという選択肢は出てこなかったようで、結局着替えなしで参加することにしました。
なぜかパジャマだけは用意していたのが救い。
登園。参加園児は5人。
他の子たちももう来ていて、ふとんを敷いたり、カレー用の一品持ちより野菜を集めたり、着々と準備が進んでいます。
「泣くかも」と宣言していた男の子はお約束どおりべそべそ泣いています。
それにつられてMooもウルウル。
先生が、親子の別れがしづらくなると察したのか、
「おかあさん、もう帰ったほうがいいかも」と、促してくれました。
それでMooがリュックを置きに行っているすきにこっそり園舎を出ました。
でも。
なんだか私自身納得いきません。
最近のMooはちょっとくらいイヤだと思っても、するべきこと、自分が決めたことは最終的には守る、ということができてきていて、「やっぱり行かない」のドタキャンはないのです。
というより、もともとそういう決心をする子ではない。
それなら、「がんばってね、いってらっしゃい」などの言葉をきちんとを交わしてから別れたほうが、本人も気がすむんじゃないか。
なにより私が、すごーく後味わるい。
車で帰路について3kmほど来ていましたが、「やっぱり戻ろう」と思い返しました。
でもただ戻るのもなんだかバツが悪いなー。もうお泊り会のプログラムは始まっているだろうし、他の子を刺激してもかわいそうだし。
結局、もうひとつ小さな忘れ物(歯ブラシ)をしていたことを思い出し、それを持っていくついでに、様子を見ながら会おうと計画を立てました。
園舎に戻って車道から様子をうかがってみると、もう始まりの会が始まっていて、Mooもとりあえずおとなしく座っている様子。
「こりゃー、出て行かないほうがいいかな、間が悪いな」と思っていると、
ちょうど例のベソかき少年のお母さんがまだいました。
他のお母さんがまだいるならちょっとくらいいいか、と始まり会が終わったあたりでひかえめに顔を出すと
Moo、「なんでもどってきたの?」と不思議そうな顔。
怒るでもなく、うれしがるでもなく、微妙な表情。
「いや、ほら、歯ブラシ。」
「・・・・」
「あと、ぎゅーくらいしよか。」
まあこういう間の悪いことをしたのがよかったかどうかはわかりませんが、
少なくともこの2回目の別れは特に乱れることもなく、淡々と終わったのでした。
そしてあとは次の日の迎えの時間を待つばかり。
予定では歩いて2km離れた店までパンを買いに行き、戻って子どもたちだけでカレーをつくり、花火をしたりして夜をすごし、自分たちから寝ると言い出すまで就寝は促さない。
朝は目玉焼きを作って残りのカレーとパンを食べ、スイカ割りをしたり、ウサギの世話をしたりして、9時過ぎ降園。
ただ、予定は未定で、子どもたちの様子や意思によって変わることもあるそうです。
私の心配ごとはやっぱり着替えを持っていかなかったこと。
水浸し汗まみれになったりしないかな、おねしょしないかな。
とにかくピッコロ園舎は電気はつかないし、トイレは外だし、ほとんど野外キャンプのような環境なのです。
夜おしっこに行きたくなっても、一人じゃ行けないだろうし、Mooの性格上誰かについていってほしいと言い出せるかどうか。
迎えの時間。
ごほうびに帰りに大好きな温泉に連れて行ってあげよう、と下着とワンピースの準備をして迎えにいきました。
着くといつもとかわらないすがすがしそうな顔。
とりあえずおねしょもなく無事一夜を過ごせた様子。
先生からの報告会が1時間ほどある間も、他の子と木登りしたり草をとったり、いつもと変わらないテンションで普通に遊んでいるのが、Mooらしいな、と思いました。
全体としての行事もほぼ予定通りに進んだとの報告でした。
ピッコロらしいMooにまつわる話。
夜の散歩に行こう、と子どもたちが言い出し、行き先も子どもたちが決める。
街灯もない、月明かりも半分しかない、しかも少し曇り空。
まったくの闇の中、懐中電灯だけが頼り。
勇気ある男の子を先頭に5人の子どもたちと先生たちあわせて8人が夜の散歩に出かけました。
Mooはたまたま先生と手をつないでもらっていたのですが、ふいにすっと手を離し、少し前を進んでいた男の子のところへ行って、「ねえ、Gちゃん、こっちでいいの?」と道を確認したということです。
いいとわかるとまた先生のところへもどり、手をつないでもらったとのこと。
「私に聞かないんだよね、子ども同士で確認しあうの」と先生はおもしろそうに話してくれました。
あとで感想をきくと「ちょっとこわかった」と話したそう。
意地をはって「こわくないやい」という子もいたそうですが、そのあたりMooは正直です。
みんなが眠りについたのは12時をまわっていたそうで、これも先生はびっくり。
とにかく無事におわったお泊り会。
小学校へ入る前の年のこの時期、よくお泊り保育というものが取り入れられますが、
「やっぱりこの時期なんだね」と先生は言います。
超えられそうだけど、ちょっと高いハードル。
超えた瞬間喜びを感じることもあるし、あっけなかったと感じることもあるし。
Mooの場合は一見ソツなく超えたように見えますが、誰も気づかない何かをつかんでいるかもしれません。
この一夜で劇的に変わったわけではないけど、
最近ぐっと落ち着いて、すっかり小学生と間違えられるようになりました。
何度か脱皮を繰り返す虫のように、5才半のこの時期、明らかに何かが変わったきたMooです。
お泊り会 ←一夜あけた様子。

2010年6月16日

カタコトふらんす語?

地面をちゃかちゃか歩く黒い小さな虫。
Tazは最近、蟻がわかるようになりました。
発音がおもしろい。
「あヴぃ」とも「あぎ」ともとれる微妙な子音です。
まるでフランス語の「R」の発音みたい。
大人は当然日本語の「ら行」で発音しているはずなのに、それをいったん脳に入れてアウトプットするとそういう風になるんですねぇ。
それでもMooの場合は比較的はっきり「あい」と発音していて、これは日本語っぽく聞こえたのですが、
身近にいる大人はどっちも日本人のはずなのに、それぞれ違うのもおもしろいです。
昨日は太鼓の練習のため町のホールへ。
トイレでMooが用を足しているのに私が気をとられていると、
「あぎ、あぎ、」と服をひっぱるTaz。
見ると、立派に黒々と光る○キ○リがいるではありませんか!!!!!!
多目的用の個室トイレの中で、逃げ隠れするところもなくすみっこでじっとしているのを、つかまえようとするのでおさえつけるのに必死でした。
(Tazごときにはつかまらないでしょうけど、刺激するとどこへカサカサ這い回るかわからない!)
以来家の中で「あぎ」と言われると一瞬ゾっとします。
ちなみに昔は小淵沢で○キなんかみたことなかったと夫は言います。
温暖化がこんなところにも影響しているのか?!
あり1
あり2
今日はだんごむしをつかまえて「あぎ」と言っていました。

2010年3月23日

ふたつの卒園式

Mooが在園児として最高学年の卒園式。
3連休1日目と2日目、普段通っている市の保育園と、森のようちえんのふたつがありました。
保育園のほうは何週間も前から毎日、「在園児からの贈る言葉」を練習していました。
残念ながら在園児の親は式には参加できないので、本番のがんばりぶりを確認することはできませんでしたが、
先生によると「トップバッターなので声のよく通る子にお願いしました」とのこと。
「はしるのが はやい Aくん Rくん・・・」の1文のセリフをもう一人のお友だちと口をそろえて言うのです。
模範的な言葉づかいを知るのと同時に、棒読みのしかたまで教わってしまう・・・
言うセリフも発言担当者も、先生が決めてくれ、
管理された集団生活はこの年から培われている・・と感じました。
一方、対照的な「森のようちえん・ピッコロ」。
こちらも在園児としての参加ですが、Mooは週1回しか通っていないので練習に参加することもなく、見てるだけ。
ただ、こちらは言うタイミング、誰にどんなことを言うか、という課題は与えた上で
卒園児や在園児が言う言葉はあくまで本人が考えます。
その結果、何を言っていいかわからず3分くらい沈黙の時間があったりもしますが。
(列席者はみんなその子が発言するまでじっと見守っています)
Mooは来年どんなことを言うのかなぁ。
0321卒園式1
市の保育園では、「自分の名前と好きな食べ物を言ってごらん」と順番に発言させると
必ず前の子と同じものを言う子が続きます。
早く順番を次に渡さなきゃ、という意識がどこまであるのかわかりませんが
次から次へとクローンのように繰り出される発言が、親としては(社会から逸脱してないという意味で)ほっとする一方、物足りない気もします。
ピッコロの方針は「子どもは自ら考え、行動し、大人はそれを見守って待つ」。
時間がかかってもいいから、その子が自発的に行動することを一番に尊重するのです。
ただこれにはとても時間と経験が必要です。
週1回の参加のMooはまだ慣れていない様子。
ちょっと酷かな、というときもあったけど
おおむねとてもいい顔をして、森の中の卒園式に参加していました。
0321卒園式2 0321卒園式5
卒園式のあとは野外ランチ。
炊き出し班の保護者の方たちが作ってくれたお赤飯に、各家庭からの持ち寄り野菜を煮込んだすまし汁、
持ち寄り料理の数々が並びます。
晴れている割には気温の低い日だったけど、気持ちよく外でみんなで食べました。
0321卒園式4 0321卒園式3
ピッコロはしばらく春休み。
4月の入園式にはちょっと大人の顔をして新園児を迎えられるかも。